寝屋川市の自宅で、当時33歳の長女をプレハブ部屋に監禁し、凍死させた事件。
被告人質問で両親は「娘のためを思ってやっていた」と述べ10年以上にわたる監禁に至った経緯を語りました。
「娘を思っての行動」と無罪を主張
【柿元被告の弁護士】
「愛里さんが亡くなっているのをみてどう思いましたか?」
【柿元由加里 被告】
「残念でたまらなかったです。やってあげたいことがいっぱいあったのに、やってあげられなかった」
【柿元被告の弁護士】
「愛里さんはどんな存在でしたか?」
【柿元由加里 被告】
「宝です」
2017年12月、寝屋川市の自宅にあるプレハブ部屋で33歳で凍死した柿元愛里さん。
監禁と保護責任者遺棄致死の罪に問われている両親の柿元泰孝被告(57)と由加里被告(55)。
精神疾患を患ってた愛里さんを畳一畳ほどの広さで窓のないプレハブ部屋に二重扉で監禁。部屋には、監視カメラや簡易トイレを設置し食事は1日に1回でした。
この部屋で裸で生活していた愛里さんは、145cmの身長に対し、体重はわずか19キロしかありませんでした。
これまでの裁判で柿元被告らは無罪を主張し愛里さんへの「愛情」を訴えてきました。
【泰孝被告】
「医者に囲われた所を作るといいといわれたので小部屋を作った」
「窓をつけると時間が分かり、ストレスになるのでつけなかった」
「外に飛び出すと危険だから鍵をかけた」
由加里被告が自身の姉へ送った手紙には、精神疾患を患う娘をもつ「母親の苦悩」が綴られています。
(由加里被告が姉へ送ったとされる手紙)
「赤ん坊のころから可愛くなかった。なつかなかった。どんどん悪い母親になっていった。今は愛里の欲求の全てを満たし、許しを請うこと。この世で一番大切なもの。愛里と家族を救いたい」
柿元被告らは「症状が悪化する愛里を入院させようと、病院へ連れていったが『離れるのが嫌』と言った」「愛里が外に出たがったことは一度もない」と主張。「プレハブ部屋は監禁ではなく愛里さんのためを思っての生活だった」と訴えています。
一方でその生活の実態は…
【検察】
「歯磨きはどれぐらいのペースでしていた?
【柿元由加里 被告】
「2週間に1回ぐらいです」
【検察】
「なぜお風呂に入れなかった?」
【柿元由加里 被告】
「愛里が気を遣うと思ったからです」
【検察】
「プレハブにいつまで入れておくつもりだったんですか?」
【柿元由加里 被告】
「このままでいいとは思っていませんでした」
「娘のため」の行動がなぜ、「監禁死」という悲しい結末を迎えることになったのでしょうか。