『ザ・ドキュメント さまよう信念 情報源は見殺しにされた』
坂田記念ジャーナリズム賞(第1部門)を受賞!

2025年3月17日(月)

関西を拠点にした優れた報道に贈られる第32回坂田記念ジャーナリズム賞の第1部門(スクープ・企画報道)放送の部で、当社報道センターが制作した『ザ・ドキュメント さまよう信念 情報源は見殺しにされた』が、受賞しました。当社作品の受賞は、2021年(第28回)以来です。表彰式は3月28日(金)にクラブ関西(大阪・北区)で行われます。
授賞理由
メディア、ジャーナリズムの倫理を自ら問う番組として高く評価したい。対象となった事件はジャーナリズム関係者、研究者の中では注目されてはいたが、一般的には著作者の草薙氏への一時的批判で終わり、忘れられていた。改めて、「情報源の秘匿」という報道倫理を視聴者に問い、同時にメディアが自己の批判的検証を行ったものとして評価できる。
さらに、崎濱医師の医師としての倫理観、人間性があって成立するドキュメンタリーであり、その点を明らかにする点でも情報源を秘匿できなかったメディアの贖罪だとも言えよう。事件の検証については諸永記者の問題意識と取材に依拠している点はあるが、諸永氏のプライオリティを尊重しているとも取れる。そして、何よりも当該の編集者であった山中氏の肉声取材ができたことは大きい。ただ、最後に当該の「少年」に手紙を書いたことは評価が分かれるのではないだろうか。
どちらにしろ、視聴者には様々な読み解き方、複合的な読解ができる優れた作品だと思う。
上田大輔ディレクター(報道情報局報道センター)のコメント
上田大輔ディレクター(報道情報局報道センター)
このたびは名誉ある賞をいただきありがとうございます。ジャーナリズムという観点で選んでいただき、とても励みになります。
関西が舞台となった「僕パパ」事件は当時からずっと気になっていた事件でした。17年という月日を経て世間では忘れられてしまった感がありましたが、当事者はずっと信念を胸に秘めていました。本番組が少しでも事件の教訓を後世に残すものになればと願います。

『ザ・ドキュメント さまよう信念 情報源は見殺しにされた』

『ザ・ドキュメント さまよう信念 情報源は見殺しにされた』
2007年、奈良少年放火事件の供述調書を引用した本が物議を醸す。強制捜査で特定された情報源の鑑定医は秘密漏示で有罪に。しかし「後悔していない」と語る。その真意は何だったのか?当事者たちが17年間の沈黙を破り、カメラの前で初めて語る。
『ザ・ドキュメント さまよう信念 情報源は見殺しにされた』
放送
2024年7月12日(金)
語り
豊田康雄(カンテレアナウンサー)
ディレクター
上田大輔
撮影
登島努
編集
堀田浩司
プロデューサー
宮田輝美
受賞歴
▼ギャラクシー賞2024上期:奨励賞
▼メディア・アンビシャス大賞2024:映像部門優秀賞
視聴はこちらから⇒https://www.ktv.jp/document/240712.html
関西テレビ番組の、同賞での近年の受賞(これら以前については主催者HPをご参照ください)
2021年:『ザ・ドキュメント となりのミライジン』(第1部門)
2020年:『ザ・ドキュメント 未ダ知ラナイ~コロナが変えた私たちの地域医療~』(第1部門)
『ザ・ドキュメント 学校の正解~コロナに揺れた教師の夏~』(第1部門)
2019年:『ザ・ドキュメント 裁かれる正義 検証・揺さぶられっ子症候群』(第1部門)
2018年:『ザ・ドキュメント マリアとフクシマ』(第2部門)
2016年:『ザ・ドキュメント 兄と弟-満州 おもいでの河へ』(第2部門)
2015年:『ザ・ドキュメント 京の摺師~パリに渡った浮世絵~』(第2部門)
2014年:『ザ・ドキュメント 声なき声によりそって~地域福祉の現場から~』(第1部門)
2013年:『ザ・ドキュメント みんなの学校』(第1部門)
坂田記念ジャーナリズム賞
https://koekizaidan-sakatakinen.jp/