大きな混乱もなく、無事閉幕したG20大阪。なんで“うまいこと”いったんか…。
関西愛あふれる報道マン、カンテレ「報道ランナー」の神崎デスクがリポート!
実績ないけど大丈夫?最初は不安も…
「G20、大阪で開催決定!」今年2月、2025年の万博開催に続く朗報に大阪が盛り上がりました。それと同時に、G20が本当に大阪でできるのか?不安がよぎりました。
何しろ大阪では1995年にAPEC(アジア太平洋経済協力会議)を開いて以降、各国首脳が集う国際会議を開いた実績はありません。APECの記憶は当時の横山ノック大阪府知事が、たこ焼きを「サムライボール」と名付けてPRしていたぐらいしかありません。
大きかった「市民の協力」!
一番の懸念は、交通規制。首脳が宿泊するホテルは大阪市内に点在。そのホテルと会場となるインテックス大阪を結ぶ「大阪の大動脈」阪神高速・環状線などの通行止めが決まりました。開催日を含めて4日間、物流を支えるトラックなどの通行が規制され、大都市大阪の機能が制限されることになりました。
ただ、実際に始まってみると大阪府警をはじめとする行政側の事前の話し合いや広報の効果もあり、大阪市内の交通量は、目標としていたおよそ半分に。ただ、ホテルの周辺では、首脳の出入り時に規制がかかり、JR大阪駅周辺では最大3時間半、夕食会が開かれた大阪城周辺では7時間も通行止めとなりました。また、警戒されていた大規模なテロなども発生せず、市民生活に不自由は生じたものの、大きな混乱はありませんでした。
G20で感じた大阪の「伸びしろ」…ここがポイントでは?
大阪市では2025年の万博が開かれる夢洲に、カジノを含む統合型リゾート(IR)を誘致しようとしています。今回のG20の成功を機にIRに含まれる大規模な国際会議場の必要性をアピールし、国内候補地レースを勝ち抜こうとしています。
私は国際会議の開催地として大切な条件が「3つ」あると考えます。
1は「空港」、2は「ホテル」、そして3は「会議場」。
1:大阪は、海外との玄関口となる関西国際「空港に加え、国内線の路線を数多く抱える伊丹(大阪国際)空港もあり、2つの空港が各国首脳を受け入れる窓口となりました。
2:大阪には、37の国や地域、国際機関から首脳、随行員、さら報道関係者を受け入れられるホテルがあります。
ただ、3の会議場に少し問題がありました。
会場となったインテックス大阪は1985年に開業した展示場で、老朽化が目立ち、国際メディアセンターへ向かうエスカレーターの前では、テントから雨漏りしていました。
各国から集まった記者が水たまりを避けて通る横で、テントを修理し、モップで雨水を拭き取る作業が行われていました。地元大阪の記者として、新しい会議場の必要性を痛感しました。
大阪人の「おもてなし」に感激!?
今回のG20サミットには全国から3万2000人の警察官が動員され、史上最大規模の警備体制となりました。
そんななか、首脳が泊まるホテルを警備していた埼玉県警の機動隊員に、近隣住民の女性から「暑い中、ご苦労さん」と塩レモンあめ2袋を手渡されたそうです。
受け取った警察官は「大阪のオバチャから、本当にあめちゃんをもらえた!」と感激。大阪人の「おもてなし」を垣間見る一幕もありました。