開催内容
パウル・クレー 20世紀美術に燦然と輝くスターたちとの共演!
「この世では、私を理解することなど決してできない。なぜなら私は、死者たちだけでなく、未だ生まれざる者たちとも一緒に住んでいるのだから。」
パウル・クレー(1879-1940)のこの言葉は、1920年にクレーの作品を売り出した画廊の販売戦略に用いられて、孤独に瞑想する芸術家としての彼のイメージを広めました。たしかにクレーの作品は謎めいているかもしれません。しかし、同じ時代を生きたほかの多くの前衛芸術家たちと同様に、クレーもまた、仲間たちと刺激を与え合ったり、夢を共有したりしながら、困難な時代を生き抜いたひとりの人間でした。
クレーは、人生の根源的な悲劇性と向き合いながら、線と色彩によって光を呼び起こし、抽象のなかに生命のエネルギーを描き出しました。その作品は、歴史的な文脈のなかに置かれることで、また新たな姿を見せることでしょう。本展では、スイスのパウル・クレー・センターの学術協力のもと、クレーと交流のあった芸術家の作品との比較や、当時の貴重な資料の参照を通じて、多くの人や情報が構成する星座=コンステレーションのなかでクレーを捉え直し、その生涯にわたる創造の軌跡をたどります。
なお、本展は兵庫県立美術館では10年ぶりに開催のクレー展となります。
展示構成
1章 詩と絵画
クレーがミュンヘンのアカデミーに学び、帰郷後再度ミュンヘンにてカンディンスキーやフランツ・マルクら青騎士の芸術家たちと出会うまでを紹介します。

1905年 パウル・クレー・センター
(リヴィア・クレー寄贈品)
2章 色彩の発見
1912年にパリを訪れたクレーは衝撃を受け、その後チュニジアを訪問、色彩に目覚めます。ここではピカソ、ブラックらの作品も紹介します。

1914年 パウル・クレー・センター

1914年 バーゼル美術館
3章 破壊と希望
第一次世界大戦で青騎士の友人を失ったクレーは、戦争への批判的な態度を強め、自作の切断—再構成を実践します。ここでは戦争とクレーの関係性やダダの作家たちによるクレー評価を紹介します。

1916年 宮城県美術館
※4月27日まで展示

1915年 宮城県美術館
※4月27日まで展示
4章 シュルレアリスム
「シュルレアリスム宣言」で、クレーはその先駆者のひとりとされました。ここではクレーとシュルレアリスムの交流を展示します。

1920年 パウル・クレー・センター

1930年 バーゼル美術館
5章 バウハウス
1919年にクレーはバウハウスのマイスターとして招聘されました。ここではクレーの造形論を紹介し、クレーにおける構成主義的な傾向の影響を検証します。

1927年 パウル・クレー・センター
(リヴィア・クレー寄贈品)

1923年 愛知県美術館
6章 新たな始まり
ヒトラー政権樹立によりクレーは退廃的な「ユダヤ人」とみなされ、140点もの自作が「退廃芸術」として美術館から没収されました。ここではクレー自身とその時代の危機的状況を紹介します。

1933年 宇都宮美術館
※4月29日から展示

1933年 パウル・クレー・センター
(リヴィア・クレー寄贈品)
The exhibition has been organized in cooperation with the Zentrum Paul Klee, Bern.
開催スケジュール
日程
2025年3月29日(土)~5月25日(日)
開館時間:10:00~18:00
※入場は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(ただし5月5日〔月・祝〕は開館、5月7日〔水〕は休館)
会場
兵庫県立美術館
チケット発売日
2024年12月19日(木)10:00~
料金
当日券 | 団体 | 前売券 | |
---|---|---|---|
一般 | 2,000円 | 1,600円 | 1,800円 |
大学生 | 1,500円 | 1,200円 | 1,300円 |
高校生以下 | 無料 | - | - |
70歳以上 | 1,000円 | 800円 | - |
障害者手帳等をお持ちの方 (一般) |
500円 | 400円 | - |
障害者手帳等をお持ちの方 (大学生) |
350円 | 300円 | - |
※前売券の販売は2025年3月28日(金)まで
※障害者手帳等をお持ちの方1名につき、その介助の方1名は無料
※高校生以下無料
※予約制ではありません。混雑時は人数制限を行いますのでお待ちいただく場合があります
※一般以外の料金で利用される方は証明書を観覧当日にご提示ください
※コレクション展の観覧には別途観覧料が必要です(本展とあわせて観覧される場合は割引があります)
音声ガイド
ナビゲーター:伊東健人さん(声優・歌手)

