番組審議会 議事録概要

No.658 2024.10.10

「インテリ芸能人とロケしたら想像以上にウザかった」(9/26放送)について審議

放送日時
2024年9月26日(木)
19:00~22:00
視聴率
個人全体関西地区2.6%(占拠率8.6%)
関東地区2.0%(占拠率6.9%)
オブザーバー
制作局 東京制作部 チーフプロデューサー
長野 聡

参加者

委員

委員長

上村洋行(司馬遼太郎記念館 館長 司馬遼太郎記念財団 理事長)

委員長代行

難波功士(関西学院大学 社会学部 教授)

井上章一(国際日本文化研究センター 所長)
上野信子(ジャトー株式会社 顧問 関西国際交流団体協議会 理事)
黒川博行(作家)
高江洲ひとみ(弁護士)
通崎睦美(木琴奏者)※
中村 将(産経新聞社大阪本社 大阪代表補佐兼編集局長兼写真報道局長)
早嶋 茂 (株式会社旭屋書店 相談役)

(敬称略50音順) ※…レポート出席

関西テレビ

大多 亮代表取締役社長
喜多 隆専務取締役
高島公美 コンプライアンス推進局長
島本元信 総合編成局長
小川悦司 制作局長
野村 亙 スポーツ局スポーツ部長
松林正和 技術推進局長
江口 茂 報道情報局局長

議題

  • 2024年4月から9月までの番組種別・放送時間、CM総量の結果報告、10月改編及び放送番組種別などの報告
  • 局に寄せられた視聴者からの意見苦情等の概要(9月分)報告
  • 審議番組 「インテリ芸能人とロケしたら想像以上にウザかった」
    [9/26(木)19:00~22:00放送]
  • その他 番組全般、放送に対するご意見、質問等

第658回番組審議会では、2024年度上期の番組種別・放送時間、CM総量と4月改編について報告を行い、審議会から了承いただいた。また、9月分の視聴者対応報告のほか、3時間バラエティ番組「インテリ芸能人とロケしたら想像以上にウザかった」について審議された。委員からの意見は下記に記載。

 インテリ芸能人とロケしたら想像以上にウザかった
番組概要

「インテリ芸能人とロケしたら想像以上にウザかった」(9/26放送)
風間俊介がインテリ芸能人の宇治原史規(ロザン)とカズレーザー(メイプル超合金)、さらにクイズ番組に欠かせない日本トップクラスのクイズ作家と豪華ゲストを迎えて、人気スポットに向かう旅情報バラエティ。
ロケのゲストに鈴鹿央士、趣里、大友花恋を迎えて、浅草、羽田空港、豪華客船飛鳥Ⅱへ。人気のグルメやサービスを堪能する楽しい旅ロケになるはずが、インテリ芸能人たちが目に入ったものから数珠つなぎにクイズを出題。必死でロケを進めようとする風間と突然始まるクイズ合戦に唖然とするゲスト。しかし、次々と繰り出される雑学盛りだくさんのクイズが楽しくなってしまい…。
スタジオでは風間に加えて、東野幸治、平愛梨、ファーストサマーウイカ、栗田航兵(OCTPATH)がウザすぎる知識ひけらかしロケを見て盛り上がる。
インテリ芸能人と旅したらウザい?学べる?大混乱のクイズ・旅情報バラエティを全国ネット3時間放送。

