番組審議会 議事録概要
No.661 2025.2.13
「ザ・ドキュメント 30年目の難問 ~震災を知らない学生たちへ~」(1/31放送)について審議
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- 放送日時
- 2025年1月31日(金)
25:25~26:25 - 視聴率
- 個人全体0.7%(占拠率18.5%)
- オブザーバー
- 報道情報局 報道センター プロデューサー 宮田 輝美
報道情報局 報道センター ディレクター入道 楓
参加者
委員 |
委員長上村洋行(司馬遼太郎記念館 館長 司馬遼太郎記念財団 理事長) 委員長代行難波功士(関西学院大学 社会学部 教授)※ (敬称略50音順)※リポート出席 ◇オンライン出席 |
---|---|
関西テレビ |
大多 亮 代表取締役社長 |
議題
- 局に寄せられた視聴者からの意見苦情等の概要(1月分)報告
- 審議番組
「ザ・ドキュメント 30年目の難問 ~震災を知らない学生たちへ~」
(1/31放送) - その他 番組全般、放送に対するご意見、質問等
第661回番組審議会では、議題に先立ち、大多代表取締役社長より、この度のフジテレビの事案について現状報告があった後、1月分の視聴者対応報告、ドキュメンタリー番組「ザ・ドキュメント 30年目の難問 ~震災を知らない学生たちへ~」について審議された。委員からの意見は下記に記載。
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番組概要
「ザ・ドキュメント 30年目の難問 ~震災を知らない学生たちへ~」(1/31放送)
震災から30年がたとうとする今、「阪神淡路大震災」をテーマに、生まれる前に起きた震災について関西大学の学生たちが、ゼミの卒業課題としてドキュメンタリーを制作する。その学生たちをおよそ2年にわたって取材し、彼らの震災への考えの変化を追う。多くの命や生活が失われた震災の記憶を伝え続けることの意味とは何なのかを考える。
委員からのご意見
- 「災後生まれ」世代の大学生たちのゼミ活動を長きにわたって追うという試みは、おもしろい着眼点だと思った。
- 難しいね。伝えたいことをそのまま、それが伝わるかどうかはかなり難しいと思う。ましてやテーマが震災を知らない人たちにそれを伝えるわけで、ディレクターも震災を実体験として知らない中でそれをやった。非常に難しかったと思う。
- 全体の流れの中で、文章でいう句読点というか、そういうものがあったほうが伝えやすいし、わかりやすい。もう少しめり張りをつけた編集をしたほうが、狙っているテーマが明快に出てくるだろう。
- テーマを絞るとか、親切に説明するとか、先生の言葉であったり、学生の言葉であったり、30年目で知らないからこそ、何が難しかったのかというのを、もうちょっと制作者の視点から明快に教えてもらいたい。
- 南海トラフの大地震が発生する確率が高くなっているとかいうことを考えると、阪神・淡路大震災以降30年で増えた新しい知見も交えて、今後もやはり注意喚起の番組は必要なんだと思う。
- ゼミの学生たちの分担にしても、誰が何をして、いつ、誰がどこまで何を進めていくのか、その最終目的は何なのか。防災なのか、鎮魂なのか、一体この番組は何を伝えたいのか、隔靴掻痒だった。
- 学生たちとともに、「阪神淡路大震災の経験を、直接体験しなかった者にどう伝えうるか、どうすればそれらの人々に他人事ではなく自分事と感じさせられるのか」という難問に番組制作者たちも取り組んだが、解を出し切れなかった。
- 最後に防災士のカードを渡す場面は、齊藤先生と石田さんがふたりで揃ってカメラへ向かってカードを見せているように見えたところから、いろんな疑いを差し挟む余地もあると感じた。あの扱いはもう少し控えめにしたほうがよかった。
-
2年間の取材をされたとのこと、これは最初の企画どおりだったのか、仮説が崩れたのかを聞きたい。
上記のご意見への返答
最初、彼らの取材を始めたときは、震災を知らない中でも当事者の方と出会うことで、何らかの悲しみを感じ取って、それを本当に素直に伝えるみたいな形になるのかなとは思っていました。しかし、2年間というゼミの期間の中で、彼らは部活だったり、サークル活動だったり、就職活動もそうなんですが、いろいろなことに取り組む中で、ものすごくいろいろな取材をして努力をする一方で、やっぱり自分たちの生活もあって、そこまでシンプルではないんだなということを私自身も感じました。
ディレクター 入道 楓
委員のご意見を受けて
- 報道情報局 報道センター
入道 楓 ディレクター - 約2年の取材期間で感じた学生たちの気持ちの変化、震災経験者が伝えたいこと、また私自身が視聴者に伝えたいこと。すべてを一本の番組で表現する難しさを痛感しました。
基本的な情報を丁寧に説明できているか?番組の軸は分かりやすいか?これらを振り返りながら、番組を作る大切さを学びました。
委員の皆様にご指摘いただいたことを今後の取材や番組制作に生かしていきたいと思います。大変貴重な機会をありがとうございました。