金なし風呂なし彼女なし。童貞ヘタレロッカー・日々沼拓郎（野村周平）が友人と結成したバンド "ザ・ロックンロールブラザーズ" は、知る人ぞ知るライヴハウスに住み込みで働きながらスターになる日を夢見ていた。鬼より怖いオーナーに「家賃も払えないゴミクズども！」と罵られつつ、ファンもいないステージに立たせてもらう、どん底な日々。

ある晩、ライヴをしていた3人の前に酔っぱらった女が乱入してきた。「お前、童貞だろ？生の女抱いてからロックしな！」拓郎の頭をビール瓶でぶん殴り、強引にギターを奪った女は名曲「雨上がりの夜空に」を熱唱し、観客の心を鷲づかみにする。彼女の名は宇田川咲（二階堂ふみ）。斬新なスタイルでカリスマ的な人気を誇るデジタル系トップアイドルだった。大混乱するフロア。彼女が「お前らダセーけど、けっこうー良かったぞ！」 そう拓郎たちに残して去っていった。

売れないがロックを愛する気持ちは誰にも負けない"自由"な拓郎と、トップアイドルとして活躍しながらも本当は自分のやりたい音楽が出来ずに苦しむ咲。互いに自分にないものを持っていた二人は少しずつ距離を縮めていく。

鳴かず飛ばずの毎日で、次第にバンド崩壊の危機を迎える拓郎たちに。
そんなある日、咲は拓郎にこう頼む。「お願い、曲書いて。私にはもう時間がないの…」咲の本当の"残り時間"も刻々と終わりに近づいていた。