スシローも“むすび寿司”として参入…『おにぎり』の進化が止まらない 高級路線から断面映えまで【ヒットにワケあり!オカネのヒミツ】 2021年08月10日
1年間でおにぎりが最も購入される時期を総務省の2020年家計調査で見てみると、ピークを迎えるのは8月で、需要が高い時期は『夏』。
ローソンの広報担当者によると、夏休みもあり、お出かけする際に買う人が多いのでは…とのことでした。
実は今、そのおにぎりが色々と進化を遂げています。
その裏側にはどんなヒミツがあるのか、取材しました。
■コロナの影響は“高級おにぎり”にまで…
日本人のソウルフード「おにぎり」
ファミリーマートで去年10月に発売された「ごちむすび」シリーズは、通常よりも50円ほど高い価格設定にも関わらず、販売累計7000万個を突破。爆発的なヒットを続けています(7月15日時点)。
なぜ今、高級おにぎりが人気なんでしょうか。
【ファミリーマート デリカ食品部 椎名早苗さん】
「大きな鮭の切り身を一つ入れることで食べ応えをアップさせております。この状況下で外食を控えているため、いつもの食事で少し贅沢感を味わいたいという方も多くなっているので非常に好調に売れているのかなと感じています」
また、コロナの影響で販売先がなくなった高級食材にも注目。
限定商品にすることでヒットにつながっていると言います。
さらに、むすび寿司・南海なんば駅店を訪ねてみると、贅沢なおにぎりが登場していました。
【薄田ジュリアキャスター】
「ショーケースの中におむすびがたっくさん!具が飛び出しちゃってます。どれも美味しそうです。(うち一つを試食して…)具が寿司ネタみたいで、おにぎりなんだけどお寿司をたべているような」
実はこの店を展開しているのは、大手回転寿司チェーン『スシロー』。
オフィスや移動の合間などにお寿司を食べてもらいたいという思いから「おにぎり型」に目を付けたそうです。
【むすび寿司 事業責任者 鶴才さん】
「人によっては、やはり(握り寿司は)デリケートで運びづらいというお声もいただいておりましたので、この形ですと非常に楽に運べる。色々なシーンで食べていただくことに関して非常に好評をいただいているかなと思います」
■おにぎりが進化…背景に生活様式の変化とSNS
進化系のおにぎりは他にも。
大阪市北区にある台湾朝食の専門店『wanna manna』には、海苔の巻かれていない太巻きのような「台湾おにぎり」が…。
中に入れる具材はなんと6種類。
ボリュームたっぷりのため、お弁当感覚で買う人が多いといい、昼過ぎには売り切れてしまうほど人気だそうです。
さらに、話題を呼んでいるのが『断面』。
実は、見た目でもおにぎりが今注目されているようなんです。
インスタグラムで今人気の進化系おにぎりを発信している、四角まりさん。
「四角キンパ」という名前で、毎日おにぎりの写真をアップしています。
【薄田キャスター】
「インスタグラムの投稿見てても、すごいカラフルなんですよ皆さん」
【四角まりさん】
「韓国のSNSを見ていて『サガッキンパ』っていう直訳すると四角キンパなんですけど、それを発見して。やっているうちに『これは無限レシピだ』っていうことに気が付いて。それが楽しくなって作り続けている感じです」
おいしさだけでなく見た目でも楽しめる進化系おにぎり。
色んなおにぎりが出てきている背景には、ライフスタイルの変化とSNSの普及が関係していると専門家は言います。
【おにぎり協会 中村祐介代表理事】
「SNSの普及によって、『食べられればいいや』から、ちょっと気持ちも上がる、ちょっと見せたい“かわいさ”みたいなものをおにぎりにも求められるようになって、おにぎりのドレスアップ化がどんどん止まらないというのは確かにあります」
■おにぎりを「おむすび」と呼んで“縁結び”
さらに調査を進めると、おにぎりがもたらした素敵なエピソードがあるということで、やってきたのは、大阪府泉佐野市。
厳選された泉州の食材だけを使ったおにぎり専門店『オトメゴコロ』。府外から買いに来る客がいるほどの人気店です。
【オトメゴコロ 店主 義本紀子さん】
「私もおむすび店するまで海苔が泉州で採れるって知らなかったので自分も発見がありましたし、お客さんにも知ってもらえるきっかけになっていると思います」
そんな店主のこだわりは他にも。
こちらでは、おにぎりをあえて「おむすび」と呼んでいます。
それにはあるワケが…。
【義本さん】
「おむすびをはじめたきっかけも泉州となにかを結びたいっていう思いが強いので」
【薄田キャスター】
「これを通して泉州と結ばれた方もいるんですか?」
【義本さん】
「実は…私が今の主人とおむすびを通して、はい」
なんと、おむすびがきっかけで夫の廣澤知也さんと結ばれた義本さん。
きっかけは9年前、地元の花火大会で売れ残ったおむすびだったそうです。
【義本さん】
「一緒にいたスタッフの子が『廣澤さん、これ買ったらこの人終われるん違うの?』って言って。その時に『あ、せやね。じゃあ僕全部買うわ』っていって、梅ばっかり6個ぐらい残ってたんですけど、その時に買ってくださって。なんて気前のいい…、いい人!ってなって」
その後、義本さんの熱烈なアプローチで見事結ばれた2人。
さらに取材に訪れた日は、偶然にも9回目の結婚記念日でした。
【知也さん】
「色々今まで面倒みていただいてありがとうございました。50年ぐらいあとは多分一応上り続けるの間違いないから、飽きないと思うので」
【義本さん】
「本当に、飽きの来ない旦那さんだと思います」
【薄田キャスター】
「おむすびみたいな感じ?」
【義本さん】
「そうですね、これからも味わいたいと思います(笑)」
(カンテレ8月10日放送『報道ランナー』内「ヒットにワケあり!オカネのヒミツ」より)