8月27日に投開票が行われた、「日本維新の会」初の代表選。
新代表になった馬場伸幸氏に、今後の維新について話を聞きました。
馬場新代表について街の人にアンケートを取りました。
「『日本維新の会』新代表は誰か知っている?」と聞いたところ、56人中16人が「知っている」、56人中40人が「知らない」という結果になりました。
イメージについては、「強面(こわもて)」、「親しみやすい」「松井さん推し」などといった声が上がりましたが、そもそも「イメージがない」と答えた人は56人中38人でした。
――Q:この結果、ご覧になっていかがですか?
【馬場新代表】
「ショックですね…強面はよく言われるので慣れてますけど。親しみやすい、近所のおっちゃんという感じは、多くの人が持っておられると思います」
馬場新代表は堺市出身の57歳。高校卒業後、大手レストランチェーンのファミリーレストランのロイヤルホストの厨房でコックを経験した後、政治家の秘書に転身、堺市議(19年)、衆議院議員(4期目)というキャリアをお持ちです。
高校ではラグビー部。吉村共同代表や橋下さんもそうですが、“維新”にはラグビー経験者が多いですね。
性格は「8番キャッチャー」、いわゆる“縁の下の力持ち”で、現在の夢は「総理大臣」と公言されています。
――Q:ご実家が飲食店でコックの道に進まれたとのことですが、なぜ政治家秘書になられたんですか?
「若いころは青年実業家を目指していました。実家もですが食べ物商売系の親戚が多くて、飲食関係の商売をしようと。まず現場でキャベツでも切れないとな、ということで。その後は社会勉強をしなければと秘書になりました。立候補するまで、政治家になるつもりはなかったです」
――Q:「8番キャッチャー」の性格のままで総理大臣を目指す、ということですが…
「8番キャッチャーに向いてる人間が4番ピッチャーを目指すとおかしくなるので」
――Q:尊敬する現役政治家は菅義偉前首相とのことですが、なぜですか?
「歩んでこられた道が割と似ているんです。菅前首相も地方議員から国会議員になってと。そういう意味で尊敬すべき大先輩です」
――Q:首相になっていくプロセスもご覧になって、参考にされるところはありますか?
「8番キャッチャーから変わらんことです。自分は自分らしくやると」
■馬場代表に一問一答
ここからは一問一答です。
答えにくい質問もあると思いますが、〇か×で率直に答えていただきます。
【第1問】松井さん不在は正直不安?→○
「やっぱり創業者ですからね。創業者がいなくなると。完全に枯れて、周りから『もう辞めろよ』と言われるレベルに達していたら、『はいさようなら』という感じなんでしょうけど。松井前代表は僕と1歳しか変わらないのに『やり切った』と言い残して去っていくのは、非常に不安ですよね」
【第2問】「体育会系」な党イメージは変えられる?→×
「ラグビー部出身、まだまだいるんです。DNAはそう簡単に変わりません。肉食系の男がモテる時代が来ますよ」
【第3問】野党として…自民とはちゃんと向き合える?→○
――Q:松井前代表の時は、菅前首相、安倍元首相ら自民・政権との太いパイプが注目されていました。馬場新代表は取材で「地ならししたのは俺やで!」と言われたそうですが、松井前代表と菅前首相らの関係のことですか?
「政治の世界は官僚も関わっていますから、何でもかんでもトップダウンではできない。安倍さんや菅さんから指示が下りた時に、ある程度の受け皿がないと、『何やその話!今急に聞きました、無理です』と断り文句にもなるんですね。土俵づくりをある程度こなしておくと、『その話は聞いています。今こういう状況です。もっと加速して、予算つけて』と言える」
【第4問】旧統一教会との関係は仕方がなかった?→○
――Q:「日本維新の会」は、15人がイベントに出席するなどの関わりがあったことを公表されています。馬場新代表は、旧統一教会の新聞『世界日報』に5年で3回登場されているということですが、「関係は仕方がなかった」というのは?
「正直に言って、うちの事務所の調査能力が低いということになります。『世界日報』というのはいろんな大物政治家がインタビューに答えていて、それを持ってこられるんですね。『過去にはこういう方が…』と。『こんな立派な方がインタビューに応じておられるんであれば大丈夫だろう』という安易な気持ちがあったのは事実だと思います」
――Q:「仕方がなかった」ということであれば、今後同じようなことが起こり得るのでしょうか?
「今後、イベントの出席も含めて、お付き合いをすることは一切ないと思います」
――Q:同程度の付き合いの方は、自民党にも相当数いると思います。そういった議員は糾弾の対象にはならないということですか?自民党との付き合い方が難しいと思うのですが…
「自民党はやっと調査をやり出したところで。きちっと調査して、結果を公表して。うちはもうそれをやっています。自民党は今後、議員に対して、旧統一教会との関係を『こうしなさい』と指導すべきだと思います。今は三々五々、好きなようにやっているから『コントロールできません、知りません』と。それじゃ厳しいと思います」
【第5問】統一地方選での目標、達成しなかったら責任取る?→○
――Q:2025年までに行われる衆院選で野党第1党を目指すためにも、2023年4月に行われる統一地方選で、地方議員を1.5倍の600人にする目標を掲げておられます。達成しなかったら責任を取る、というのは?
「現在地方議員は400人いますが、うち250人が大阪なんですね。大阪では飽和状態になっている。残り150人の大阪以外の地方議員を増やす。増えなければ国政で勝つことは難しい。進む道を変えなければ野党第1党になるのは無理なので、そこで責任を取って、新しい方に新しい道を探していただくと」
――Q:600人に達しなければ辞任、ぐらいの覚悟ですか?
「そういうことですね」
【第6問】「憲法改正」は、自分の力で進める?→○
――Q:自民党の「憲法草案」には、旧統一教会の似通った部分があると言われています。「国民としては『立案過程で関与はなかったのか』と追及してほしい」「うやむやなままで憲法改正を進めるのか」といった声もあると思いますが、いかがですか?
「それは自民党の話なので。うちは7年ほど前に憲法改正項目を決めて公表していますから。このままの状況であれば、自民党を他の野党と一緒に追及することにはなると思います」
(関西テレビ「報道ランナー」2022年8月29日放送)