委員からのご意見

  • まちを歩くロケや食レポはテレビでよく見かける。日本を訪れている外国人にマイクを向けるシーンもこの頃は多くなっている。それぞれにテレビ的な型が出来ていると考える。この番組ではクイズの合間にそれらが浮かび上がる仕組みになっている。クイズをぶつけることで、これまでパターン化されたありきたりと思っていたものが、やや新鮮に映る可能性はあるかなと受け止めた。
  • 普通の情報バラエティではなくてクイズでうんちくを語る芸能人やクイズ作家を絡ませることによって新しい番組形態にしようとしているということは伝わってきた。ただそれがいいのか悪いのかというのは、わからなかった。
  • クイズの答えがすぐ出てくるところはとてもよかった。クイズ番組で答えを引き延ばされるのは個人的に好きじゃない。何で引っ張るの、早く知りたいとどうしても思ってしまう。今回は、答えの待ち時間もなくぽんぽん回答してもらえるので、すごいよかったなと思った。
  • クイズ自身は、私はほとんど答えがわからなくて、答えを聞いて、へぇーと思うことも多く、クイズの質や難易度やバランスはいいと思った。
  • テンポも速いし、クイズ形式で情報を伝えていくという視点というか、方法みたいなものはいいと思う。スタジオも現場もタレントさんたちは嫌みがなくて新しいバラエティをつくろうという意気込みみたいなものは感じるが、作り方が旧態依然であってただただ騒々しいという感じを強く受けた。
  • 本当にロケも必要なのかなとちょっと思った。見るもの、あるもの全てをクイズにしていく、うんちくを語っていくというのがこの企画の肝だとすると、ロケ地があってゲストが事前に知らされていると当然皆さん下調べしてくるので、幾らスタジオでアドリブがすごいと言っていてもアドリブには視聴者は見ない。
  • 極端に言えばスタジオもなくしてしまえばもっとすっきりすると思うが、いいかげんでこういうシステムというか、形、構成はお考えになったほうがいいと思う。要するに芸人やらタレントがはしゃいでいるのを見るのは嫌。はしゃいでいいのは視聴者。
  • 風間さんを進行役にしたのはよかったと思う。クイズをパスして次へと言っても、クイズ作家たちは無視してそのままそこでクイズの言い合いをしているという雰囲気があったり、あるいはすし屋さんからラーメン屋さんに行けなかったという部分なんかで風間さんの困った様子や焦った様子みたいなのが生に出てきていた。あれは現場でつくっているんだという雰囲気が出たので、いいと思った。
  • カズレーザーさんは多分空気を読まずに振る舞うという番組の趣旨と進行をぎりぎりのところを攻めていっていろいろやられているのかなと思いながら見ていた。すごいクイズの出し方とかも頭がいい方で回転も早い方だなと感じた。意外に鈴鹿央士さんが食レポも上手で正直ちょっとびっくりした。バラエティの対応も好印象だなと思った。
  • 少し戸惑った。確信犯的にウザさを随所に挟み込んでいて、どういう進行になっていくのかなと思って見た。いわゆるお店側や(取材先の)スタッフ側の方たちの表情を見ていると、何でクイズやっているのかなというちょっと突飛な感じの表情だった。動揺とも不満とも受け取れるような表情でそれをあえて撮影していた。まさにウザさを前面に出した展開にしている番組だった。
  • 浅草のすし屋の主人とか、空港のうどん屋の店長の表情とか様子を見ていると、事前にどこまで何を知らされていたのだろうというのが大きな疑問。目の前に料理は出ますけれども、延々と(クイズを)しゃべり続けるかもしれませんが、勘弁してくださいということで事前に了解をもらっているのならともかく、そうじゃないのであればちょっとひどいのではないか。
  • 寿司職人やマジシャンなどを取材対象に選んでおきながら、その方達を無視してクイズに持っていった。さらに、取材されている方が不審な顔をしているのを面白げに映し出していた。私が取材されている立場だったら、撮影途中でも、「帰ってください」と言ったと思う。

    上記のご意見への返答

    お店の方には、「インテリ芸能人の方と行くので、どんどん話が脱線していきます」というのはお伝えし、ご了承をいただいております。本当に私たちも驚くほどにクイズが湯水のように出てくるので、お店の方も驚くことになると思います、と事前にお伝えしていました。
    ただそれを見て、視聴者の方がどう受け取るかというところは私たちも懸念がゼロだったわけではありません。ある種、ちょっと挑戦していた部分ではありますが、その辺のことをうまく拭えなかったというか力量が足りなかったかなと、反省点として思っています。

    チーフプロデューサー 長野 聡

  • 情報でいえば、天麩羅を圧縮した天麩羅チップスは初めて見るものだったし、羽田空港の色々にも感心させられた。また、価格が表示されるので、和牛おにぎり1300円を始め、物価の高騰を実感させられるという点も面白かった。
  • 羽田空港のパートは、情報としてはとても有益で面白かったと思う。無人の自動チェックインとか、充電ポールとか、世界一清潔な空港とか、世界最少のロストバゲージなどと言われていたが、感心した。このパートでもクイズが挟み込まれたが、情報紹介の部分が充実しているとやはり印象に残っていく。
  • クイズ×旅情報×バラエティのコラボ、ハイブリッドの番組で、実験的な試みをしようとしたと思う。そのチャレンジ精神は大切だと思うが、結果として残念ながら、3つのバランスがよくなかったように思う。
  • 全体としてやはり3時間は長かったかなと。それぞれのパートにめり張りをつける必要はあったと思う。
  • 長く感じた。浅草グルメ、羽田空港、豪華客船という3つのエリアには分かれているが、ずっとクイズ形式で同じようなトーンで進んでいったものだから、変化をあまり感じない。変化を感じないために長いというのがより強く感じた。長いのは一つの大きな欠点で、せめて1時間番組というふうなものが妥当かなと思った。
  • クイズが好きな人、観光グルメ情報が好きな人に分けるとしたらこの番組はクイズが好きな人が好む番組だったと思う。3つの場所が舞台になったが、例えば、1つずつ分けてとりあげて番組にするとか、もしくは2か所ぐらいに収められなかったのかなと思った。3か所連続で見るのはちょっとしんどかった。

委員のご意見を受けて

制作局 東京制作部
長野聡 チーフプロデューサー
各委員の皆様には貴重なご意見をいただきましてありがとうございます。
3時間枠の難しさ、このパッケージが受け入れられるか、という挑戦でもありました。
結果は厳しいものになりましたが、今回いただいたご意見に関してチームでも共有し、次へつながるようにブラッシュアップをはかっていきたいと思います。