京都市で大学生・濱野日菜子さん(当時21)が殺害された事件で、逮捕された宮本一希容疑者(37)は、毒性の強い「タリウム」を浜野さんに飲ませた疑いが持たれています。
■少量でも死に至る…非常に毒性が強い「タリウム」
毒性学を研究する大阪大学の東阪准教授は、「タリウム」について、法律では「劇物」に指定されていて、非常に毒性が強く、少量でも死に至ることもあると話します。
【毒性学を研究する大阪大学東阪和馬准教授】
「成人ですと、1グラムくらいで致死性を示すと言われている。(接種後の)急性中毒症状としては胃が痛くなったりとか、神経痛が出てきたり」
また、タリウムは無味無臭で水に溶けやすい特徴があり混入しても気付かないのではないかと指摘します。
【毒性学を研究する大阪大学東阪和馬准教授】
「例えば、塩だとひとつまみくらいとると1グラムと言われていますし。匂いはないですし、色もないと言われているので、(飲料に入れられると)なかなか気づきにくい」
タリウムが使われる事件は過去にも起きています。2015年、名古屋大学の学生が、同級生二人に硫酸タリウムを飲ませたとして逮捕されその際、タリウムを薬局で購入していたことが注目されました。
■「一般の人が簡単に手に入れられるものではない」
以前はねずみなどを駆除する殺鼠剤や農薬などにも使われていましたが、今では規制が厳しくなり、簡単に手に入れられるものではないということです。
【毒性学を研究する大阪大学東阪和馬准教授】
「我々研究者とか、企業が研究・開発レベルで手に入れる。購入して扱うもので、一般の方が薬局とかドラッグストア、ホームセンターで購入することは難しい」。
劇物に指定され、一般での購入が難しいと言われる「タリウム」、宮本容疑者はいったい、どこで入手したのでしょうか。入手経路や逮捕に至った経緯について、この事件を取材している大阪府警記者クラブ・東記者から最新情報です。
【関西テレビ 東和香奈記者】
警察によると、2人で飲食している時や、帰宅して自宅に入る時に、濱野さんの体調に異変がみられなかったことや、専門家の所見などから、濱野さんの自宅で2人が飲食している時間帯にタリウムが混入されたとみています。
自宅付近の防犯カメラなどから宮本容疑者以外の第三者の関与はなく、濱野さんに自殺する動機もないことから警察は宮本容疑者しかタリウムを混入できる人物はいないとして逮捕に踏み切りました。
しかし最大の焦点である、タリウムの入手経路はまだわかっていません。警察は、宮本容疑者の自宅や親族の自宅を家宅捜索していて、どのようにタリウムを入手したのか入手経路を調べています。