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有馬の名湯『金泉』濃厚成分で詰まるパイプを週2回交換して守り続ける【大東駿介の発見!てくてく学】02月22日 10:00

俳優の大東駿介さんが、関西の街を歩きながら魅力を学ぶ「発見!てくてく学」。今回、訪れたのは有馬温泉。 神戸市の奥座敷「有馬温泉」は、大阪市内からは車で約45分。 1400年以上の長い歴史を誇り、草津温泉(群馬)、下呂温泉(岐阜)に並び、関西では唯一「日本三名泉」に選ばれています。

有馬温泉といえば「金泉」。特徴的な色をしていますが、湧き出した瞬間は無色透明で、鉄分が多く含まれるため、空気に触れると茶褐色になるのだそうです。 また塩分濃度が高く、保温・保湿効果が高いといわれ、冬場でも湯冷めしにくいそうです。 ■神秘の名湯を守る温泉街の知られざる裏側

泉源のパイプには有馬温泉ならではの驚きの裏側がありました。 有馬天神社の中にある「天神泉源」へ行くと、泉源からお湯を運ぶパイプが伸びていますが、有馬の金泉は炭酸カルシウムが多く含まれていて、わずか4日でパイプが詰まってしまうのだそう。 何よりも大切な歴史ある名湯を守るため、「湯守(ゆもり)」と呼ばれる温泉を管理する職人が、有馬に数カ所ある泉源で、週に2回も配管の交換を行っているのです。 ■「炭酸せんべい」医者の一言がきっかけで誕生

有馬には天然の炭酸水が湧き出す泉源があり、「炭酸泉源公園」として整備されています。 蛇口から出る炭酸水を飲むこともできます。昔の人はこの炭酸水に砂糖を入れてサイダーとして飲んでいたそうです。ちなみに、蛇口から出ない日もあるそうなのでご注意を。 明治初期までは、有馬の炭酸水は「毒水(どくみず)」と呼ばれていました。 炭酸せんべい発祥のお店とされている三津森本舗、4代目の弓削次郎さんによると、炭酸ガスは低濃度であれば人体に影響はないのですが、小さな虫などが死んでいたのを見た地元の人が、「これは毒水だ」と恐れていたのだそうです。 明治初期に、国の検査で有馬の炭酸水は有益な飲料水だと分かりました。

この炭酸水に目をつけたのが有馬をこよなく愛した医師、緒方惟準。 緒方は三津森本舗の創業者・三津繁松に「有馬の炭酸水で体にやさしい名物を作れないだろうか」と持ちかけました。 三津は小麦粉と片栗粉、塩、砂糖などシンプルな材料に炭酸水を加え、焼き上げました。ただ炭酸水が膨張剤となり、食べられないほど硬くてなってしまうため、試行錯誤を繰り返して厚さ1ミリまで薄くしていったのだそうです。 そんな炭酸せんべいは、すぐには受け入れられませんでしたが、大阪の病院で卵やバターなどが入ってない炭酸せんべいを「病院食」として使い、そこから広まって、有馬を代表する名物になったということです。 店内で焼き立てを試食させてもらった大東さん、「あったかい。素朴でおいしい」と満足気です。 ▼大東さんの“発見”の全ては、動画でじっくりお楽しみください。 https://youtu.be/3BxdzeUEGyw (関西テレビ「newsランナー 大東駿介の発見!てくてく学」 2025年2月13日 木曜日放送)

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