兵庫県尼崎市の中学校ではある日、特別な授業が行われました。テーマは、インターネット上の「フェイク」。さまざまな“うそ”を見破るための“新常識”とは?
■ネット上の“うそ”を見破るための授業
【ソーシャルメディア研究会 竹内和雄代表】「きのう、ちょっとでもネット使ったよって人どのくらいいる?全員か」
尼崎市内の中学校で1年の生徒に授業を行ったのは、子どもとインターネットの関わり方を研究する団体「ソーシャルメディア研究会」です。
ほぼ全ての生徒がインターネットを毎日利用し、授業でもタブレット端末が活用されています。
11月にネットで話題になったのは、「生成AI」で作られた岸田総理大臣のニセ動画。ネット上には映像やニュースの「フェイク」があふれていることから、うその情報を見破る力をつけてもらおうと、さまざまなケースが紹介されました。
【講師】「自分で読みながら、ここ怪しいんじゃないかなというところを見つけてもらおうと思います」
「コロナワクチンは危険!」と訴える記事では、「ワクチン接種後、ラットのほとんどが3年以内に死亡した」と伝えています。しかし…。
【生徒】「ラットの寿命は長くても3~4年と言われている」「(寿命で)死んだだけやん」
さらに、その存在自体がうそということも。
【生徒】「“帝国医大”っていうところがない」
【ソーシャルメディア研究会 竹内和雄代表】「そうです。帝国医大はありそうですが、ありません」
また、私たちの財産を狙ううそもあります。激安をうたう“ニセ通販サイト”。振込先が明記されています。
【生徒】「銀行振込だったら振り込んだ代金が、受取人が返金しない限り戻ってこないから、詐欺かも」
振り込んでしまうと返金は非常に難しいことから、支払い方法が銀行振込みのみのサイトは、詐欺が多いということです。
さらに、よくよく見てみると…。
【生徒】「他のHPを見てても、最初の方に“s”が入っている」
生徒が気付いたのは、URLが「https」ではなく、「http」となっていること。
URLの「s」と鍵マークの表示は、暗号化されていることを示すもので、表示がないサイトは詐欺である可能性が非常に高いとのことです。
【生徒】「URLとか、鍵とかあるのも知らなかったし、それでデマって気づけるのは知らなかった」「大学名とかあんまり知らないので、全部本物に聞こえてしまうので、怖いなと思いました」
【ソーシャルメディア研究会 竹内和雄代表】「それぞれの年代ごとに、どこまでいいのか、悪いのか。どこにどういう課題があるのか、ないのかというところを、ちゃんと示していく。常に疑いながら、本当にいいのかなと思いながら活用するということが重要だなと思います」
今や“ライフライン”ともいわれる一方、危険も潜むインターネット。身を守るために知っておくべきことは、たくさんあります。
(関西テレビ「newsランナー」2023年12月20日放送)