【滋賀選挙区】
【嘉田由紀子候補】
「まず水を一杯、いただきます。」
元滋賀県知事の嘉田由紀子さん(69)。
公示日の朝も家のすぐそばにある琵琶湖の水を飲み、日課をこなして選挙戦に臨みました。
2期8年務めた滋賀県の知事時代。
嘉田さんは、「もったいない」をキャッチフレーズに、自民党が推し進めてきた新幹線の新しい駅やダムの建設を凍結。
自民党の宿敵ともいえる嘉田さんの今回のキャッチフレーズは…
【嘉田由紀子候補】
「もったいないのその先。暮らし安心社会作りをみなさんで作っていきましょう。」
今回の選挙では「安心できる年金制度」や「教育など子どもへの投資」を訴えます。無所属ですが、立憲民主党・国民民主党・共産党・社民党の野党4党が推薦して、党を超えた戦いを繰り広げています。
【辻元清美衆院議員】
「嘉田由紀子をまだまだ使い倒さないともったいない。もっと働いてもらいましょう。」
この日、嘉田さんが向かっていたのは、琵琶湖に浮かぶ人口わずか240人ほどの沖島。琵琶湖の研究者の時代から親交のある島民一人一人に投票を呼びかけます。
【嘉田由紀子候補】
「一人一人に訴えてスポットスポットで、それが私の草の根の選挙の訴え方です。高齢批判は吹き飛ばして元気いっぱいです。頑張ります!」
【二之湯武史候補】
(神社でお祈り)「すがすがしい気持ちと、これからしっかりやっていこうと」
2期目の再選を目指すのは自民党の現職で公明党推薦の二之湯武史さん(42)です。
今回の選挙では、「アベノミクスによる経済成長の継続」や「滋賀の観光振興」を訴えています。
【二之湯武史候補】
「ケチケチ財政で滋賀県の経済を停滞させた方にどうして国政が任せられるんですか。この滋賀県を前に進めることが出来るのは私二之湯武史しかいません。」
自民党は滋賀県を激戦区に指定し、安倍総裁に加え小泉進次郎議員が2回も応援に入るなど、党をあげての総力戦を展開しています。
【安倍晋三総裁】
「どうかみなさんのお力を二之湯武史に与えていただき、新しい日本を切り開いていこうではありませんか。」
選挙の合間、癒しになっているのは娘からの応援です。
【二之湯武史候補】
「昨日もね、動画がきたんですよ、自分がウグイス嬢になってお父さんのことを応援するって言ってね。」
家族のためにも、議席の死守を目指します。
【二之湯武史候補】
「SNSなどあらゆる手段を使って、皆さんに訴えを届けていきたい。接戦になることも分かっていますし、でも最後は勝つとそれしかないです。」
滋賀選挙区では、他にも諸派の服部修(おさむ)さん(45)が立候補しています。
【徳島・高知 選挙区】
3年前の参議院選挙から導入されたいわゆる合区制度により、2県で1つの選挙区になった徳島と高知。
今回は与党と野党の一騎打ちの様相を呈していますが、いずれの候補も地盤は高知です。
自民党の現職・高野光二郎さん(44)。
安部政権の下で農林水産大臣政務官を務めています。
【高野光二郎候補】
「この合区というおかしい選挙制度。何とか解消してもらいたい。この徳島と高知は半人前のような扱いで、2県に1人しか出れない。おかしいじゃないですか。」
合区制度の解消のほか、南海トラフ地震への対策や社会保障の充実を訴えています。
17日間で、2つの県を回らなければならない合区の選挙戦。高野さんには強力な助っ人がいます。
【高野慶さん】
「高野光二郎の家内でございます。」
妻の慶さんです。選挙戦の間、高野さんが高知にいるときには、慶さんが精力的に徳島を回ります。
「徳島の皆さんものすごく温かくて、ただただうれしくありがたいなと思います。悔いが残らないようにやりきるつもりで最後まで全力でがんばります。」
二期目の再選を夫婦二人三脚で目指します。
【高野光二郎候補】
「有権者の皆さんといかに会わせてもらうかということが非常にありがたいことであって楽しみであって、それは夫婦で共有していることです。我々は地域・地方に一番ネットワークをもつ政党でございますから、皆様の生活であるとか命を守るために頑張ります。」
対するは、野党統一候補、無所属の新人・松本顕治さん(35)です。
安保法制や消費税10%に反対するほか、最低賃金の引き上げを訴えています。
【松本顕治候補】
「一生懸命節約しています。それでもぎりぎりの暮らししかできないのは、あなたが悪いんじゃない。そういう世の中を作ってきた政治にその責任があるんです」
松本さんの武器は、学生時代から続けている演劇で鍛えた「声」です。
「あなたの願い、その一票を松本顕治に託してください。」
(記者)「それ何ですか?」
(松本候補)「梨のエキス。のどに良いという梨飴です。」
のどのケアも怠りません。
今回の選挙では、松本さんも高知からの出馬。合区制度について問題意識はもっていますが、一方で合区ならではの利点もあったと話します。
【松本顕治候補】
「徳島の食べ物とか景色もそうですし、いろんな出会いも経験できたというのはそれはそれで自分にも勉強になったし良かったなと思います。」
有権者に直接訴えることができる演説を大切にしている松本さん。力強く思いを伝えます。
【松本顕治候補】
「どうか皆さん、人の声を暮らしの声を見て見ぬふりをする政治を一緒に変えていきましょう」
「安倍一強政治を変えて、誰がどこに住んでどんな働き方を選んでも暮らしていける社会を作ります、頑張ります」
一方、今回の選挙には気がかりなことが…。
前回の参議院選挙で高知県の投票率は全国最低、2番目に低かったのが徳島県でした。
今回、徳島では、さらに投票率が低下することが危惧されているのです。
【徳島県民は…】
「関心ないです。高知の人やったら全然知らんでしょ?年金が上がればいいんやけど」
「高知と一緒のやつ?選挙となると地元の誰それというのが一番要素としては大きいわね」
一体どうなってしまうのでしょうか。
徳島・高知の合区には他に、
諸派の新人・石川(いしかわ)新一郎(しんいちろう)さん(65)、
無所属の新人・野村秀邦(のむらひでくに)さん(69)が立候補しています。
各地で激戦が繰り広げられている令和最初の国政選挙。
投票は7月21日です。