兵庫県立上野ケ原特別支援学校 ひかりの森分教室

兵庫県立上野ケ原特別支援学校 ひかりの森分教室

声を出すことや物語のすばらしさをみんなで体感しよう!
兵庫県立上野ケ原特別支援学校 ひかりの森分教室 中島めぐみアナウンサー

はじまる

出会う・知る

関西テレビのアナウンサーが、相手(視聴者)に伝わりやすい、「言葉のプロとして実践している『話し方や質問の仕方』などのコミュニケーション方法」を分かりやすく説明します。
講師
中島めぐみ アナウンサー
2024年最後の出前授業の舞台は、豊かな紅葉に包まれた校舎が印象的な「兵庫県立上野ヶ原特別支援学校ひかりの森分教室」。小学4年生1人、5年生2人、中学1年生1人、2年生1人の計5人の参加でした。関西テレビのアナウンサーが伝授した朗読のポイントをもとに2冊の絵本の朗読にチャレンジしました。
兵庫県立上野ケ原特別支援学校 ひかりの森分教室
中島めぐみアナウンサー
講師は、アナウンサー歴15年の中島めぐみアナウンサーです。
はじめはアナウンサーとは何か、どんなことをするのかを話しました。
「限られた、与えられている時間の中で、どのような言葉を選んで、どこで伝えるか?」
「いつ・どこで・だれが・なにをした」を意識することなど、限られた時間内で情報をわかりやすく伝えるための注意点を学びます。
また、中島アナウンサーは、金子みすゞさんの詩を題材に、言葉に表情をもたせる工夫などについても紹介します。
中島めぐみアナウンサー
中島めぐみアナウンサー
次は、授業で得たことを活かしてみんなで絵本の朗読に取り組みます。
朗読するのは、身近な存在を題材にした「いろいろおちば」と「たんぽぽぽぽぽん!」です。
中島めぐみアナウンサー
中島めぐみアナウンサー
発表では、まるで落ち葉のように色とりどりの個性で表現された素敵な朗読を披露して、声を出すことの面白さや物語のすばらしさを体験しました。朗読を聞いた先生方からは、たんぽぽの成長を見守る太陽のようなあたたかい拍手が送られました。
発表後、中島アナウンサーは「人は悪いところは目につきやすいから、よかったところを書いてみてね」と出前授業を受けて、工夫したこと、頑張ったこと、感じたことを皆さんに書いてもらって発表を振り返りました。
中島めぐみアナウンサー
中島めぐみアナウンサー
今回の授業では朗読だけではなく、自身がアナウンサーになるまでの経験などを通じて「目に入る仕事だけじゃない、もし世の中にある沢山の仕事の中から夢を見つけたら、まずその職業についてよく調べてみてほしい」と皆さんに伝えます。アナウンサーという夢を追いかけていたとき、自分の見ていた世界が狭くチャンスを逃してしまったことで、どれだけ多くのことを知らないかを痛感した中島アナウンサー。自身のキャリアを通してのメッセージも届けました。
中島めぐみアナウンサー
中島めぐみアナウンサー
中島アナウンサーは自らの子育ての中で、子どもたちが身近なものに感動し、興味を持つことに気づきました。例えば、大人が紅葉を見ることに感動する一方で、子どもたちは地面に落ちた葉で遊ぶことに夢中になります。このように、落ち葉やたんぽぽといったものは、子どもたちにとってとても身近で、特別な存在です。
子どもの絵本は大人も楽しめる内容になっています。授業に参加してくれた皆さんが成長し、ふわふわの綿毛から深く根を張るたんぽぽになったとき、今回朗読した絵本を今日とはまた違った視点で読むことができるかもしれません。

児童・生徒の感想

  • 小5男子

    「(朗読で)さっちゃんやりました。上手くできました。ありがとうございました。」

  • 中1男子

    「自分は、正直アナウンサーになるまで1次試験くらいでいけると思ってたけど、8次試験もあるなんてびっくりしました。朗読する時ちょっと緊張して読みにくかったけど読むのに慣れると楽しかったです。アナウンサーはこれ以上の文を読んでテレビで放送してるなんてすごいと思いました。」

先生の感想

  • 児童生徒にとっては良い経験になったかな、と思いました。一部の児童の態度等、ハラハラしないわけではありませんでしたが、さすがプロ!上手に締めくくってくださいました。 自分としても、色々参考になる部分があり、外部の方々との接触の機会は大切だなぁと思いました。

  • 中島アナウンサーの講話には、とても興味深く聞き入りました。優しく、ゆっくりと、丁寧に話をされておられ、教員も授業で話をする時の参考になると思いました。 自分自身のことについて、年齢やお子さんのこと、出身校のことなど、具体例を挙げて説明されておられた事も子どもたちは興味関心を持ったと思います。 進路についての話は小学部の子どもには少し難しい内容ではなかったかと思いましたが、興味があることを調べてみようと、易しい言葉にして伝えられておられたので、その言葉は伝わったと思いました。 絵本の朗読では、小学部の子どもが張り切って朗読をしていた様子と、中学部の生徒が、照れながらも真面目に取り組んでいた様子を見ることができました。普段とは違う様子を見ることができました。

