「金魚すくい」にかけた夏! 約束の3人で挑む “3年ぶりの大会”…その名もチーム「卑弥呼」 制限時間は3分間 1つのポイに“思い”を込めて「夏の思い出」 “金魚のまち”奈良・大和郡山市の「全国金魚すくい選手権大会」 2022年08月23日
「金魚のまち」として知られる奈良県大和郡山市。
まちをあげての一大イベントが3年ぶりに帰ってきました。
■3年ぶり「全国金魚すくい選手権大会」開催 総勢1050人が参戦! アツイ戦いが…
8月22日、「全国金魚すくい選手権大会」が行われました。
新型コロナウイルスの影響で3年ぶりの開催となりました。
【参加者の女性】
「今回開催されるっていうのですごい楽しみにしてました」
【参加者の男性】
「強い人、チャンピオンの人たちがいるとワクワクするっていう。いままでやったスポーツの中で1番好きなスポーツといえるくらい楽しいです」
3分間の制限時間の中、1つのポイを使って、どれだけ多くの金魚をすくえるのかを競うこの大会。
開催を心待ちにしていた総勢1050人が集まり、アツイ戦いを繰り広げました。
■過去に個人戦2位の強者・三宅莉緒さん20歳 今大会は団体戦で参加… チーム名「HMK38(ひみこサーティーエイト)」
ポイを華麗にあやつり、金魚をすくっているのは三宅莉緒さん(20)。
高校生の時には個人戦で全国2位にもなった実力者です。
今大会、莉緒さんは団体戦で出場しました。
なぜ個人戦ではなく団体戦なのか…そこにはある理由が。
【三宅莉緒さん】
「どうしてもこの3人で出たいっていうのがあったんで、今回初挑戦させていただくことになりました」
一緒に出場したのは小寺彩香さん(32)と中萌々佳さん(22)です。
3人は2022年の3月までの2年間、大和郡山市をPRする「第38代女王卑弥呼」として活動していました。
【小寺さん】
「1年目は本当にコロナの影響で、本来であればいろんなイベントとかに出演して司会をさせていただいたりとか、テレビ出演したりとか、そういう活動がもう一切なくなってしまって、イベントが全て中止になった」
金魚すくいの全国大会に出場することも活動の1つでしたが、この2年間、大会は新型コロナの影響で中止に。
「HMK38(ひみこサーティーエイト)」として金魚すくい大会に出場する機会を待ち続けていました。
【小寺さん】
「いつか出たいねっていうのをずっと言ってたので、やっとかなうのがほんまにうれしい!」
■ライバルは…家族!? 莉緒さんの両親は「全国制覇3連覇」+実力アリの弟(17)
そんな莉緒さんたちのライバルとなるのは…なんと、莉緒さんの家族!
中学生以下の部で上位をキープしていた莉緒さんの弟・政太朗さん(17)と、全国制覇3連覇を達成している両親の3人で構成されたチーム「NOGUTS!!」です。
–Q:家族対決になるのは初めてですか?
【莉緒さんの母 三宅由美さん(51)】
「初めてです、あ、ほんまやな。(弟が)小中と終わったので家族で一回出よかってなったらコロナで2年(大会が)なかったんですよ」
【莉緒さんの父 三宅敏之さん(57)】
「今年は開催されるということで、優勝したろうっていうんじゃなしに、大会ができるっていううれしさのほうが先にきてますんで」
金魚すくい界にその名をとどろかせる三宅さん一家は、10年前から、市内の「こちくや金魚すくい道場」で技を磨いています。
【莉緒さん】
「きっかけは近所のお祭りの屋台で私が金魚すくいしたときに、なんか周りよりすくえるぞと思って、その時にもっと金魚すくいしたいと思っそこから通い始めたっていう感じ」
【莉緒さんの母 由美さん】
「どうせ家族で通うなら3人もみんな入門しようかっていうて。それまでは夏といえば海に旅行行ったりとか色々行ってたんですけど、金魚すくい始めたら“金魚すくいのみ”になって。他のこと一切しなくなった」
■大会1週間前 「HMK38」チーム3人で“はじめて”の練習 金魚すくいのコツは“一緒に泳ぐ感じ”
大会1週間前、この日莉緒さんたちは、初めて3人が集まって練習することに。
【莉緒さん】
「最初全員でやってみます?どれくらいすくえるか」
【小寺さん】
「全員でやろうか!」
【莉緒さん】
「だってもう久々すぎて」
【中さん】
「1匹もすくえんのちゃうかな…」
金魚すくいの経験があまりない2人に、莉緒さんがコツを教えます。
【莉緒さん】
「(ポイを)入れて、金魚つかまえて、このまま(金魚入る)」
お手本見せながら…
【莉緒さん】
「金魚のおなかの下に入れると、一瞬止まるんですよ」
【中さん】
「え~ほんまや」
【莉緒さん】
「追いかけるっていうよりかは“一緒に泳ぐ感じ”で」
【小寺さん】
「すごいどうやって抜けていってるんやろう」
およそ1時間の練習の中で、小寺さんと中さんも徐々に感覚をつかんできました。
練習の後はつめた~いかき氷で腹ごしらえです。
【莉緒さん】
「ん!おいしっ」
–Q:大会への意気込みは?
