上方演芸界で最も長い歴史を持つ『第60回上方漫才大賞』受賞者決定!
2025/04/12
4月12日(土)午後3時より、カンテレ・ラジオ大阪にて生放送でお届けした『第60回上方漫才大賞』。
上方演芸界で最も長い歴史を持ち、数々の実力派漫才師が受賞してきた【上方漫才大賞】に、今年は銀シャリが輝いた。
今年コンビ結成20周年を迎える銀シャリは、2011年(第46回)の新人賞、2016年(第51回)の奨励賞受賞以来、9年越しで初の大賞受賞となる。
また、当日の審査を経て決定する奨励賞には、5組のノミネートの中からヘンダーソンが、新人賞には、7組のノミネートの中から豪快キャプテンが選出され、受賞直後に喜びの声をあげた。
~大賞 銀シャリ~
Q. 2011年の新人賞、2016年の奨励賞に続き、9年越し 初の大賞受賞です。
今回満を持しての受賞ですが、今の心境はいかがですか?
鰻:しかも“コンビ結成20周年”、“第60回大会”というこんなにめでたい回数で。
橋本:今年も全国ツアーがはじまるんですけど、良い賞をいただいて頑張りがいがあるなという感じです。
Q.「大賞をとりたい」と公言される中、今回念願の受賞となりました。
橋本:奨励賞をとったときは(野望を)内に秘めるタイプだったんですけど、“とりたい”という魂を出していかないとなと思って。4年前ぐらいから「とりたい、とりたい」と自分たちの中で言い出しましたね。
鰻:ほんまに誰にでも言っていました(笑)。
橋本:夢は口に出していかないと実現しないのでね。
Q.お祝いゲストとして笑い飯(西田幸治、哲夫)のお2人に駆け付けていただきました(去年の59回大会で2度目の大賞を受賞)。いかがでしたか?
橋本:僕らが右も左もわからないときに、芸人としてのイロハや漫才師としての取り組み方、ボケ方ツッコみ方ふくめ、ずっと舞台袖から拝見していました。今回来ていただけてめちゃくちゃうれしかったです。哲夫さんは大学の先輩でもありますし。
鰻:哲夫さんぐらいじゃないですか、夜から飲んで次の日の昼前ぐらいまで飲みはる人って。当時そんな感じだったんで、芸人ってずっと飲んでいるもんなんやと(笑)。
Q.大賞受賞を知ってから今日まで内緒にしておく、その気持ちはいかがでしたか。
橋本:毎年ありがたいことに、先輩から「今年こそおまえらがとるんじゃないか」と言っていただいていたので、今年も言われたんですけど。「兄さん去年も言ってはったじゃないですか!またそんなこと言うて!」とごまかしていました(笑)。
鰻:聞いてきそうな先輩からは逃げていました(笑)。でも今日はきつかったですね。
橋本:NGK(なんばグランド花月)で出番を一回やってから来たんですが、テンダラーさんやスーパーマラドーナさんがいて。僕らは何も言ってないですよ?ですけど、「おめでとう!」って言われて。「NGK一回目だけしか出番入ってないやん、それはもうおめでとうやん」って。
鰻:まずこれをやめなあかん(笑)。
橋本:さっきも『よ~いドン!』があったんですが、(月亭)八光さんに「おめでとう」って茶封筒を渡されました(笑)。
鰻:こっちは言ってないんですけどね、まったく(笑)。
橋本:親にも秘密にしてきたんで、テレビを見たおかんがビビってると思います。こんなに秘密にするの、『探偵!ナイトスクープ』の探偵に就任したとき以来です(笑)。妻にも一週間前ぐらいに言った感じです。賞金のことは言っていません!が、これでバレると思います(笑)。
Q:お2人にとって上方漫才大賞とは?
橋本:幼稚園のときから漫才大好きで、おじいちゃんおばあちゃんちで(上方漫才大賞が)ずっとついているので「すごい大会だな」と思っていました。芸人になってからも、ワッハ上方の演芸資料館(大阪府立上方演芸資料館)で過去の勉強もさせていただいて。
本当に歴史ある賞のえげつないぐらいの重みを感じていました。歴史に名を刻めたという気持ちで、本当にうれしいです。
鰻:珍しいですよね。バトルしてもらえるわけではないじゃないですか。大賞は“とりたい”といってもとれない、選んでもらわないと絶対にとれないやつなんで、一層うれしいですね。
Q:今後どう漫才と向き合っていきたいかという目標は?
