遅くまで働くサラリーマンのみなさん、家事を切り盛りする主婦のみなさん、
毎日、お仕事お疲れ様です。
その“仕事の在り方”ですが…ここ1年の間に少し変わってきていること知っていますか?
【10月4日所信表明演説・安倍首相】
「若者もお年寄りも女性や男性も誰もが思う存分、その能力を発揮できる一億総活躍社会を皆さんと共に、作り上げようではありませんか。
「働き方改革」の一環として、国は去年、「副業」を認め、推進していく方針を打ち出しました。
そのため、ここ最近、サラリーマンが本業の空き時間を活用して、他の仕事にチャレンジしたり、主婦が、家事の合間に仕事をしたりと、新たな収入を得ている人が、増えているんです。
【新生銀行 大阪支店】
行員約2200人を抱える新生銀行では、去年4月に副業を解禁しました。徐々に、副業にチャレンジする行員が増えていて、現在は54人が副業をしています。
入行5年目の田中友里絵さん(26)も、その一人です。
仕事を終え、彼女が向かった先は…
【薄田ジュリアキャスター】
「大阪市内のとある雑居ビルにきています。ドアにはダンススタジオと書いていますね。ちょっと覗いてみましょう。えぇ~フラダンスですか!?」
昼間は銀行員、アフターファイブは一転、フラダンスの講師に変身です。
元々ダンスが趣味という、田中さん。
会社の副業解禁を機に9ヵ月前から、フラダンスの講師を始めました。収入が増えることだけでなく、好きなことを仕事にできることも、励みになっています。
――Q:どういう思いでやってる?
【田中友里絵さん】
「正直大きな収入を求めているわけではなくて、自分のスキルアップとか好きなことを突き詰めていきたいところが副業を始めた最初の気持ちだった。今後、いろいろライフステージが変わっていく中で、本業だけに収入源を依存しないっていうところも副業を始める際に、感じたことのひとつです」
本業と副業の両立。それは田中さんや会社にとっても、大きなメリットがあるようです。
【新生銀行人事部担当・天明純一さん】
「本業と違う人と仕事をすることによって、自分の見せ方を意識するようになったとか、あるいは本業では教わることが多い人が逆に教える立場になって、教える人の気持ちがわかるようになったということで、本業の仕事の捉え方の幅が広がったと感じている」
実際に、日本全国で副業を認めてる企業は、現時点で約4分の1という調査結果もあります。
今後も、このトレンドは広まっていきそうです。
続いては…
京都市在住のきむらかずよさん(45)。
本業は保育士です。
――Q:どんな副業を?
【きむらかずよさん】
「イラストのお仕事もいただくこともあるんですけど、基本、広告の漫画を主流に描かせてもらっています」
子どもの頃から絵を描くのが得意だったきむらさんは、企業の活動をPRするための広告漫画で収入を得ています。
子育てが忙しい中、4ヵ月前から「ココナラ」というインターネットのサイトを通じてこの仕事を始めました。「ココナラ」は、自分のスキルを“売りたい”人と、そのスキルを買いたい人をつなぐサイトで、きむらさんに漫画を書いてほしいという人は、このサイトから仕事を依頼するのです。
【きむらかずよさん】
「小さい時からなりたかったことが、少しでも仕事につながっているというのは本当に夢のようです」
――Q:今、収入はどれぐらい?
「いまのところ、月1万5000円とかそれぐらい」
――Q:小遣い稼ぎにはぴったりですね。
「めちゃめちゃ小遣い稼ぎになります。すごいありがたいです」
漫画の原稿料は1000円から10000円、きむらさん自身が値段を決めています。制作期間も依頼者と話し合って決めるので、自分のペースで仕事ができるメリットがあります。
――Q:自分で決められるのは負担がないですよね?
「そうなんです。子育てしてると本当に隙間時間が命というか…」
3人の子どもを持つきむらさん。
仕事から帰ってきた後の限られた隙間時間で、漫画を描こうとしますが、子どもがごねたり、お鍋が焦げ付かないか気になったりして、何度も中断します。
「こうちゃん、宿題したん?」
「なんで?」
「宿題?」
「なんで?」
「帰ってから宿題してからゲームしてる?」
「なんで?」
「音読1ページでも頑張ろう!」
「1ページもいやや!」
それでも少しずつですが、漫画が仕上がっていきます。
この時間しかないという感じで時間で座るので…ピンポイントで閃いたら、パッと座ってやるのは、私的にはいいものができたりします。
続いて伺った場所は…
【薄田ジュリアキャスター】
「とあるマンションの一室にきています。ご覧の通り、私は三角巾にエプロンをつけているんですが、この格好であることを学びます」
始まったのは…
【大久保利也さん】
「アジ2匹をお渡しするんですが、1匹目は一つの工程ごとに僕が止めながらやっていきます」
魚のさばき方教室です!
講師を勤める大久保利也さん(55)。本業は、人材派遣会社の営業職ですが、その前には、14年間、スーパーの鮮魚コーナーなどで、働いていた経験があり、自称、サカナサバキスト!本業が休みの週末にこの教室を開いています。
【大久保利也さん】
「ジュリアさん、親指をこっち持ってきて、そうそうそう。そのまま魚の左持って。はいOK。エラが取れました。取れてるよ」
大久保さんは「ストアカ」という、インターネットのサイトを通して、この教室を開いています。ストアカは、自分のスキルを誰かに教えたい人とそれを学びたい人を、マッチさせるサイトで、大久保さんは魚を捌く先生として、生徒を募集しています。
この教室は約2時間。受講料は1人4500円です。
――Q:どんなもんなんですか?売り上げというか?
【大久保利也さん】
「売り上げは(月)8万くらい」
この売上から、数十匹の魚の費用や、教室のレンタル代などの経費を差し引いたものが、副業の収入になります。その収入に加え、もう一つ、副業するワケがあるそうで…
――Q:それでも続けられる理由って何なんですか?
【大久保利也さん】
「切り身の魚あるでしょ。そのパックを持ってきて、この切り身の魚、どうやって泳いでいるんですか?って真面目に聞いてきたお客さんがいたんですよ。お客さますみません、このサワラのここの部分なんですよ、ということでご説明させてもらったら、すごく顔を赤らめて帰られたというエピソードがあったんです。で、丸魚になかなか触れる機会がないのかなとその時実感したもんだから…」
魚を捌いて食べることで、生徒に本当の魚の良さを伝えられる。ここに、副業の魅力を感じています。
【大久保利也さん】
「元々私、学生のころからは教師になろうという夢もあったもんですから、それがいまこういう形で逆に叶えられるのでいいのかなと」
――Q:楽しいですか??
「めちゃくちゃ楽しいですね!」
サラリーマンも、主婦の皆さんも…。
自分の特技を使った副業で、隙間時間を有効活用できれば、オトクで、より豊かな生活が送れるのかもしれませんよ。