先週金曜日、大阪市北区のキディランド大阪梅田店では開店と同時に長い行列ができていました。
この日は「ちいかわ」が魔法少女に変身した新グッズの発売日です。
整理券が配られ、抽選倍率はなんと20倍!
グッズを手に入れるのも難しいほど、今大人気のキャラクターなんです。
「なんか小さくてかわいいやつ」、通称“ちいかわ”。
SNSに掲載されたマンガが話題となり、去年4月からは「めざましテレビ」でアニメもスタートし、Youtubeの公式チャンネルでは総再生回数が1億回を超えています。
なぜ、それほど人気なのでしょうか?
■人気のヒミツ1 【とにかく“かわいい”】
【訪れた男性客】
「いやもうめちゃくちゃかわいいですね」
Q.どのぐらい購入?
【訪れた女性客】
「9万4747円。見たら全部ほしくなっちゃって…」
中にはこんな人も…
【訪れた男性客(70代)】
「かわいいと思いますよ。(孫が)興味をもったら、(ちいかわが)どんなのかと覚えておいて、(孫に)声かけられたらしゃべれるようにはしておきたい」
この大盛況ぶりにグッズ販売の担当者は…
【キディランド商品部 岸本天部長】
「2023年度の売り上げ見込みは2022年度の倍ですね。私30数年働いてるんですけど、こんなキャラクターは見たことない」
爆発的な人気を誇る「ちいかわ」ですが、「かわいい」だけに留まらない人気の理由が…
【訪れた男性客】
「一見ものすごくかわいいんですけど、可愛さの中に日常生活の中にある“人間の闇”がキャラクターに投影されていて、そこがちいかわのめちゃくちゃ好きなところ」
■人気のヒミツ2 【独特なストーリー性】
主人公のちいかわ、ハチワレ、うさぎたちが繰り広げる日常が描かれ、基本はファンタジーで平和な世界を描いているのですが…
ある日、ちいかわは検定を受けに行きます。
「ちいかわと一緒に合格したい」と、こっそり勉強していたハチワレは…みごと合格。
ちいかわだけが落ちてしまう悲しい結果に。
時折、押し寄せる厳しい現実や様々な困難が、ちいかわたちを待ち受けているのです。
「ちいかわ」がヒットしている理由に専門家は「人間の生活に共通する不条理さがある」といいます。
【Z総研トレンド分析担当 道満綾香さん】
「頑張っても報われないみたいなところや、突然何かに襲われてとか、この何年間かでつらい現実っていう状況も増していると思っていて、(ほかのアニメは)ハッピーエンドや楽しいものが当たり前みたいなところがあったかと思うんですけど、そうではない「人間味」があるなっていう」
さらに、「ちいかわ」は様々な企業とのコラボが後を絶たず、まさに“社会現象“といえる人気ぶり。
先月から始まったのが、ちいかわと阪急電鉄とのコラボ列車。
列車がホームに到着すると…写真を撮ろうとすぐに人だかりができます。あまりの人気ぶりに安全に配慮した撮影を呼びかける事態となりました。
ほかにも、大手アパレルの「GU」とタッグを組んだパジャマやパーカーなどのコラボアイテムが今月下旬に発売予定。「ちいかわ」現象は、とどまることを知りません。
■ちいかわたちの頑張りをみて「みんな頑張ってるから私も頑張ろう」
そんな「ちいかわ」に魅了されたファンの一人が大阪・泉佐野市に住む、会社員のあやさん。
部屋にお邪魔すると、ところ狭しと飾られたグッズが!
テーマごとに忠実に再現された、キャラクターたちが並びます。
さらにグッズを集めるだけではなく、粘土を使って、フィギュアの装飾品まで手作りしているんです。
あやさんがちいかわにハマるワケとは?
【あやさん】
「こういうかわいい系のキャラクターが好きになるのは初めてです。お仕事で疲れている時とか、本当にストレスが溜まっている時も『みんな頑張っているから私も頑張ろう』っていう感じで元気をもらえますね。一日一体(マスコットを)連れていないと、心が不安になっちゃうというか、いるだけで安心するというか“癒し“なんで」
なんか小さくてかわいいやつ、「ちいかわ」。
かわいいのはもちろんのこと、世知辛い世の中だけど、頑張って生きている姿が、現代人の共感を呼び、多くの人の心を癒していました。
(関西テレビ「newsランナー」2023年9月12日放送)