
【独自】万博開幕まで1カ月 謎のベールに包まれた各国パビリオンを取材 その魅力に迫る03月13日 20:25
国民の記憶に深く刻まれた1970年大阪万博。
【記者リポート】「大阪です!2度目の万博が大阪に決まりました」
55年ぶりに…万博が帰ってきます!
【街の人】「すごくうれしいです!」
【大阪府知事(当時) 松井一郎】「圧倒的な光り輝くベイエリアですよ。もう二度と負の遺産なんて言わせない」
その会場は、「負の遺産」とも呼ばれた「夢洲」。
夢洲駅の開発や、公式キャラクター「ミャクミャク」の誕生など、壮大なスケールで準備が進みました。
■増額につぐ増額で会場建設費は倍増 海外パビリオン建設の遅れなど課題山積
一方で、当初は1250億といわれていた会場建設費は2350億になり、ほぼ倍増という結果になりました。
【大阪府 吉村洋文知事】「これで最後の増加」「増額」「国民の皆さんにもおわびをいたします」
海外パビリオンの建設遅れなど課題が山積するなか、各国の担当者が相次いで日本へ。
【海外パビリオン担当者】「絶対に成功すると確信しているよ」「間に合います!間に合います!」
急ピッチで建設が進み、大阪・関西万博の象徴「大屋根リング」も完成。
いよいよ、その全体像が見えてきました。
■「ミャクミャクぐらいしか分からない」中身が分からず 来場意向度が伸び悩む
いよいよ近づいてきた万博。なんといっても、その“華”は各国のパビリオンです。しかし…。
【街の人】「万博っていう名前だけ先行してて、何やるか分かってない」
【街の人】「ミャクミャクぐらいしか分からない」
【街の人】「USJみたいなんやったらいきたいな。うん!」
そう、1カ月前になっても、ほとんど中身が知られていないのです。
実際、「万博に行きた~い」という思いが伸び悩む大きな理由にも…。
と、いうことで今回「newsランナー」万博取材班は、急ピッチで工事が進む現場を独自取材!謎のベールに包まれた各国のパビリオンを取材。その魅力と現在に迫ります。
■日本の“かわいい”文化との融合で来場者のハートをつかむドイツパビリオン
まず、トップバッターは…“かわいい”で勝負のドイツ。
1970年の大阪万博にも出展したドイツ。ドイツ人の建築家も関西テレビに出演し、工業大国らしい独創的な形のパビリオンをPRしました。
そんなドイツは今回、全く逆の方向で来場者のハートをつかもうともくろみます。その秘密兵器が…。
【ドイツパビリオン担当 レア・キミニッヒさん】「お客さんがパビリオンに入ったときに、“サーキュラー”。ドイツパビリオンのマスコットのオーディオガイドが渡されます。ドイツ語・日本語・英語が話せる」
か、かわいい!まるっとしたフォルムが愛らしい公式キャラクター「サーキュラー(循環)」です。
ドイツが売りにするのは、日本の“かわいい”文化との融合。
来場者がいる場所をサーキュラーが認識して、展示の説明をしてくれたり・・・このようにくっつけると、色が変わります!
そして、テレビ初公開!“かわいい”全開の目玉の展示が…。
【ドイツパビリオン担当 レア・キミニッヒさん】「サーキュラーちゃんがいっぱいいます」
「サーキュラーと私」がテーマのこのエリア。
訪れた人はゆっくりと回転する地面に座って映像を見ながら、環境への負荷を減らす「循環社会」のために何ができるかをサーキュラーと一緒に考えます。
他にも好きな色やデザインを選んで、“マイ”サーキュラを作ることができたり、そのサーキュラーをモニターに反映できたりと、とりあえず何が何でも「サーキュラー」推しのドイツパビリオン。
まだまだ準備中の部分もあり開幕が楽しみです。
■声が音楽に!? 最新エンタメ×芸術が融合する韓国パビリオン
さて、続いては…最新エンタメと芸術が融合する韓国。
【記者リポート】「こちら韓国のパビリオンなんですが、壁一面、巨大なスクリーンになっているんです」
奇想天外な世界観に仕上がっている韓国パビリオン。
完成間近のパビリオンの内部をテレビ初公開!
