■殺処分のおそれも…観光地『彦根城』で対応急がれる野良猫
彦根市の猫といえば、ゆるキャラの「ひこにゃん」。
今年のバレンタインも沢山のプレゼントが届きとっても幸せそう。
一方こちらは、国宝・彦根城の周りに住む野良猫。
同じ猫でも、愛されキャラの「ひこにゃん」とは対照的に、市民から鳴き声やフンなどに関する苦情が数多く寄せられています。
彦根城は、滋賀県を代表する観光地。
景観の面でも対応が急がれています。
【動物保護ボランティア「多賀にゃん」・西崎美樹代表】
「なかにはすごく人懐っこい子がいるので、たぶん持ってこられた捨て猫ちゃんもいると思います」
「保健所とかに持っていくと殺処分の対象になったりするのを多分ご存じやったと思います」
このままでは、春に産まれてくるたくさんの子猫が殺処分されてしまう可能性があります。
そこで、猫の活動が活発になる夜に餌を入れた捕獲機を設置するボランティア団体のスタッフたち。
猫の命を守りながら、頭数を管理しようと野良猫を捕獲して、一斉に不妊手術を行い、元いた場所に返す取り組みを始めたのです。
■野良猫を地域で見守る理由「“ひこにゃん”と同じように観光資源に」
捕獲機の周りには猫たちが集まってくると、ボランティアのスタッフが優しく声を掛けます。
【「多賀にゃん」のスタッフ】
「恐くないで、大丈夫やでー」
6日間で15匹の猫が捕獲されました。
後日、岐阜県にある猫の避妊・去勢手術専門の病院から、設備が整えられたワゴン車がやってきました。
麻酔で眠る猫に不妊手術が施されます。
今回の手術費用は募金などで集められました。
猫の耳に施されるV字の切り込みは、手術を終えた証です。
耳の形が桜の花びらのように見えることから「さくら猫」と呼ばれています。
【「多賀にゃん」のスタッフ】
「よう頑張ったな、よう頑張ったな」
手術を終えた猫は、元いた場所に戻されました。
今後、地域の人たちがエサやりや糞の掃除などルールを決めて見守るということです。
【動物保護ボランティア「多賀にゃん」・西崎美樹代表】
「『ひこにゃん』と同じように観光客の観光資源になってもらえればと思いますね。やっぱり観光客の方も可愛いと、なでてくれたり」
「『あそこに行ったら“さくら猫”いるから』…みたいになって皆さんどんどん来てもらえるようになると彦根市にとってもいいかなと」
一代限りの命を地域で見守ります。
(カンテレ「報道ランナー」2/24放送)