9月1日時点で、26人の死亡が確認された熱海市の大規模な土石流。
人工的に造られた盛り土が、大量に流れ込んだことが被害を拡大させたとみられています。
現場周辺は土砂災害が発生した場合、大きな被害が予想される「土砂災害警戒区域」に指定されていました。
【兵庫県・砂防課・鶴野聡副課長】
「雨が多く降った時に、潜在的な危険性が山にあるのか、ないのか、緊急的に調査しようと」
熱海市の被害状況を受け、関西の自治体も対策に乗り出しています。
兵庫県は特に危険度が高い「土砂災害特別警戒区域」約100か所を対象に、調査を始めました。
調査で使用したのはドローン。
地形が変わり、土砂災害の恐れが強まっていないか上空から確認します。
調査の結果、宍粟市の山では9年前と比べると、住宅近くの山肌が大きく削れているのがわかりました。
県の職員たちが現地へ向かうと…
【兵庫県の職員ら】
「盛り土です。作業道をつくる時の盛り土が小規模に崩落している感じですね。どうしても水が集まるんでしょうね」
兵庫県によると、作業道をつくるために山が削られ、置かれていた土が雨により崩落したとみられています。
大規模な土石流が発生する状況ではありませんが、油断はできないといいます。
【兵庫県・砂防課・鶴野聡副課長】
「これが崩れて川に溜まります。天然のダムみたいな形になる。上流に水が溜まる、そうなると水圧が溜まった土砂にはたらく。溜まった土砂がたえれなくなって、一気に流れ出る。規模が大きければ、こういうことも想定できる」
今後、土地の管理者などへ情報を共有し、対応を検討する方針です。
【兵庫県・砂防課・鶴野聡副課長】
「雨の量が一番、土砂災害は関係してくる。油断、この山は安全だと思わないようにしていただいて、土砂災害から身を守ろうと思うと逃げるしかない」
兵庫県は「自分の家がどういう場所にあるのかハザードマップなどで改めて確認してほしい」と注意を呼び掛けています。
(2021年9月1日放送)