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関西テレビ及び関西テレビグループ各社のすべての役員、社員(以下総称して「私たち」という)は、公共の福祉と文化の向上そして社会正義の実現を通じて健全な民主主義の発展に寄与するために、この関西テレビ倫理・行動憲章を読み、理解し、遵守することを誓います。

私たちは放送の公共的使命と報道機関としての責任、さらに放送の社会的影響力の大きさを十分に自覚し、多様で豊かな文化の担い手として、視聴者の信頼に応えていきます。また、放送をはじめとするあらゆる事業において嘘(うそ)のない、事実を重んじた正確な情報に基づいた責任ある発言と行動を貫き、もって公正で誠実な企業活動を展開します。

これらの実現のために、私たちは放送人として高いレベルの倫理観が求められていることを強く自覚し、常日頃からモラルの保持・向上と共に自主・自律の精神を養うことに努めます。

私たちは、二〇〇七年一月に発覚した「発掘!あるある大事典II」問題を深く反省します。そして、過ちを繰り返さないという強い決意と覚悟で、一人ひとりが法令や自ら定めたルールを遵守し、思いやりと深い想像力を持って、社会に真に必要とされる良質なメディアを目指すことを誓い、この憲章を確定します。

社会規範、社内規程の遵守

  • 私たちは、法令をはじめとする社会規範および倫理・行動憲章をはじめとする社内規程の求めるところを、一人ひとりの責任において、確認し、理解し、遵守します。また、いかなる場合においても、上司の指示・命令や社の経済的利益よりも、社会規範や社内規程を優先して行動します。
  • 私たちは、関西テレビの放送基準、番組制作ガイドラインを守り、電波が公共のものであることに鑑み、放送法の精神を厳粛に受け止め、これを遵守して放送の健全な発展をはかります。

放送の使命の自覚と責任

  • 私たちは、放送事業者に自主・自律が認められていることの意義を自覚し、あらゆる圧力から独立した自らの責任において番組を制作・放送します。
  • 私たちは、放送の公共的使命を深く自覚し、国民の知る権利に奉仕するため、また視聴者の楽しみと満足のために、報道・表現の自由を行使します。
  • 私たちは、放送の社会的影響力の大きさを深く自覚し、良心と職業意識に基づき視聴者の信頼に応える番組を制作・放送します。
  • 私たちは、放送においては事実を尊重し、情報の正確性を確保し、真実を追求します。放送が事実と違っていることが明らかになったときは、速やかに訂正します。
  • 私たちは、人間の尊厳に敬意を払い、多様性を尊重します。人種、性別、宗教、国籍、職業などによって差別を行わず、名誉・プライバシーなどの人権を守ります。
  • 私たちは、放送人として常に高い倫理を保持し、これに反する行為や言動は行いません。
  • 私たちは、放送に携る外部スタッフとともに不断の研鑽を積み、常に倫理や制作力の向上に努めます。また、常にその機会を提供します。
  • 私たちは、外部スタッフを含め、番組制作・放送に関わる放送人が不当な干渉を受けないよう、その自由を最大限尊重します。
  • 私たちは、視聴者や市民の要望、意見や批判に対しては、謙虚に耳を傾け、誠実かつ迅速に対応します。また、視聴者とのコミュニケーションを充実させるとともに、メディアリテラシーの向上のための活動に積極的に取り組みます。

企業市民としての社会的責任

  • 私たちは、環境への負荷を低減させるため、事業を通じて資源の有効利用や省エネルギー・地球温暖化対策を進めます。
  • 私たちは、社会を構成するよき企業市民として、放送・イベントなど事業を通じて地域をはじめとする社会全般に対する貢献活動を行います。また、企業市民として社会問題の解決に自発的に取り組むとともに、社員による社会貢献活動を支援します。

取引先等との関係

  • 私たちは、番組の制作・放送に関わる法人・個人、広告主・広告会社、系列局などすべての取引先に対し、公正かつ誠実に対応し、パートナーシップを構築します。独占禁止法、下請法および関係法令を遵守し、公正、対等、透明、自由な取引を行います。取引においては、優越的な関係を利用した不当な取引行為を厳に戒めます。
  • 私たちは、番組制作・放送に関わる法人・個人、広告主・広告会社、系列局等すべての取引先との間で、社会通念を逸脱する贈答・接待その他経済的利益の授受は行いません。
  • 私たちは、公務員またはこれに準ずる立場の者に対し、不正な贈答・接待・便宜供与を行いません。
  • 私たちは、社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力・団体に対しては毅然とした態度で臨み、名目にかかわらず、いかなる利益供与も行いません。

情報と知的財産権の取扱い

  • 私たちは、機密情報や守秘義務のある情報(取材源を含む)を除いて社会が必要としている情報をわかりやすく積極的に開示します。社にとって不利な情報も同様に扱います。
  • 私たちは、業務上知り得た機密やプライバシーについては、在職中はもちろんのこと、退職後も決して漏えいしません。また、取材源の秘匿は、これを貫きます。
  • 私たちは、知的財産権の創造に努め、社の知的財産を保全し活用する一方、他者の知的財産権を侵害しないよう細心の注意を払います。
  • 私たちは、個人情報保護法を遵守し、業務上必要な個人情報について適正に収集し、管理します。適正な手続きや正当な理由なく、目的外の使用や第三者への漏えいは行いません。
  • 私たちは、業務に関して知り得た未公表の内部情報を利用して、取引先、取材先等の株式等を売買するインサイダー取引等、自己または第三者の利益を図る行為を行いません。

健全かつ安全な職場環境

  • 私たちは、安全で健康な、規律ある職場環境を維持します。セクシャル・ハラスメント、パワー・ハラスメントなどは、決して行いません。また、他人を差別し、人権を損ない、人格を傷つける発言は、行いません。他人がそれをすることも許しません。
  • 私たちは、番組制作、取材、設備保守など、事業活動のあらゆる局面で安全確保を最優先します。報道機関としての使命を達成するための取材活動にともなう危険については、日常的な安全管理の点検と周到な準備により、危険を可能な限り小さくすることに努めます。

不祥事の防止と危機管理

  • 私たちは、業務を行うにあたってそのリスクを正しくとらえ、排除、回避、縮小するなど適切に対処します。
  • 私たちは、自らの権限と職責を明らかにし、業務において重要な事項を決して独断せず、協議の上で行動します。
  • 私たちは、業務における必要な情報を適切に識別、把握し、社内外の情報を必要とする者すべてに正しく伝達します。
  • 私たちは、職責に基づいて、常に自らの業務を点検します。また、経営者、取締役会、監査役、内部監査担当が独立した立場で業務を点検できるようにします。点検の結果、問題が明らかになれば、適切に改善します。
  • 私たちは、社の財産および業務上の権限や地位を私的な目的のために利用しません。
  • 私たちは、業務に関する費用を支出する際には、社内規程に則り、適正かつ誠実に処理します。
  • 私たちは、競業行為や利益相反行為など、社の利益に反して、自己または第三者の利益を図り、社に損害を与える行為は行いません。
  • 私たちは、業務において法令違反などの不正行為を知ったときは、職制を通じて、もしくは内部通報制度によって速やかに通報します。内部通報者に対しては、秘密を厳守し、通報を理由とする不利益な取扱いは一切行いません。
  • 私たちは、法令違反などの不正行為が発生したときは、迅速かつ正確な調査により原因究明と再発防止に努めます。また、迅速で的確な情報の公開により説明責任を果たし、不正行為には厳正に対処します。