  • とても楽しく有意義な時間となりました。テレビのお仕事の大変さ、やりがいについてのお話。夢をかなえるためにどのようにすればいいか。挨拶、感謝の気持ちの大切さ等々、御経験をもとにとても強く印象に残るお話をたくさん伺うことができました。児童生徒たちも授業が終わってから「楽しかった」「絵本読みたい」など数日に渡って影響を受けている姿がみられました。また中島アナウンサーの授業を教員として拝見して、私も感情やアクセントを丁寧につけて日々の朗読を行って参りたいと思いました。また子どもたちを褒めることの大切さも実感しました。中島アナウンサーはじめ関西テレビの皆様にはお世話になりました。このような活動を続けられていることに感謝しております。

  • 本日はお忙しい中、本校にお越しいただき、ありがとうございました。貴重なお話を沢山うかがうことができて、子どもたちも必死でお話を聞いていたのがとても印象的でした。小学生の子どもたちは、普段の授業では立ち歩いたり、気軽に周囲に話しかけてしまったり、前の先生の話を長時間聞き続けることがとても苦手な子どもたちでした。その子どもたちが、中島アナのお話に耳を傾けていたのは、子どもたちの中にも、めったに聞くことのできない話だと感じたからでしょう。また、私たち教員とは異なる明瞭で聞き取りやすい言葉遣いや発声でお話してくださるので、その点も子どもたちにとって貴重な経験となりました。

  • 国語科を担当している教員として、子どもたちが持っている力が発揮できるか不安でしたが、どの子も今、自分の持っている力を120%発揮して、音読に取り組んでいました。なかなか素直に自己表出することが難しい子どもたちですが、頑張っている姿をみんなが注目する前でみせてくれて、私自身とても感動的な場面でした。以前から、分教室内では、「へいくん」の音読が魅力的であることは共有していました。今回、大人たちが、自分の音読について絶賛してくれている。特に話のプロであるアナウンサーから褒めてもらえたという経験は、彼の今後の人生の中でも大きなターニングポイントになったのではないかと思っています。

  • とても良い内容でした。3時間目は、中島アナウンサーの、絵本の朗読の読み分けを聞いて、プロの凄さを実感しました。進路の話など、中島アナウンサーの熱い気持ちが伝わってきて、良いお話でした。しかし、お話を聞く時間が長かったので、少ししんどく感じている児童生徒もいたと思います。4時間目の絵本を読む時間は、子どもたちの反応がとても良かったです。それぞれ、とても頑張っていました。発声練習など、もっと実践の時間を多く取ってもらって、中島アナウンサーの指導をもっと受けられたら良かったかなと思いました。

  • 今回は、病院の外からアナウンサーの先生が来て下さったこと、アナウンサーの仕事や朗読について、今まで知らなかったことを学ぶことができたこと、本当に貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました。子どもたちは、緊張や照れや疲れで難しいところもありましたが、生でアナウンサーさんによる「みんなで一つのことをする授業」に参加できたことが、子どもたちにとっての大きな収穫だったと思います。

中島めぐみアナウンサー
中島めぐみアナウンサー

中島めぐみアナウンサーの感想

  • 兵庫県立上野ケ原特別支援学校ひかりの森分教室へ講師として、出前授業に行きました。
    はじめは、テレビ局で働くアナウンサーの仕事について。
    過去の映像を交えながら、放送までの準備や、情報をわかりやすく届けるために気をつけていることをお話ししました。
    次に、金子みすゞさんの有名な詩『こだまでしょうか』を題材に、
    ①感情を入れずに素直に読んだ場合と
    ②間やスピード、音の高低などに気をつけて、表現を工夫した場合の読み方の違いを聞き比べてもらいました。
    普段、子どもたちは国語の授業で朗読をする機会もあるそうなので、今後に活用してもらえたら嬉しいです。
    また、「キャリアに関するお話を」と先生からリクエストがあったので、私がアナウンサーになりたいと思ってから、どんな行動を取り、どんな苦労や反省があったのかをお話ししました。「夢を見つけたら、まずその職業についてよく調べてみてね」ということが、私の伝えたかったメッセージです。
    そして、2年前に関純子アナウンサーが同校に出前授業に行った際に、朗読劇に挑戦した体験が好評だったということで、今回は絵本の朗読に挑戦してもらいました。
    絵本の朗読では、福音館書店の“ちいさなかがくのとも”から「いろいろおちば」と「たんぽぽぽぽぽん!」を題材に選びました。
    私が5歳の息子に実際に読んで反応の良かった絵本で、文章の中にはセリフやリズム感があり、大人が読んでも「へぇ!」と思うような小さな発見が詰まっています。
    先生にお願いして事前学習をしてもらっていたので、練習はとてもスムーズに進みました。また、子どもたちへの声かけや先生方の柔らかい表情などから、普段から優しく温かく接していらっしゃる様子が見えました。先生も参加していただいたことで緊張もほぐれたのか子どもたちに笑顔がみられ、積極的に声を出して取り組んでくれました。
    発表では、それぞれに表現を工夫してくれて、少しおどけて読んだり、落ち着いて読んでくれたり…と個性も垣間見えました。
    そして発表の後には、感想と“周りの子の良かったところ“をひとりずつ聞いていきました。
    先生方が見守って下さり「普段よりも力が出せたんじゃないか」とか「良さが出ていたよ」とたくさん褒めてもらえて、子どもたちも嬉しそうでした。
    子どもたちの素直な反応と、たった1時間半ほどの時間でもどんどん変化し、成長していく様子にたくさんの可能性を感じました。
    音声表現することの面白さや、みんなで取り組む楽しさを感じてもらえる時間となっていたら幸いです。