
1000万円で奇跡の復活 老舗銭湯が経営難で廃業に「たまたま散歩していて…」夫婦が運営を申し出04月04日 21:28
日本の古き良き文化「銭湯」。
しかし近年、経営が難しくなっている銭湯も多いそうです。
そんな中奮闘する、銭湯業界のリアルを秦アナウンサーが調査しました。
■銭湯自体も経営難に
【秦アナウンサー】「あ~!美味しいに決まっている」
湯上がりに、ついつい飲みたくなるのが瓶の牛乳。銭湯の定番とも言えるこちらの光景ですが、大手食品メーカーの「明治」は、瓶入りの牛乳やコーヒー飲料の販売を先月末でとりやめ。
他のメーカーも、去年までに次々と販売を終了。そんな中、銭湯自体もおっカネ〜事態に陥っているそうで…
■107年の老舗銭湯が廃業に「主人の体調も優れず本人が『やめよう』と」
【都湯 5代目主人 宮崎一一さん】「やっぱり老朽化ですね。古くなりましたからね」
相生市に唯一残っていた銭湯・都湯。先月末をもって廃業することを決め、107年という長い歴史に、幕を下ろしました。
【都湯 5代目主人 宮崎一一さん】「毎日来ていただける常連さんがいてこそ成り立っていくと思う。その方が高齢化で亡くなったり施設に入ったりして、だんだん減ってこの5、6年でも半分以上いなくなった。もうそろそろ潮時じゃないかと」
【妻 宮崎悦子さん】「主人の体調も優れず本人が『やめよう』と」
経営を苦しめたのは老朽化。風呂の設備を作った業者はすでに廃業しており、一部の修理も叶わず、すべてを直すには莫大な費用が必要でした。再建は困難を極め、やむなく廃業するという決断を下すことに。
【都湯 5代目主人 宮崎一一さん】「銭湯というのはなかなかいいもの。裸の付き合いですぐに打ち明けて話ができる。営業として成り立たなければ、話にならない」
■経営難で一度閉業した銭湯 ドラマのようなストーリーで見事復活
昨今、家庭風呂の普及に加え、燃料の高騰や後継者不足といった理由で銭湯の軒数は減少していて、ピークだった1968年の10分の1以下にまで減るおっカネー事態に。
そんな中…
【秦アナウンサー】「大阪市住之江区の寿楽温泉に来ています。これぞ日本の昔ながらの温泉という感じですよね。最高に気持ちいいです。」
1963年創業、大阪市住之江区にある寿楽温泉。実は4年前に、経営難で一度閉業した銭湯なのですが、 まるでドラマのようなストーリーで見事な復活を遂げたそうで…!?
【妻 三木順子さん】「たまたまお散歩しているときに(前の)オーナーさんと解体業者さんが打ち合わせされていたんですよ。『ちょっと待った!』みたいな感じで」
【寿楽温泉オーナー・南港病院 理事長 三木康彰さん】「僕たちが運営させてもらえませんかとオーナーさんにお願いしたんです」
たまたま通りかかった夫婦が銭湯を受け継ぎたいと申し出る、なんともおっカネ〜ストーリー!実はこの男性、寿楽温泉と同じ住之江区にある南港病院の理事長だったんです。
【秦アナウンサー】「お医者さんですか?」
【妻 三木順子さん】「お医者ですよ。色んなところにかけあったけど誰もやってくれないから仕方がないから潰そうと話をされていて、まさかやってくれる人が出てくるなんてと喜んでくださってはいましたね」
■奇跡の復活を遂げた寿楽温泉「1000万はかかっている」
実際に利用するお客さんは…
【秦アナウンサー】「よく来られるんですか?」
【寿楽温泉の利用客】「よくって、週2回」
【秦アナウンサー】「それはかなりよく、ですね」
【寿楽温泉の利用客】「そうですか?みんな毎日来られてる。もうみんな来る人同じやもんね、時間的に。
【秦アナウンサー】「中で話したり?」
【寿楽温泉の利用客】「家で話できない話はここでする。旦那のこととか」
奇跡の復活を遂げた、寿楽温泉ですが、再建にかかった費用は…?
