京都市で環境保全に貢献した人に贈られる京都環境賞の大賞を受賞した、すごい中学生がいます。「絶滅寸前の生き物が増えている」と訴える中学2年生の吉武さん。生き物を守る彼の活動を取材しました。
■中学生が訴える「絶滅寸前の生き物が増えている」
京都・鴨川。網で魚をすくう中学生の姿がありました。
【吉武諒人さん】
「(網の中に)入りました、入りました、カワヨシノボリ。おお!やった!スナヤツメっていう魚で絶滅危惧Ⅱ類に指定されている。捕れてよかった~」
吉武諒人さん、中学2年生。ただの魚好きではありません。
【吉武諒人さん】
「カワムツ、タカハヤ、元々は絶滅危惧種とか知らなくて、ずっと小さい頃から、ただただ生き物が好きだっただけなんですけど、そうやって生き物の事を考えていく中で、減っていっているっていうのを知っていって、守りたいと思って活動するようになったって感じです」
吉武さんは、2022年、京都市で環境保全に貢献した人に贈られる京都環境賞の大賞を受賞した、すごい中学生。
そんな吉武さんの家には当然…水槽がいっぱい。
【吉武諒人さん】
「イチモンジタナゴっていう絶滅危惧種のタナゴっていう魚の仲間で、この魚は巣を集団で襲ってそこに卵を産みつけて守らせるっていう、口から砂とエサを一緒に取ってエラから砂だけを吐き出す。これはホトケドジョウっていうドジョウです。これも絶滅危惧種です」
一度、魚の話を始めると、解説がとまりません。
【吉武諒人さん】
「いやもう、全部かわいいです。いやもう、顔もかわいいし、おひげもかわいいし、なんかもう色々かわいいです」
■大好きな魚たちを“守る”活動
大好きな魚たちを守りたい…そんな吉武さんが、京都環境賞に選ばれた理由が…
【吉武諒人さん】
「2022年の春ごろにクラウドファウンディングをしまして」
吉武さんが描いた絶滅危惧種の缶バッジや文房具を返礼品にしたところ、113人が賛同。
なんと!53万円も集め、このお金は自然保護団体に寄付しました。
さらに、吉武さんは、ユーチューブに動画を投稿し、生き物の魅力や今抱える環境問題について発信しています。
【吉武諒人さん】
「生き物の面白さとかを知ってもらいたい。それから、今地球で起こっている環境問題とか、あとは、なんで生き物が減少してしまっているかとか、そういうことも知ってもらいたい。そこから生き物を守りたいって思ってもらいたい。で、特にその生き物が『こういう面白い所があるから、これはずっといて欲しいよね』とか、『こういう環境問題があるから、こういうのはよくないよね』とか、そういうことを思ってほしいなと思ってやっています」
■生き物を観察するため鴨川へ向かうのが日課
吉武さんは放課後に週2、3回、生き物を観察するため、鴨川へ向かうのが日課です。
【吉武諒人さん】
「おおー!よかったです、これ。オオシマドジョウ。日本最大のシマドジョウ。模様がめっちゃキレイです。おお!やった!これ、スナヤツメっていう魚で絶滅危惧Ⅱ類に指定されている、これ目が2つしかないんですけど、横から見るとえら穴7つあるのが、目が8つあるようにみえるからスナヤツメって言われています」
【吉武諒人さん】
「この鴨川って結構まだ自然は残っているんだなって思いますし、こういうのが残って欲しなって思います。僕も魚いなくなると困るんで」
生き物を“守りたい、魅力を伝えたい”吉武さんの発信は今後も続きます。
(関西テレビ「newsランナー」 5月24日放送)