建物内に入ると…壁一面に設置されたカメラのような機械。世界的ヒットドラマイカゲームばりに監視されている気分になる、すこし不気味な空間です…。
実はこれ照明器具!
いったい何に使うかというと、この建物の中に入る前に立ち並んでいたブースに秘密が。
【記者リポート】「パビリオンの前にあるこちらのブースなんですか、ここで録音された声がAI技術で音楽に変わるということなんです」
声が音楽に?いったいどういうことなのか、担当者に聞くと…。
【韓国パビリオン担当 李俊京さん】「外で『ごめんなさい』って言ったら、最初は『ごめんなさい』って聞こえる。でも2~3分たったら、他の人たちの声と混ぜて、リズムがつくので、自然な“ひとつの音楽”になる」
(Q.リズムがつくというのは…?)
【韓国パビリオン担当 李俊京さん】「ひとつになる過程…プロセスが言葉で説明するのが難しいですね」
担当者も説明するのに苦労していますが・・・。自分や他の人の声が合わさることで、オーケストラのような音楽が完成したり、照明の光を操ったりする技術だそう。
他にもパビリオンでは韓国グルメなども楽しめるということです。
■テーマは“コモングランド” 球体で360度流れる映像を見ながら環境問題を考えるオランダパビリオン
そして、3つめは…全てが「マル」~いオランダ。
「マル」~い球体が建物に埋まったような外観のオランダパビリオン。
「太陽」をイメージしたデザインで、上空からは日本の国旗のようにも見えるそうです。
【オランダパビリオン担当 マルタイン・フーリさん】「テーマはこちらになります。“コモングランド”。直訳すると“共通の地”。いろんな人たちが同じ場所で集まることによって、新しい発想が生まれるという考えです」
なんとも「マル」~い考え方。
さっそく中に入ってその「マルい」展示の秘密を探ります。
【オランダパビリオン担当 マルタイン・フーリさん】「球体の真下に来ましたが、これから中へ入ります。中に入っていく前に、これを是非お持ちいただきたいと思います」
丸いデバイスを手に、丸い球体の中に入るのがオランダパビリオンの楽しみ方。展示物にかざすと光る仕組みです。ちょっとドイツパビリオンの“サーキュラー”と似ていますが、気にせず行きましょう。
【記者】「うわ、近い!」
【オランダパビリオン担当 マルタイン・フーリさん】「球体が近くに見えてきましたね」
【記者】「外から見るのと雰囲気が違いますね」
【オランダパビリオン担当 マルタイン・フーリさん】「360度流れる映像を見ていただけます」
様々な展示を通して、環境問題などの解決策を一緒に考える場にしたいということです。
そんなパビリオンで提供されるのは、オランダの「マル」~い定番スイーツ。
固めのワッフルにキャラメルシロップを挟んだストロープワッフルです。
現地のツウな食べ方を伝授してくれました!
【オランダパビリオン担当 マルタイン・フーリさん】「コーヒーの上に乗せることによって、中のシロップが溶け溶け」
【記者】「いただきます。ほのかにコーヒーの香りがして、甘さとマッチしてすごくおいしいです」
【オランダパビリオン担当 マルタイン・フーリさん】「故郷の味がします。日本のみなさん、オランダパビリオン来てや!」
■まだまだベールに包まれたままのアメリカ・中国
三者三様、それぞれの魅力があったドイツ・韓国・オランダ。
少しずつ各国のパビリオンが明らかになりつつありますが、なかにはこんな国も…。
70年万博では「月の石」を引っ提げて日本に上陸したアメリカ。パビリオン前はいつも長蛇の列でした。
今回の万博ではアメリカの食や音楽を楽しめるということで、期待が高まりますが…。1カ月前となった今も、外観の公開すら許されておらず、その詳細はベールに包まれたまま。
そして、木造建築に漢字がずらりと書かれた中国。
建物の工事は順調なようですが…。
【記者】「切れた…。出ませんでした」
何度取材依頼をしても応じてもらえず、一体中で何が見れるのか、詳細がまだ分かっていません。
さぁ、いよいよ大阪・関西万博まで1カ月。
開幕のその日、私たちにどんな”世界”を見せてくれるのでしょうか!?
(関西テレビ「newsランナー」2025年3月13日放送)