2010年1月17日(日)
ゲスト
森 達也(ドキュメンタリー作家)、玉岡かおる(作家)
内容
特集
「テレビの素」第4回は、テレビにおける「事件報道」をテーマに放送しました。
我々は高度情報化社会に生きています。テレビでも多くの報道がなされています。そこで、それらの事件報道の素朴な疑問を通して、そのあり方を考えてみました。事件報道に関して言えば、ニュースとワイドショーが曖昧になっているという指摘を視聴者の方からよく頂きます。コメンテーターとしてご出演いただいた映画監督で作家の森 達也さんと作家の玉岡かおるさんから事件報道の在り方について数々のご意見、ご指摘をいただきました。また関西テレビの報道部からは橋本崇副部長が出演しました。
まず、玉岡さんからは『ニュースの「順番と取り扱う時間の長さ」の基準が気になること、また最近の事件報道が逮捕されればオシマイという印象がある。事件報道から学ぶ内容が多いのは、逮捕されて以降の「なぜ事件を起こしたのか?」「どうやって起こしたのか?」ではないのか。』とのご指摘をいただきました。
また、事件報道は、テレビだけでなく、新聞や雑誌もあります。そんな中、テレビで報道する長所と、逆に気をつけるべき点は何なのか?
かつてテレビ・ディレクターでもあった森 達也さんからは、この点について、『テレビの最大の強みは「映像」があること。映像は多くの情報を伝えられる。しかしだからこそ、映像の印象に捕らわれないように気をつけなければならない。映像の力で言うと、日本のマスメディアは「無罪推定原則」が守られていない。先進国で容疑者の顔や名前をこれほど安易に出すのはアメリカと日本くらい。容疑者を公にすることで報道が過熱する。』との指摘をいただきました。
今後も「ニュースと報道」については継続的に番組で取り上げていきたいと考えています。
ロザンのギモン!
ロザンのギモン!
ほんとに素朴な疑問なんですけども、こちら!「手錠のモザイクはなぜ?」か。
あ〜…私も知りたい。
そうですよね。実際昔はあんまり手錠にモザイクかかってない時期もありましたけども。
そうですよね。
これは橋本さん、どういうことなんでしょうか。
実はおよそ30年前に、‘ロス疑惑'というのがありまして、その時に元会社社長が逮捕された時に、警察がマスコミの前を長い時間、長い距離、手錠と腰縄をつけたまま歩かせたんですね。そのことに対して、その元会社社長が名誉毀損にあたるということで裁判に訴えた結果、裁判所が確かに有罪と確定していない人をさらしものにする行為であって違法であるという判決が出て確定したんですね。それを受けて、それは警察に対する判決ですけれども、マスコミも自粛という方向になって、手錠と腰縄にはモザイクをかけるようになったんです。
そういう事件があったわけですね。ただそれはそれでね、モザイクなしでいってても、視聴者側が何というか…これはただ単に容疑者として手錠をかけられてるだけでまだ有罪ではないんだということを僕らが受け止め方をそうしておけば問題なかったといえばなかったのかもわかんないですけどね。
あ〜、そうか。逆にものすごい悪い感じのイメージがあったりしますけどね。
そうですね。モザイクかかるとそれが定着してきて。
つまりそれは無罪推定原則なわけですよね。つまり手錠、腰縄をつけてるということは、この人は犯人なんだというイメージを与えるからいけないってことなんだけど、じゃぁ何で顔を出すのって話ですよ。
続いてのギモンは…。
はい、「決定的瞬間映像はナンボ貰えるの?」っていうことなんですけど。
なんぼ貰えるのって何?お金の話?
お金の話です。これ例えば僕がね、宇治原さんはクイズ番組よく出てるじゃないですか、ほんで、普通に楽屋とかでスタッフさんから答えを頂いて見てたと。
なんだ、そのちっちゃい事件は。
僕がね、それを写メで抑えるとするじゃないですか、それは幾らで買い取って頂けるんでしょうか?副部長さんは。
その写メ自体買うかどうかわかりませんけど。
そりゃそうです。
今、1億総カメラマン化してましてですね。
そうか、皆さんね…。
やっぱり携帯、それからデジカメみんな持っててですね、私たちが事件を知って現場に行った時にはもうみんな撮影しているということがすごい多いんですね。その方が、非常に生々しい映像が撮れてるわけです。ですから、私たちは視聴者の方にお願いしてその映像を頂いて、放送することが最近すごく多いです。でも、実は謝礼はお支払しておりません。
えっ!?そうなんですか!
