新型コロナウイルスの影響などで閉店した「ユニクロ心斎橋店」が、9月17日にリニューアルオープンしました。
実はこの店には、地元・心斎橋筋商店街とタッグを組み、ミナミの街を盛り上げようとする試みがありました。
■インバウンドの減少など背景に8月に閉店
9月17日、大阪・ミナミにオープンした「ユニクロ心斎橋店」。
元々は「ジーユー心斎橋店」だったビルを改装し、地下1階から2階はユニクロ、3階と4階はジーユーという一体型店舗に生まれ変わりました。
テーマは「大阪を元気に」。
元々は、世界にブランドを発信する「グローバル旗艦店」でしたが、インバウンドの減少などを背景に、今年8月に閉店しました。
【心斎橋筋商店街振興組合 平田康雄 理事長】
「ユニクロさんのあったところが(商店街の)入口になりますね」
「こればっかりは何とも言えんですけどね」
地元・心斎橋筋商店街でも、この1年半で2割を超える店舗が営業停止に追い込まれました。
■ミナミの店の従業員をモデルにポスター作り
そんな中動いたのが、ユニクロでした。
再スタートを切るにあたり、商店街を活気づけようとミナミの街に協力を求めたのです。
【ユニクロ心斎橋店 銅谷さつきサービスマネージャー】
「こんにちは。初めまして。ユニクロ心斎橋店サービスマネージャー銅谷と申します」
ユニクロ心斎橋店で働く銅谷さん。
ミナミにある店の従業員をモデルに、ユニクロの人気商品、ヒートテックを紹介する巨大ポスターを作る試みを行うことにしました。
撮影に協力してもらった店舗からは、それぞれの店で使える商品券も提供してもらい、オープニングイベントの抽選で当たる景品にします。
【宇治園喫茶去本店 伊藤和子店長】
「(商店街で)営業を続けたいというのは皆さんあるので、自分の所も盛り上げつつ周りも盛り上がってくれたらという思いはあります」
さらに、街をつなぐ地下鉄・大阪メトロにも協力をあおぎ、駅構内などにユニクロのポスターを貼ってもらうことに。
にぎやかな大阪をイメージしたコラボTシャツも出来上がりました。
ここまで広く街全体で協力し合う取り組みは、ユニクロにとって異例のことです。
【ファーストリテイリンググループ 桑原尚郎 上席執行役員】
「従来だと東京から誰かが来て企画してとなるんですけど、そうではなくて、ここに所属している社員が、ご挨拶から関係作りから全部している。こういうことが将来だと思ってやっていますね」
■オープン当日…ポスターに目をとめる人も
オープン当日の9月17日。
待ちわびた人が列を作り、予定より30分早くオープンを迎えました。
コラボ商品や先行販売品が次々と手に取られます。
ミナミの店に協力を仰いだ抽選会にも、多くの人の姿が。
【訪れた人】
「『にし家』さんの割引券です。昔から結構行ってて。すごくうれしいです」
そして、ミナミの店の従業員がモデルとなったポスターに目をとめる人も。
【訪れた人】
「宇治園ちょいちょいお茶買いに行ってます。お店どんどん閉まったりしてるので、歩いててもちょっと寂しい」
「少しずつこうやって復活していけばいいのかな」
商店街の理事長も、リニューアルオープンに駆け付けました。
【心斎橋筋商店街振興組合 平田康雄 理事長】
「同じ(商店街の)仲間として非常にうれしいですね。大変な状態ですけれども、これに打ち勝って、やっぱり心斎橋は大阪の一番の中心街だということで、日本一を目指せるように頑張りたいと思ってます」