橋本:とにかく漫才が大好きなので、健康に気を付けて、長く漫才師をやっていきたいと思います。
上方漫才大賞をとった漫才師がそれだけすごいんだぞと思ってもらえるように、全国ツアーもしっかりやっていきたいです。周りの漫才師さんがすごい人ばっかりなので。いろんな先輩や後輩にも常に見られて、切磋琢磨(せっさたくま)というか、ゆるめる瞬間はない環境だと思います。今の漫才のクオリティーを、“保つ”というより、上げ続けられるように頑張りたいです。
Q:連覇についてはどう思いますか?
鰻:まだとってない方もいらっしゃるのであれですけど、もしタイミングがあればいただきたいです。お金がないんです、本当に(笑)。
橋本:次は人に言えるのがうれしいですね。「次おまえなんちゃう!?」って。いつか自分が大賞とることが決まっている一か月前くらいとかに言ってみたいですね(笑)。
鰻:ギャラだけは高騰でいきたいですね。
Q.他の漫才師に負けない強みは?
橋本:自然体であることと、もうボケとツッコミがないというところですかね。鰻と橋本がやれば、それだけで銀シャリの漫才になる。勝手に出汁が出るというか。
鰻:漫才を楽しんでやっている感じですかね。素でやっているので、ネタ中も面白かったら普通に笑ってしまうんですよ(笑)。
Q:後輩たちにメッセージをお願いいたします。
橋本:人から勉強してもいいと思うのですが、とらわれずにそのコンビにしかできない境地にいってほしいなと思いますね。オリジナリティーというか。奨励賞や新人賞を見ていても、みんなすごかったですね。
鰻:マネしても仕方ないもんな。面白かったですね。(先輩の)誰々っぽいとかいうのがなく、それぞれのカラーがあって。
~奨励賞 ヘンダーソン~
Q.15年目以下のライバルがそろう中、2度目のノミネートで奨励賞を受賞されました。発表の瞬間を振り返っていかがでしたか?
中村:(全員の得点が表示されていく中)僕たちはトリだったので、全員の点数が波のように押し寄せてきて。マユリカで「91点」が出た時に“うわ、あかんかも”という感じだったんですが、僕らなりに“やり切った感”や、自信があったので、その“もうちょい上をとれるんじゃないか”と。「95点」と出た時に、よっしゃと思いました。
子安:「かみまん投票」が初めて点数に反映されるようになり、マユリカはめちゃくちゃ人気者なので…“(マユリカは)かみまん投票で点をとってるんかな“とか、あの一瞬でいろいろ考えました。
中村:“マユリカが”というか“僕ら以外”がみんな人気ある後輩らなんで(笑)。かみまん投票の部分はあきらめていましたね。
子安:「かみまん投票かー!」って二人で言っていましたからね(笑)。
Q.(NSC)同期の吉田たち、見取り図に続く奨励賞受賞です。今後の目標ややりたいことは何ですか?
中村:吉田たち(ゆうへい・こうへい)がさっきメッセージくれて。ゆうへいとも“(2023年 吉田たち、2024年 見取り図に続き)同期で3年連続(奨励賞を)とることもあるんやな”と。
今後はまず、目の前の『THE SECOND』。あと1回勝てば決勝大会なので、“一緒に決勝いこうな”なんていっていました。あとはやっぱり、上方漫才大賞は一番欲しい賞なので、そこに向かって頑張れればと。
子安:僕らの初単独ツアーに奨励賞を引っ提げていくことが目標だったので、まず1個目の目標はクリアできたなと。大賞は“雲の上の存在”というイメージだったんですが、ここまで来たらちょっと欲が出るというか。奨励賞をとれたし、(大賞を)とる権利は得られたと思うので、これからとれるに値する漫才をしていきたいと思います。
Q.ここ何年かで、(漫才のスタイルが)だいぶ変わったと思います。自分たちでここが変わったと思うところはありますか。
中村:3年前まで、漫才をあきらめてコントを作り出したり、さまよっていた時期がありました。もともと僕がボケで、相方が突っ込みやったんですけど、“漫才をちゃんとしたいな”と思って、フルモデルチェンジして今の形を見つけました。ここ最近で一番仕上がっている状態でこの舞台に立てたので、“試せる!”というわくわく感もありましたね。
子安:質問いただいた記者さん、「石焼き芋」のネタの時も囲み取材にいてくれていましたよね?それ以来ですよ!僕めっちゃうれしいんです、エモいというか感慨深いです!
