先日の統一地方選で、東京・北区議会議員選挙に日本維新の会から立候補した佐藤古都さん(35)。選挙期間中に出産し、リモートでの選挙活動でありながら2位候補に大差をつけてトップ当選を果たしました。出産することが分かっていても出馬を決意した理由や、今後の議員活動と育児の両立などについてご本人に伺いました。
■過去2回の都議選で落選も…今回はトップ当選
佐藤さん大変な中、ご出演いただき有難うございます。出産から10日ほど経ちましたが、体調はいかがですか?
【東京・北区議会選初当選・佐藤古都さん】
「まだ本調子ではないかな…と思いつつ、身体を休めつつではあるのですがやっています」
お子さんは今、どうしているのでしょうか?
【東京・北区議会選初当選・佐藤古都さん】
「今リビングで寝ています(Q:旦那さんが何か育てているとか…?)夫が育休中で、GW明けくらいまではお休み予定です」
佐藤古都さんは1988年生まれで、静岡県浜松市出身です。アイルランドのダブリン大学心理学部を卒業され、日本に帰国して広告代理店で勤務した後、福祉事業に携わり、2016年には第一子を出産されています。
政治活動では、2020年、2021年の都議選で落選していますが、今回の東京都北区議選では、選挙中に第二子を出産しトップ当選を果たしました。
過去2回の都議選では維新から出馬して落選されていますが、今回の区議会議員選挙での勝因、それもトップ当選の要因を佐藤さんご自身はどう分析されていますか?
【東京・北区議会選初当選・佐藤古都さん】
「そうですね、今回の区議会議員選挙、その前の都議会議員の補欠選挙から『ずっと応援しているよ』という声を頂いたりして」
佐藤さんの選挙活動は話題にもなったと思いますし、その辺りはどうでしょう、票につながった実感はありますか?
【東京・北区議会選初当選・佐藤古都さん】
「私自身はもう本当に街頭に立つことは初日以降は、ほぼできずっていう状況だったのですが、私の代わりに街頭に立ってくれた夫だったり、ボランティアのメンバーから『出産したんでしょう、お子さんは男の子?女の子?』みたいな声を掛けていただいたみたいで、注目をして頂いた点もあったかもしれません」
■私たちの世代はどうしてもコントロールできない部分がある…
ここで視聴者からLINE質問が来ています。
Q:妊娠・出産の中、立候補して当選。そこまで佐藤さんを突き動かしたものは何ですか
【東京・北区議会選初当選・佐藤古都さん】
「もともと議員を目指すキッカケが長女の”保活”だったんです。当時も『少子化が問題』と言われていて、その一方で『女性はもっと活躍してもらわないと』とも。
ただ、本当に働きながら子育てをしたいと思った時には保活がすごく大変でした。それって”当事者の視点”が欠けているからだなっていうのを感じていて、そんな中で議員の道を志したところがありました。
今回は出産の時期が選挙と重なったんですけれども、私たちの世代って、正直どこかで重なるものだと思うんです。どうしても”コントロールできない部分”があるので。そういった時でもやっぱり政治に参画したいと思いました。そんな中でも挑戦できる社会であってほしいですし、維新もそういう政党だと思いました」
今の選挙制度で、女性が出馬する難しさについて、維新の馬場代表は選挙前にこのような発言をしています。
「私自身も365日24時間、常に選挙を考えて政治活動をしている。それを受け入れて実行できる女性はかなり少ないと思う」
なかなか女性が政治参加できない中で、キャリアアップを考えていかざるを得ないということなんですよね。吉村さんの演説なども力になったと思いますが、その辺りはどうでしたか?
【東京・北区議会選初当選・佐藤古都さん】
「私自身も今回、妊娠・出産と重なるけれども挑戦しよう…と思いながらも、色んな批判の声があるだろうなと思っていました。ただ、吉村代表も会見でお話して下さったり、応援演説の中でも何度も私の話を取り上げて頂いて、街頭の反応もすごく温かかったという事を聞いて、それがすごく嬉しかったです」
■5月からはいよいよ議員活動がスタート 育児との両立どうする?
佐藤さんは出産から間もない中で、議員活動と子育てをどう両立させていくのか気になるのですが、来週からは議員活動もスタートします。
5月1日には当選した区議の顔合わせがあり、5月23日からは臨時本会議、6月からは定例会や委員会なども開かれる予定です。佐藤さんは、どういうカタチで出席しようと考えていますか?
【東京・北区議会選初当選・佐藤古都さん】
「区議の顔合わせは初日ですし、短時間と聞いているので体調次第で参加したいですね。大阪ではオンライン議会も進んでいるようですが、東京都北区では、まだどこまでできるかが分かりません。来月から私の任期が始まるので、議員・役所のみなさまと一緒にやっていけたらと思います」
LINEでこんな質問もきました。
Q:子どもが落ち着いてから議員になってもよかったのでは?
【東京・北区議会選初当選・佐藤古都さん】
「そうですね。先ほどもお話ししましたように、私は”保活”がキッカケで議員を志しました。”喉元を過ぎると…”ではないですが、子どもが落ち着いてからでは、課題を忘れがちになることもあるかと。
今の自分は”当事者”だから、大変だからこそ、分かる部分もあると思います。それにもし4年後に『3人目が欲しい』と思って、その時に議員になりたいと思ったら…結局”落ち着く”って、いつなのかと…」
選挙期間中に出産した議員の誕生は、日本の選挙制度や議員活動の在り方を見直すキッカケになるのでしょうか?佐藤議員のこれからの活動に注目です。
(関西テレビ「newsランナー」4月27日放送)