19世紀末から戦前にかけて、貧しい日本を飛び出し、一獲千金を夢見てカナダへと渡った日本人たち。しかし、そこで待ち受けていたのは低賃金かつ過酷な肉体労働と人種差別、貧困という厳しい現実だった。やがて日本人たちは日本人街をつくり、そこで肩を寄せ合うように暮らした。そこに一つの野球チームが生まれた。チームの名は"朝日"

体が小さく非力な彼らは最初、白人チームのパワープレーにまったく歯がたたなかった。 しかし、バント、盗塁、ヒットエンドラン、スクイズ、といった小柄な日本人の俊敏な特性を生かし、徐々に大柄な白人チームを負かしはじめる。馬鹿にされていた弱小チームは、"アリが巨象を倒す"痛快さとどんなラフプレーにも講義しないひたむきな姿に、やがて日本人のみならず白人たちまでもが熱狂していく。そして、彼らはついに西海岸の白人リーグを制しチャンピオンまで上り詰めるが…。

1941年の真珠湾攻撃をきっかけに、歴史の闇に葬り去られた知られざる"真実の物語"である。