あぁそうなんだ。
ニュースですので謝礼はお支払しておりませんで、善意でお貸し頂いてるという形になっております。
あっ、そうなんですか。
はい。
これは森さんも玉岡さんもご存知なかった…ね。
それは逆にいくらかあげますよって言った方が僕、決定的瞬間もっときそうな感じするんですけどね。
謝礼を示してしまうと他の局であったんですけど、嘘を言うインタビュー、要するに謝礼目的で嘘を言ったりとかですね。
わざとインパクトのあるものを作り上げてしまうと。
そうなんです。映像を捏造してしまったりとか、そういうことがあるので、私たちは無償のことこそ真実であると。
真実に近いと。
…というふうに。
でも無償にだって嘘の場合ありますよね。
それは慎重に、慎重に…はい。
森さんはほんともめ事が好きやな、森さん。森さんはもめ事が好き。
今日分かったことは森さんはもめ事が好きやと。
僕は極めて平和主義。
極めて平和主義ですか。
はい。
映像提供誰々とかってお名前を画面に出すということはあるんですか、やっぱり。
名前をどうしても出して欲しいという方が視聴者の方におられれば名前は出しますけども、そうでなければ視聴者提供という形に。
なるほどね。
ですから、テレビをご覧になっている皆さんもですね、もし現場で関西テレビの報道のクルーを見かけたら、私撮ってますというふうにですね、是非積極的に映像を提供頂けたらなというふうには…。
助かりますもんね、無償ですからね、こちらは。
無償かぁ、そうかぁ。
そうなんですって。
俺、貰えると思ってました、幾らか。
そこで決定的瞬間が撮れてるとしても、これで300円頂戴って言われても、ダメですってそれははねつけるわけですか?
えー、そうですね。
交通費出してよって言われてもはねつける?
僕がね、もの凄い決定的瞬間撮ったとするじゃないですか、これちょっとなんぼかで買い取ってくれって言ってもそれはしませんって…。
凄い決定的瞬間なんですよ。
凄い決定的瞬間だった場合、もし一人しか撮れてなくて、それが関西テレビのニュースを構成する上で絶対に必要な映像だった場合には、検討します。
なるほどね。
その結果、もしかしたら部長になれるかもしれない。
それはないです。
出世のためじゃないですよね。よく分かりました。
今回は事件報道について素朴な疑問を通して考えましたが、お二人いかがでしたか?
いやほんまに僕、お金貰ってると思ってました。
映像ね、実際ね…。でも皆さん無償でということで、今回ちょっとやっぱり森さんと玉岡さんのように違う意見の方がおられると思うんですよね、事件報道に関してはね。
そうですね。
だから、どっちが正しいということじゃもちろんなくて、今からいろいろ議論していくのが重要かなということだと思います。
考え続けていかなきゃいけないテーマですよね。
動画一覧
心でつながるプロジェクト 映像制作支援活動
「制作を終えて一言」
プロデューサーを務めた実行委員長の小林さんは、「4月から企画を考え、皆で知恵を出し合ったが、その段階で企画がなかなか決まらず2回ほどもうやめようかと挫折しかけた。安請け合いしすぎたと思ったが、それでもカメラは面白いと思った。カメラを持っていると、これまであまり喋ったことのない市場の人や、お客さんと気楽にしゃべることができた。」
カメラを担当した塩谷さんは、「カメラで撮影する際、最初にしっかりした意図をもって撮影していなかった。シャッターを押して普通にカメラで写すことと(サイズやアングルを考えて)撮ることの違いがわかった。編集段階で実際に必要な映像が足りなかった。」
編集を担当した前さんは、「撮影したテープが膨大でどうしようかと思った。徹夜でプレビューして制作中は終始寝不足でした。編集は慣れると結構おもしろかった。」