中村:9年前くらい前でしたよね。
子安:あの時は歌ネタでしたけど、漫才師としてこの賞をとれたのが本当にうれしいです。
Q.東京進出以来、先が見えない状況にいたこともあると思います。今の二人にとって、漫才とは何ですか。
フー:あきらめて違う方向に向かおうとしたこともありましたが、これ(漫才)がしたくて芸人になったので、とにかくめげずに、あきらめなくてよかったなという感じです。
子安:800ステージ以上出ていたら、本当に“生活の一部”なので。その“生活”を続けていくためには、(ネタを)更新していかないと、(ステージに)呼んでもらえなくなっちゃうなと東京に行ってより思いました。奨励賞という大きい賞をとれてほんまに良かったなと。まだ続けていいんだという感じです。
~新人賞 豪快キャプテン~
Q.初のタイトル獲得です。受賞の瞬間を振り返っていかがですか?
山下:僕は正直…“バッテリィズもおるしな”と思っていたので、“無”でした。ただ、結果発表でバッテリィズを1点差で上回った瞬間に、“もしかしたら”って。(タイトルを)とれないことに慣れてしまっていましたが、予想外ですごくうれしかったです!
べーやん:自分たちの点数が発表されてからは、“下回れ、下回れ”と思っていました(笑)。やらしい部分が出ちゃいましたね。決まったときは、涙が出るかなと思ったんですけど、びっくりして鳥肌が止まらなかったです。縁がないものだと思っていたので、ほんまにサプライジング!めっちゃうれしいです。
Q.同期や強敵を抑えての受賞です。次に目指したいものはありますか?
山下:同期のジョックロックやバッテリィズは『M-1グランプリ』で爪痕を残しているので、僕たちもこれを機に、他の賞レースでも成果を出せるように頑張ります。
べーやん:NGK(なんばグランド花月)に出ても、ちゃんとウケる漫才師になりたいです。
山下:前、とんでもなくスベりましたからね。
ベーやん:恐ろしくてあの日はすぐ帰りましたが、今日は胸を張って帰れます。
Q.披露された“おでん”のネタは、どのように作りましたか?
山下:ほんまに先月、先々月くらいです。全国ツアーの前日に、いよいよネタがないぞってなって。僕の好きな食べ物のネタやったらすぐにできそうということで、例えば炎のタキノ(ルイ)に喫煙所で相談したら、“おでんとかどうですか?”って言ってきて。それがきっかけで夜中に作りました。僕もなんでこんなことになったのか、記憶が定かじゃないですが、突発的にできたネタの方がよかったりはするので。ただ、普段は6分とか7分でやるところを4分でやるのは初めてだったので、不安はありました。
Q.賞金100万円の使い道は?
山下:ボロボロの車を買いたいと思います。車がすごく好きですが、新車はまだ難しいので。いい駐車場が見つかれば買おうと思います。
べーやん:僕も今乗っているのが軽自動車なので、ワンランク上の車を買いたいと思います。
Q.さきほど(お祝いの)LINEが止まらないとお聞きしましたが、どのくらい届きましたか?
山下:え、だいたい12~13通くらい。そこからは、ピタッと止まりました(笑)。
ベーやん:一番にLINEをくれたのが、カペボスターの浜田順平でした。自分の出番前に舞台袖から送ってくれて。奥さんもテレビで見てくれていたのに、奥さんより先に送ってきたんですよ。最低です、あいつ!メッセージは奥さんから最初にほしかったのに(笑)!
【番組情報】
タイトル:『第60回上方漫才大賞』
放送日時:4月12日(土)午後3時~5時30分(関西ローカル)※生放送
出演者:
【司会】大平サブロー【進行】関純子(カンテレアナウンサー)、藤川貴央(ラジオ大阪アナウンサー)
【大賞】銀シャリ(鰻和弘、橋本直)
【奨励賞】ヘンダーソン(子安裕樹)
【新人賞】豪快キャプテン(べーやん、山下ギャンブルゴリラ)
【奨励賞ノミネート】カベポスター、ダブルヒガシ、天才ピアニスト、ヘンダーソン、マユリカ(5組/50音順)
【新人賞ノミネート】オーパスツー、ぐろう、豪快キャプテン、ジョックロック、バッテリィズ、
はるかぜに告ぐ、フースーヤ(7組/50音順)
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