【小寺さん】
「なんてったって莉緒ちゃんがいるんです」
【中さん】
「引っ張ってってもらって」
【莉緒さん】
「楽しみでしかないですね。練習していたのを見てたら全然いける」
■いよいよ大会当日 浴衣姿のHMK38「決勝まで行きたい」 ライバルの“家族チーム”も気合十分!
いよいよ大会当日を迎えました。
会場に現れたのは、浴衣姿の莉緒さんら3人。
【莉緒さん】
「せっかくやったら(決勝に)あがりたいな~」
【中さん】
「それはそう」
ちょっと緊張気味の3人です。
一方、莉緒さんの家族、チーム「NOGUTS!!」も気合十分です。
【莉緒さんの父 敏之さん】
「表彰台に立ちたいですね」
【莉緒さんの弟 政太朗さん】
「3位以内」
「よーい、ピー!」
試合が始まりました。
莉緒さんたち「HMK38」とチーム「NOGUTS!!」は予選からまさかの同じ組!
団体戦は150チームが出場。
25チーム中8チーム以内に入れば準決勝に進むことができます。
「5秒前! 4、 3、 2、 1… 終了―」
予選終了です。
【小寺さん】
「思ってたよりできた。2人で20匹超えようっていうのはいけたんで」
【中さん】
「本当に助かりました、(莉緒さんが)めちゃくちゃすくってくれはったんで。ほんまにありがとう」
予選の結果は…「HMK38」が76匹でなんと2位!
莉緒さんの家族チーム「NOGUTS!!」は64匹で3位となり、両チーム準決勝進出です。
【小寺さん】
「良かった~!」
【莉緒さん】
「とりあえずほっとした。もう1回すくえるっていう」
【中さん】
「楽しかったからもう1回できてうれしい」
【莉緒さんの母 由美さん】
「金魚に走られて、あせって(ポイを)あげちゃったんですよ。ちょっと難しかったです」
感想はそれぞれですが、両チーム予選通過でひと安心。
■準決勝も通過 いざ決勝の舞台へ 約束の3人で挑む!
続く準決勝でも…
両チーム順調に駒を進めていきます。
いざ、決勝の舞台へー。
HMK38はチームで「がんばるぞ、おー!」と気合を入れます。
泣いても笑っても、これが最後の勝負です。
「いちについて、よーい、ピー!」
最後の戦い開始の合図が鳴り響きました。
チーム「NOGUTS!!」は父の敏之さんが、妻や息子を励まします。
【莉緒さん父:敏之さん】
「由美さん落ち着いて、絶対すくえるときがあるから、落ち着いて、せいちゃんに任せて」
「残り5秒! 3、2,1…終了!」
決勝の3分間のアツイ戦いが終わりました。
最終順位は…「HMK38」が68匹で14位。
「NOGUTS!!」が67匹で15位でした。
それぞれの夏が終わりました。
大会を終え、3人それぞれの感想は…
【中さん】
「がんばるところまで頑張ろうって思ってたけど、まさか決勝まで出れたから、すごい良い思い出になりました」
【小寺さん】
「ほんとに決勝まで連れてってくれてありがとう」
【中さん】
「ほんとに莉緒ちゃんのおかげで決勝いけたから」
【莉緒さん】
「ほんまに良かったなと思います。まだ優勝したことがないので。いつか絶対優勝したいなと思ってます」
ようやく3年ぶりに開催された「全国金魚すくい選手権大会」。
来年の夏もポイで金魚をすくう、アツイ夏が待っています!
(2022年8月22日放送)