「ジャニーズ性加害問題当事者の会」が4日、記者会見を開き、ジャニーズ事務所に対して「直ちに事実を究明し、被害者の救済措置」を実施するよう要請しました。さらに、刑事告発する準備があることも明かしました。
■当事者の会は「対話による救済」を要請 刑事告発も視野に
【ジャニーズ性加害問題当事者の会・石丸志門副代表】
「ジャニーズ事務所が胸襟を開いて話し合いに応じていただければ、過去の清算も未来への道づくりも可能であると考えています」
会見を開いたジャニーズ性加害問題当事者の会。7日に会見を開く予定のジャニーズ事務所に対し、被害者と直接対話・協議しながら救済基金を設立することなどを求めました。
【ジャニーズ性加害問題当者の会・平本淳也代表】
「少なくとも10年は被害者、そのほか告白・告発してくれた被害者は救えるよう、そして救っていただきたい。救済委員会を作る必要があると特別チームの報告書ではおっしゃってくれました。実現されるならば、それがジャニーズ事務所が行う”一方的なもの”ではなく、被害者の声を生かしていただきたい」
先週、ジャニーズ事務所が設置した再発防止特別チームは、ジャニー喜多川前社長による性加害があったと認定しました。
【再発防止特別チーム座長・林眞琴弁護士】
「多数のジャニーズJr.に対し、広範に性加害を繰り返していたことが認められました」
【再発防止特別チーム座長・飛鳥井望精神科医】
「拒めば不利になるという、子供たちの心理につけ込んだ性加害であったことが、被害の潜在化と拡大を招いた」
さらに、マスメディアが報道や批判をしなかったことで、事務所が自浄能力を発揮せず隠ぺい体質が強まったと指摘しました。
その上で、再出発のためには、藤島ジュリー社長が辞任し、被害者への適切な補償を行う必要があると提言しました。
【ジャニーズ性加害問題当事者の会・平本淳也代表】
「刑事告訴については、ほぼ完璧な準備をいたしました」
平本代表や弁護士によると、誰に対するどのような内容かは答えられないとしながらも、会として刑事告発することも選択肢としてあると明かしました。
【ジャニーズ性加害問題当事者の会・大島幸広さん】
「ジャニーズ事務所に対しては、(性加害を)まだ認めていただいてないですし、謝っていただいてもないので、まずそこだと思います。ジャニーズ事務所、芸能界はもちろんのこと、僕たちみたいな被害者が出ないよう、加害者がこういう事をしたらこうなるんだというような重い決まり、法律を政府の方々が主導して作っていただけたらと思って活動しています。さらに頑張っていきますのでよろしくお願いします」
ジャニーズ事務所は7日の午後2時から、東京都内で記者会見を開く予定です。報告書を受けて今後、被害者の救済にどう向き合っていくのか注目されます。
■当事者の会「被害者と加害者が一緒になって救済方法を見つけたい」
ここで「当事者の会」による提案内容を見ておきます。
1つ目は基金の設立です。 事実の究明、救済のために、ジャニーズ事務所やジュリー氏のほか、メディア各社(任意)がお金を出しつつ一般企業や個人からも募るそうです。
2つ目は委員会の設置です。 ジャニーズ事務所、当事者の会からそれぞれ12名ほど推薦し、外部からも3名が加わるというものです。この委員会は、被害者との十分な対話を経て、金銭的・精神的なフォローをすることが任務とされていて、10年間を目安に活動するそうです。
当事者の会の平本代表は、「被害者と加害者が一緒になって救済方法を見つけていきたい」としています。
基金に関しては、メディアへの参加要請もありました。
【関西テレビ 神崎博デスク】
「ジャニーズ事務所側が、この当事者の会の意見をどこまで尊重するかによると思います。これが7日の会見で、事務所側が(救済のための)基金を作る・作らない含めてどこまで踏み込んでくるか…だと思います。ある意味で”加害企業”であるジャニーズ事務所の責任でありますし、そのジャニーズ事務所が実際にそうした基金を作る時に、『メディア各社の参加も必要ですよ』と判断するのかどうか、そこも含めて7日の会見に注目したいです」
■注目される7日の事務所会見 “社名の変更”もあるのか…
当事者の会の会見は、7日に開かれる予定のジャニーズ事務所による会見を意識したものとみられます。ジャーナリストの松谷創一郎さんに、会見のポイントを聞きました。
▼まずは、だれが会見に出るのか?
藤島ジュリー社長は欠席する可能性もあるそうで、長年、経営に携わっている副社長が出席するかが注目です。
▼そして性加害を認めるのか?
ジャニーズは全面的に認める方針とみられ、現役タレントをどう守るかが焦点になりそうです。
▼さらに、新社長の発表はあるのか?
外部から招くのは断念したとみられていて、内部のタレントから昇格する可能性もあるということです。
もうひとつ、松谷さんが注目しているのが…
▼社名の変更はあるのか?
「ジャニーズ」という名前を変更するかどうか注目されるということです。
■メディアはジャニーズ事務所との取引の”一時停止”を
4日の「newsランナー」に出演した起業家 安部敏樹さんは、次のようにコメントしました。
【起業家 安部敏樹さん】
「1点あるとすれば、『外部からの社長招へいは断念か』と松谷さんの指摘にありますけれど、バランス面から見ていくと、当然外部の目線が入るべき、というのが第三者の報告でもあったわけです。 あと私は、やはりメディア側の責任も結構大きいと思っています。メディア側の動きがないと…と思います。たとえば、ジャニーズ事務所が改善されていくプロセスが終わるまでの間は、ある程度メディアが事務所との取引をやめるとか、タレントさんも含めて、取引を一度止めるということが一般的であると思います。ただ、実際は、どのメディアでも、そうした動きが見られるわけではないので、その辺りがすごく気になってます」
私たちメディアもこの問題に対してどのように向き合っていくのか問われています。7日の会見でジャニーズ事務所が一体何を語るのか、注目していきたいと思います。