声優・歌手として幅広く活躍している伊東健人さんが、クレーの謎めいた世界観をわかりやすく解説します。
~伊東健人さんからのメッセージ~
今回の展覧会では、クレーの作品だけではなく、周りを取り巻く環境や、友人などにもスポットが当たっているので、その人間関係を知って、クレーに影響を与えたものなどを、自分なりに紐解いていくのも面白いと思います。観る方たちの目に映る色彩が鮮やかになればよいなと思いながら音声ガイドを務めましたので、ぜひ楽しんでいただければと思います。
プロフィール
伊東健人(声優・歌手)
【推しの子】〈ゴロー 役〉、マイホームヒーロー〈間島恭一 役〉、アイドルマスターSideM〈硲道夫 役〉、刀剣乱舞-ONLINE-〈桑名江 役〉をはじめ、アニメ、ゲーム、テレビ、ラジオで幅広く活躍。そのほか歌手としても活動。
音声ガイド概要
貸出料金:1台 700円(税込)
関連イベント
◆講演会
日時:2025年3月29日(土)14:00~15:30
講師:黒田 和士氏(愛知県美術館学芸員・本展企画者)
演題:パウル・クレー 転換するコンステレーション
会場:兵庫県立美術館KOBELCOミュージアムホール(美術館内)
当日先着順、定員150名、聴講無料、要パウル・クレー観覧券(半券可)
◆詩と音楽で綴るパウル・クレーの世界—谷川賢作コンサート


日時:2025年4月11日(金)15:00~16:00
出演:谷川 賢作氏(作曲家・ピアニスト)
深川 和美氏(ソプラノ歌手)
内容:特別展「パウル・クレー展」に関連して、ピアニスト・作曲家の谷川賢作さん、ソプラノ歌手の深川和美さんを招き、音楽と歌と詩によるコンサートを開催します。谷川賢作さんの父である詩人 谷川俊太郎さんが手がけたクレーを題材にした詩集から、クレーの世界を音楽でつむいでいきます。
会場:兵庫県立美術館KOBELCOミュージアムホール(美術館内)
参加:事前申込制、定員200名、入場料1,000円、要パウル・クレー展観覧券(半券可)
◆学芸員による解説会
日時:2025年4月13日(日)、4月29日(火・祝)、5月18日(日)
いずれも15:30~16:15
会場:兵庫県立美術館レクチャールーム
聴講無料、先着順、定員80名
◆ミュージアム・ボランティアによる解説会
日時:会期中の毎週日曜日 11:00~11:15
会場:兵庫県立美術館レクチャールーム
聴講無料、先着順、定員80名
◆こどものイベント「絵を切って貼ってもういちどつくろう!」(仮題)
日時:2025年4月26日(土) 10:30~13:00
会場:兵庫県立美術館アトリエ2
参加費:500円を上限に徴収予定
詳細は兵庫県立美術館ホームページにて
お得なコラボ企画を実施!
《相互割引》
本展の観覧券(半券可)をご提示いただくと、下記の展覧会が割引料金でご鑑賞いただけます。
「空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン」展が当日券100円引き
会期:2025年4月5日(土)~6月22日(日)
会場:あべのハルカス美術館
※1枚につき1名様1回限り有効
※他の割引との併用不可
※休館日、開館時間等の詳細はあべのハルカス美術館公式サイトをご確認ください
アトアと相互サービスを実施
展覧会開催期間中、AQUARIUM × ART átoaの入場券各種を本展チケットカウンターにて提示でチケット代が割引になります。
《割引価格》当日一般2,000円(税込)⇒1,900円(税込)
当日大学生1,500円(税込)⇒1,400円(税込)
また、本展観覧券および半券をAQUARIUM × ART átoa3階 átoa LABショップにて提示で、
オリジナルポストカードをプレゼントいたします。
※証票1枚につき、1人1回の使用に限ります。そのほか割引との併用は不可。
ただし証票が複数名の利用であることが認識できる場合は、利用者分の割引とします。


◆unimocc art cafe gallery×「パウル・クレー展」 コラボドリンクを販売!
「アートを見る.知る.伝える.」をコンセプトに絵画からインスパイアされたドリンクやアート体験ができる「unimocc art cafe gallery」では、展覧会期間中、「北方のフローラのハーモニー」をイメージしたフルーツシャーベットのティーソーダを提供します。

商品名:《北方のフローラのハーモニー》をイメージしたフルーツシャーベットのティーソーダ
販売期間:3月29日(土)~5月25日(日)
販売価格:1,800円(税込) ※毎日数量限定
販売場所:unimocc art cafe gallery
〒542-0012大阪市中央区谷町6丁目3-25, 1F
公式サイト https://unimocc.com/
プレイガイド
兵庫県立美術館ミュージアムショップ(開館時のみ)
※メンテナンス休館のため、12月21日(土)10:00~販売開始
近鉄営業所
チケットポート なんば
- 主催
- 兵庫県立美術館 / 産経新聞社 / 関西テレビ放送
- 協賛
- DNP大日本印刷 / アイシン / 公益財団法人伊藤文化財団
- 学術協力
- パウル・クレー・センター
- 特別協力
- 東京国立近代美術館 / 公益財団法人日本教育公務員弘済会 兵庫支部
お問い合わせ
兵庫県立美術館
078-262-1011