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【記者解説】岸田前首相襲撃事件 選挙制度に不満も「選挙演説と知らず」発言に感じた矛盾02月06日 20:14

おととし、和歌山市の選挙の演説会場で自作の爆発物を投げ込み、岸田前首相らを殺害しようとした罪などに問われている木村隆二被告(25)の裁判員裁判。 木村被告は、選挙を妨害した罪にも問われています。 一方で、当時、衆議院補欠選挙の応援演説が行われていたとは知らなかったとして、選挙の妨害も否認しています。 これについて6日の裁判を終日取材していた、関西テレビ和歌山担当の樋口諒記者は、木村被告が語った内容に矛盾を感じたと話します。 ■木村被告「母親の方を見ることなく」

【樋口諒記者】 先ほど(6日午後5時過ぎ)裁判終わりました。きょう6日の裁判の最後は木村被告の母親も証人として出廷し、事件前の様子などを話しました。 その時の被告は、母親の方を見ることなく、どこか1点を見つめ、うつむきながら話を聞いていました。 ■木村被告の「選挙」についての発言が「チグハグしている」

6日は午前10時過ぎから被告人質問が行われましたが、中でも印象的だったのは、動機にも関連する『選挙』について、木村被告の発言がチグハグしていることです。 木村被告は、『選挙制度に不満を持っていた』などと、選挙への強いこだわりについて述べています。 一方で、木村被告は選挙を妨害した罪にも問われているんですが、当時、岸田前総理が衆議院和歌山1区の補欠選挙の応援演説に来ているとは『知らなかった』と説明しています。 検察官から事件前日に、「和歌山1区」と検索していることを聞かれても、『意識していなかった』と、しどろもどろに答える場面もありました。 選挙制度への不満から注目を集めたかった木村被告が、衆議院の補欠選挙を知らなかったのか、少し不可解に感じる部分もありました。 裁判の最後に弁護人から『政治的な関心に変化はあったか?』と質問がありましたが、木村被告は『今回、政治に関連して事件が起きたので、もう関わらない方がいいと思う』と話しました。

今後最大の争点は、『殺意』や『人を害する』目的があったのかということになりますが、裁判員と裁判所がどう判断するのか注目されます。 (関西テレビ「newsランナー」2025年2月6日放送)

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