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コラム

未恋〜かくれぼっちたち〜
2025.2.9(日)
好きじゃないことを仕事に選ぶ、その方がうまくいく…は“くだらない”のか?「夢」との葛藤
「好きなことを仕事にする」

一見この上ない幸せに思いますが、その反面「好きなことを仕事にする」ことは、挫折や、理想と現実の違いなど“好きだったものが好きではなくなってしまう”絶望も兼ね備えている。

誰もが一度は経験したことがあるであろうこの葛藤。それに向き合う若者を描いているのが、ドラマ「末恋~かくれぼっちたち~」。

孤独と向き合う男女が仕事や恋愛を通して成長していく姿を描くこのドラマ。

主人公の高坂健斗(伊藤健太郎)は、かつて小説家を志し、その情熱は小説家を目指す若者たちが一つ屋根の下で暮らす小説家育成プロジェクト「カンヅメ屋敷」にも参加するほど。しかし彼はいつしかその夢を諦め、現在は漫画雑誌「コミックブーン」編集部で、周りから敏腕編集者と呼ばれるほどに活躍している。
未恋〜かくれぼっちたち〜
そんな編集部に派遣社員として入社してきたみなみ(愛希れいか)。彼女も健斗と同じくかつて小説家を目指し「カンヅメ屋敷」に参加していた。小説家を目指していた2人がまさかの漫画編集部で再会を果たす。
未恋〜かくれぼっちたち〜
(第2話より)
みなみは「カンヅメ屋敷」を経て、自身の小説で新人賞を受賞しデビューを果たしたものの、周囲の期待にプレッシャーを感じてしまい、小説家の夢を諦めていた。そして、自分が好きな漫画家と一緒に仕事がしたいという熱意を持って、編集部に入社してきた。
しかし、かつて健斗と一緒に夢を追いかけていたみなみは、仕事はデキるが、漫画家の意思を尊重せず、売上げや数字ばかり気にする彼の仕事に対する姿勢に、不信感を抱き始める。
未恋〜かくれぼっちたち〜
みなみは、そんな健斗に「健斗は漫画好きなの?今の仕事、好きでやってる?」と尋ねると健斗は「好きじゃない」と即答。
未恋〜かくれぼっちたち〜
そして「好きじゃないことを仕事に選んだ。その方がうまくいく」「好きなことを仕事にしたら判断を見誤る」と言葉を続ける。

そんな健斗にみなみは「ほんとくだらないよ」とまっすぐな目で言い放ち、その場を去る。
未恋〜かくれぼっちたち〜
“好きを仕事にした”みなみと、“好きを仕事にしないと決めた”健斗はぶつかり合う。

好きなことを仕事にしたら本当に上手くいかないのでしょうか。しかし、好きなことを仕事にしない決断をした健斗は、小説家を目指していた過去に未練があるようで、仕事が上手くいっているようにも見えない…。好きなことを仕事にすると、上手くいかなかった時に失うものは大きい。好きなことを仕事にするのか、好きなことのために仕事をするのか…。この永遠のテーマを、健斗はどう乗り越えるのでしょうか?