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コラム

未恋〜かくれぼっちたち〜
2025.2.6(木)
幸せそうな人ほど、孤独を隠すのが上手いのか…“幸せ”に翻弄されるドラマ「未恋」の若者たち
漫画雑誌の編集者として活躍する高坂健斗(伊藤健太郎)、そして小説家としてデビュー経験のある鈴木みなみ(愛希れいか)、売れっ子漫画家の深田ゆず(弓木奈於・乃木坂46)が登場する「未恋~かくれぼっちたち~」。ドラマで描かれるのは、仕事と恋、そして夢と現実に翻弄される、彼らの葛藤の日々です。
未恋〜かくれぼっちたち〜
「漫画家」と「漫画編集者」、そして「小説家」と…、一見、夢を叶えて人生を謳歌しているかのように思える3人ですが、実はそれぞれに、切ない孤独を抱えていました。
夢をあきらめ…支える側で評価される
出版社で漫画編集者として働く健斗は、社内のみんなが頭を抱えるような問題が起きても涼しい顔で解決してしまうような「THE デキる男」。
同僚からミスターリスク回避と呼ばれるほど、徹底した準備でそつなく仕事をこなしてしまいます。

その上、人当たりも良く、見た目も良い。そして、恋人は売れっ子漫画家の深田ゆず…と、仕事もプライベートも非の打ち所がない健斗でしたが、実は夢を諦めたことがありました。

6年前、小説家を目指す若者たちが参加する合宿ワークショップ「カンヅメ屋敷」というプロジェクトに、健斗も参加していました。
未恋〜かくれぼっちたち〜
編集者を志すのではなく、「小説家になる」という夢を持って。

しかし、その夢は花開くことなく…。
思いを胸の奥へ閉まい、クリエイターを「支える側の仕事」を選びました。

出版社というクリエイティブのプロたちが集う場所で、小説家になる夢を諦めながら“ミスターリスク回避“としての評価を高めていく…。優秀な編集者として活躍する一方で…ふと見せる彼の表情にはさみしさが残り、見ているものの心に刺さります。
「普通の幸せは似合わない」
健斗が参加し、夢をあきらめた「カンヅメ屋敷」で共に時間を過ごし、小説家としてデビューしたこともあるみなみですが、現在は、健斗とともに出版社で派遣として働いています。
未恋〜かくれぼっちたち〜
第4話では、新たな2人の過去が明らかになりました。
新人賞を受賞し、デビューを果たしたみなみ。受賞記念パーティーの会場を抜け出し、健斗に胸の内を伝えます。

書くのやめようかな、普通に結婚して幸せになる…小説家としての実力と才能を持ち、評価も手に入れることができたみなみでしたが、周囲の賞賛や期待を重荷に感じていました。
未恋〜かくれぼっちたち〜
そんなみなみに健斗は、あなたに普通の幸せは似合わない、と伝えます。
未恋〜かくれぼっちたち〜
切磋琢磨してきた仲間を激励するためか、それとも、自分が手に入れたかった夢を、いとも簡単に捨てようとするみなみへの憤りか…。健斗の切実な表情から目が離せません。
夢を叶えたはずが…なぜつらい?
そんな一言では表すことのできない2人の関係に悩みを募らせているのが、健斗の恋人であり、健斗が担当する売れっ子漫画家のゆずです。

健斗とみなみとともに「カンヅメ屋敷」プロジェクトに参加していた沖一平(森永悠希)に2人の関係を問いただすと…。
未恋〜かくれぼっちたち〜
恋人なんかじゃない、心と心で通じ合っていたソウルメイト、まるで作家と担当編集者のような関係、とのこと。
未恋〜かくれぼっちたち〜
そんなことが分かっても…『まだ、付き合っていたほうがまし!』とでも言いたげな表情…。つけ入る隙が感じられない、ただならぬ2人の信頼関係にゆずは意気消沈してしまいます。

そんな恋に翻弄されながらも売れっ子漫画家として活躍するゆずも、仕事では成功しながら、心無い読者からの声に頭を悩ませる日々を過ごしていました。

なんでもないような顔で日々を過ごしながらも、それぞれが見えないところで誰にも想像できないような、孤独やさみしさを抱えている。登場人物たちのそんな一面に共感する人も多いのではないでしょうか?

3人はまだ成長の途中です。自分と向き合う彼らの行く末を見守りましょう。