世界初・人を乗せて4本の足で歩くロボット「SR-02」を開発した大阪の会社 目的は「世界にない遊具を作る」こと 大阪・関西万博での活躍に向けて膨らむ期待 2022年12月16日
ジェットコースターなどを手掛ける大阪の企業が、世界初の“夢のある遊具”を開発しました。
■世界初 人が乗れる4足歩行ロボ
大阪に本社がある「三精テクノロジーズ」。 1970年の大阪万博で話題となった日本初の「動く歩道」や、日本を代表する数々の劇場や舞台の装置などを手掛けてきました。
日本初のジェットコースターに、三重県にあるナガシマスパーランドの絶叫マシン「白鯨」の制作も担っています。
そんな会社が、最近誕生させたのが…
――Q:新たに開発したものがあると聞いたんですが…
【三精テクノロジーズ 最高技術責任者 宮崎和也さん】
「はい、こちらでございます。当社が世界で初めて開発した、4人乗りの4足歩行ロボット『SR-02(エスアール・ゼロツー)』になります」
世界初・4人を乗せて4本の足で歩くロボット「SR-02」です。
【三精テクノロジーズ 最高技術責任者 宮崎和也さん】
「顔がかわいいじゃないですか。このデザインができてから、個人的に愛着が…『コイツ』とか呼ぶようになりました」
世界にない遊具を作りたい!と始まった挑戦で、設計や組み立て、動作の調整を何度も行い、2年以上の歳月をかけて完成させました。
■記者が試乗! 乗り心地は?
はしごを使って搭乗すると、ロボットが足を伸ばして高さが上昇。4本の足を動かして、ゆっくり慎重に進みます。
長さ3.6メートル、高さは、足を伸ばした状態で約2.7メートルと、かなりの巨体。開発に最も苦労したのは、“股関節”だそう。
【三精テクノロジーズ 最高技術責任者 宮崎和也さん】
「丸く見える部分、これを我々は『関節』と呼んでいて。ここの自由度を与えることで、非常に小さな半径、ほぼその場で方向を変えることができるというところ。この股関節が一番苦労した」
このロボットはバッテリーで動いていて、コントローラーで操縦します。最高速度は分速9メートルと、象よりもゆっくり。今は生まれたばかりでヨチヨチ歩きですが、こんな特徴も…
【三精テクノロジーズ 最高技術責任者 宮崎和也さん】
「遊具ということであれば、『乗ってて楽しい』と。ある程度の揺れとか傾きを、ただ歩くだけじゃなくて表現したいなということで。波打つような動作とか前後に動くような動作とか、そういったものも加えて、動作にいろんなこだわりを持たせるということをしております」
今は、人が試乗できるところまでたどりついた段階。商品化には制御のための安全装置など、技術的に改善する余地は残るといいますが、将来目指すのは…
【三精テクノロジーズ 最高技術責任者 宮崎和也さん】
「例えばゲーム的な要素、バトルゲームのようなものとかレースとか、乗る以外に『見せる』とか、『演じる』ということも可能なんじゃないかと、いろんなイベントに花を添えるとか。応援ができるかもしれないし、踊ることができるかもしれない」
前回の大阪万博でも、当時最新鋭のジェットコースターを手がけた三精テクノロジーズ。2025年の大阪・関西万博に向けて期待が高まります。
「みんなを笑顔にしたい」という思いが込められた、人を乗せて4本の足で歩くロボット。3年後の大阪・関西万博で、笑顔の輪の中心にいるかもしれません。
(関西テレビ「報道ランナー」2022年12月16日放送)