
【独自】第三者委の報告書に対して片山元副知事がコメント 元県民局長の告発「不正目的ではない」に疑問03月28日 18:05
兵庫県の斎藤知事のパワハラ疑惑などを調査してきた県の第三者委員会が報告書を提出したことを受け、去年、県政の混乱の責任を取って辞任し百条委員会では証人尋問を受けた片山安孝元副知事が27日、関西テレビにコメントを寄せました。
委員会が元幹部の告発文書を「不正の目的ではない」と評価したことなどについて疑義を呈しました。コメントは以下の通りです。
■元県民局長の「不正の目的」はないとの判断に疑問
兵庫県の文書問題に関する第三者調査委員会(以下「第三者委員会」)の調査報告書が公表されました。丁寧に対応されていることに敬意を表したいと思います。
第三者委員会の報告では、元西播磨県民局長(以下「元局長」)が作成した告発文書(以下「本件文書」)記載の7項目のうちパワハラを除く6項目については、明確に事実ではなかったとされています。
ただ、私としては、公益通報者保護法関係などについての第三者委員会のご判断には以下の疑問があります。
(1)公益通報者保護法関係
本件文書を配布した元局長の目的について、「不正の目的」はないとご判断されていますが、退職間際であるとか、告発文に「関係者の名誉を毀損することが目的でない」との記述があることを理由とされていることは疑問です。
本件文書が「不正な目的」でなされたものであるか否かを判断するには、元局長が使用していた公用パソコン内文書の必要部分を十分に分析し、どのような過程を経て本件文書が作成されるに至ったのかを、詳細に認定していく必要があると考えます。
しかしながら、県議会の文書問題調査特別委員会(以下「百条委員会」)がそうであったように、第三者委員会におかれても、公用パソコン内文書の必要部分について、このような作業が行われたようには思えません。
私が確認している元局長のメールのやり取りでは明らかに斎藤知事等の失脚を企図していたことがうかがえますから、第三者委員会は公用パソコン内文書の必要部分の詳細な調査は必須であったと考えています。
■第三者委員会「斎藤知事の改革に対して反対の姿勢を取る一部の職員の主張に立った判断」
(2)「知事を取り巻くメンバーの集団としての同質性」との指摘
私や私と共に斎藤知事の改革を推進しようとしていた当時の幹部職員については、改革のために一丸となって邁進していたという意味では「同質的」であったと思いますが、職員に対して反論を許さず、厳しく対応するという意味では「同質的」ではなかったと思っています。
第三者委員会のこのご指摘は、斎藤知事の改革に対して反対の姿勢を取る一部の職員の主張に立ったご判断ではないかと思っています。
■斎藤知事には「名誉・信用を傷つけられるおそれのある職員や関係する企業等を守る責務がある」
3)知事への対応
報告書の「まとめに代えて」では、百条委員会の報告に対し、斎藤知事が「正面から受け止める姿勢を示していない」とされていることは、公正な運営に大きな疑問が生じている百条委員会と軌を一にした姿勢とも思われます。
本件文書は、特定の職員を公職選挙法違反や地方公務員法違反の行動を行っているかのように批判し、特定の企業等を贈収賄の当事者であるかのように指摘し、さらに、地域振興に協力いただいた地元金融機関を背任にかかわったかのように取り上げた、誹謗中傷する文書です。
そして、これらの内容は、このたびの第三者委員会の調査によって、明確に事実ではないと認められました。
県政運営の責任を担う知事には、本件文書によって誹謗中傷の対象となり、名誉・信用を傷つけられるおそれのある職員や関係する企業等を守る責務があるということを、忘れてはならないと思います。
令和7年3月27日片山安孝(元兵庫県副知事)