大阪府の南東部の8つの市・町・村と、かなり広いエリアの「大阪15区」です。
今回の選挙を前に政界を引退する人たちもいますが、この大阪15区でも過去8回も当選、25年間議員をつとめた、自民の竹本直一さんが引退を表明しました。
立候補したのが、後継指名された竹本さんの娘婿の新人、前回竹本さんと接戦を繰り広げた維新の前職、そして野党共闘の共産の候補の3人です。
■加納陽之助候補
河内名物「かすうどん」に夢中なっている、自民党の新人・加納陽之助さん。
【加納陽之助候補】
「大阪に帰ってくると食べたくなりますね」
大阪府の南東部をエリアとする大阪15区では、25年自民党の議席を守ってきた竹本直一さんが引退を表明。
党員投票の結果、娘婿の加納さんが自民公認候補となり、初めての選挙に臨みます。
数カ月前まで国交省の官僚として道路づくりや災害対策に携わり、時には上司の記者会見を支えた加納さんも、今度は会見をする側に。
人生初の出馬会見に臨みました。
【加納陽之助候補】
「地域の目線に立った政策作りじゃないと、リアリティのある国づくり、いい国づくりは難しい。地域から新しい成長モデルを生み出したい、それにより足腰の強い日本を実現したいと思っています」
「南河内の街づくり、しっかり頑張ってまいります」
東京育ちで大阪にゆかりがない加納さんは、いかに地元で名を売るかが勝負どころ。
【加納候補のスタッフ】
「挨拶中心になってしまっているから。国会に送ってもらったら何をできるかを…」
【加納陽之助候補】
「聞いてもらえる期間は本当に短いから、名前と自分がやりたいことを1個しか言えないと思うのよ、加納と言えばこれ、と」
長年、地元で地盤を固めてきた竹本さんも、加納さんへの支援を呼びかけます。
【竹本さん】
「次の選挙、竹本直一ではありません。加納陽之助41歳が立候補します。頭の中にいれてあげてください」
「演説は人との対話ですから。大勢いる人の中で俺はこれを届けるんだと。こういう気持ちでやればついてくる。最初の発声は大きくなったのでよいと思います」
【加納陽之助候補】
「おっしゃる通りで場数を踏むのが大事かなと」
「41歳新人、自民党に新しい風を吹かせてまいります。地域、現場の目線に立った政策作りができる自民党に改革を進めて参ります」
■浦野靖人候補
この15区に立候補するのが日本維新の会の前職、浦野靖人さん。
党では、看板となる政策づくりを担当しています。
【浦野靖人候補】
「(岸田首相の)マニュフェストとどう違うのか、どう国会でただしていくのか政調の皆さんと知恵を出し合って考えていきたい」
前回の選挙では竹本さんと接戦を繰り広げた浦野さん。
【浦野靖人候補】
――Q竹本さんと話した?
「電話ありましたよ。長い間ありがとうって。でも頑張れとは言ってくれませんでしたけどね、さすがに」
浦野さんは自民党の大阪府議会議員だった2010年に松井一郎代表とともに離党。
大阪が地盤の「地域政党・大阪維新の会」の立ち上げメンバーとして活動してきました。
【浦野靖人候補】
「自民党じゃ改革できなかったからです。改革するために維新を作りました。維新の会が当初目指したのは都構想を始めとする、行政の効率化です。そのうち人口が減るのが分かっている中で、できることをまず、やれることをしていこうじゃないか」
ここ15区が地元でもある、吉村副代表も応援にかけつけました。
【日本維新の会 吉村副代表】
「自民党の選挙事務所行ってみてください。なんたら団体など応援ポスターでうわーっとなっている。自民党の事務所の行った後に浦野さんの事務所に行ってみてください。なんにもありません。でも、だからこそできる改革がある。大阪に生まれてよかった、日本に生まれてよかったと思えるような大阪、日本を作りたい」
大阪の地方政治をリードしてきた維新。
しかし、国政政党としてはまだ道半ばです。
【浦野靖人候補】
「(維新は東京で)最近やっと認知され始めたけれど、それまでは空気と同じレベルやったんちゃいます?大阪から国政に行って、国政で同じことをしないとあかんという目標があるので」
保育や福祉現場で働いた経験を生かし、「子どもの未来のための改革」を訴え、国政を目指します。
■為仁史候補
2人に対するのは…
【為仁史候補】
「お世話になります。世のため、人のため、ためきみひとでございます」
共闘する野党から、共産党公認候補・為仁史さん。
自公政権や、維新による政治からの脱却を市民に訴え、支持を求めています。
【為仁史候補】
「おかあさん、医療費だって倍になってしまったら病院いかれへんもんな」
【支援者】
「私ここ(腰)が悪いねん・・・」
小回りが利く小さな車で住宅街をぐるぐる、ぐるぐる…
市民との距離を少しでも近づけることが、為さんの選挙の戦い方です。
【為仁史候補】
「これから府会議員と一緒に回るわけやな」
走り続ける為さんを、地元の議員や支援者が入れ代わり立ち代わり支えます。
為さんは、あるキャラクターに似ていると言われるそうで…
【為仁史候補】
「(似ていると)ネットでいじられているみたい。だからこれ(「ジャムおじさん」のキーホルダー)くれはってん。なんぼでもいじっていただいた方が、親しみを持ってもらえていいかな。政治に距離があるんちゃうかなと思って。政治に参加してもらわないと。半分でしょ投票率が?選挙制度の問題があるけれども、みんなが関心を持つのが大事だなと」
為さんは、街頭演説でも、投票に行くことを呼びかけます。
【為仁史候補】
「命を守るために、投票に参加しようではありませんか。野党連合政権で命と暮らし、平和と民主主義を守り、暮らしに憲法を生かす希望ある社会を皆さんと作るため全力でがんばってまいります」
「今、現場で困っている人と一緒に動くのが僕の信条。(自民候補が)竹本さんから娘婿に変わったとして何も気にしていません。コップの中の嵐です」
(カンテレ「報道ランナー」10月19日放送)