【妻 三木順子さん】「1000万はかかっている」
【秦アナウンサー】「仮に経営しているのが銭湯だけだったら1000万という額は払えるんですか?」
【寿楽温泉オーナー・南港病院 理事長 三木康彰さん】「病院の母体があるので病院の資金と病院の人たちにアルバイトで来てもらって」
■様々なアイデアでお客さんの心をつかむ銭湯も 駄菓子を販売
銭湯だけで大きな利益は上げられなくても、病院の患者さんたちの治療などに役立っているそうです!そんな中、様々なアイデアでお客さんの心をつかむ、おっかねー銭湯も…
【秦アナウンサー】「それがこちらですね。朝日温泉さん。この佇まいですよ。雰囲気ありますね」
【秦アナウンサー】「こんにちは。なんか売店みたいになっていますね。これ駄菓子屋さんですよね、ほぼ」
【朝日温泉店主 田丸正高さん】「このあたりにゆっくり腰かけてもらってお酒飲みながら駄菓子をアテにっていう感じ」
こちらの朝日温泉、100年を超えるという長い歴史の中、 先代から受け継いだ田丸さんが 18年前に全面改装!その金額が…
【朝日温泉店主 田丸正高さん】「1億3000万円くらいかかって」
【秦アナウンサー】「おっかね~ですね!」
■毎日日替わりで変わる露天風呂「薔薇風呂」や「パクチー風呂」
早速、こだわりのお風呂へ潜入!浴槽は全部で8種類。
【秦アナウンサー】「露天風呂まであるんですか」
気になる露天風呂には…
【秦アナウンサー】「これは何ですか?」
【朝日温泉店主 田丸正高さん】「これは毎日日替わりで変わる露天風呂です」
この日は、春らしい「桜らんまん風呂」でしたが 「薔薇風呂」や「パクチー風呂」など、 お客さんを飽きさせないように、日替わり湯を用意しているんです!
【秦アナウンサー】「毎日ってなると結構お金もかかりますか?」
【朝日温泉店主 田丸正高さん】(手でジェスチャー)(かなりかかります)
この朝日温泉では、水道代が年間120万円、薪代が240万円、電気代はなんと年間700万円以上とおっかねーコストがかかっているんです!
【秦アナウンサー】「ちなみに入浴料金はいくらなんですか」
【朝日温泉店主 田丸正高さん】「4月1日から600円になります」
実は銭湯の入浴料金の上限価格は、都道府県ごとに条例で決められていて、ここ大阪府では、今月から80円の、値上げ!なんと全国トップの600円という入浴料に!入浴料が上がる中、お客さんを呼び込むためにとったおっカネー作戦とは!?
■子どもにも大人気だという「桶カーリング」
銭湯の廃業が相次ぐ中、様々なアイデアでお客さんの心を掴む、朝日温泉。子どもにも大人気だというイベントが…
【朝日温泉店主 田丸正高さん】「桶カーリング」
【秦アナウンサー】「桶カーリングですか!はあ!といつつ分かっていない…」
お風呂場の桶を使ったカーリング、その名も「桶カーリング」。普段なら怒られる、お風呂での遊びを競技にして楽しむイベントで、毎回大盛況!
【秦アナウンサー】「ここではお菓子を食べている人がいて、お酒を飲んでいる人がいて、カーリングしている人がいて、すごくいい空間ですね。素敵だな」
■「人が毎日顔を合わせて友達みたいになっていって、そんな場所を提供できるのは魅力」
さらに、地域の子どもたちに向けて 銭湯のルールやマナーを楽しく教えた後、お風呂に入れる無料のイベント「子ども銭湯」も実施。
【朝日温泉店主 田丸正高さん】「お風呂屋さんに行くきっかけを作ってもらおうと考えています」
【秦アナウンサー】「今儲かってはいるんですか?」
【朝日温泉店主 田丸正高さん】「ギリギリじゃないかなっていうところですね。借入れが残っていたりとか」
【秦アナウンサー】「銭湯文化を伝えていきたいというのがあるんですか?」
【朝日温泉店主 田丸正高さん】「なかなか隣近所が分からない中で人が毎日顔を合わせて友達みたいになっていってって、場所を提供できるのは魅力だなと。みんなお風呂屋さんいろんな努力をしていると思うのでぜひ応援してください」
人と人とのつながりを作る場の銭湯。画期的なアイデアで経営難を乗り越えようと努力する姿がありました。
(関西テレビ「newsランナー」2025年4月4日放送)