様々な業界から「人手が足りない!」という声が上がっていますが…国を守る自衛隊も、同じ状況に陥っています。特に若い人材が必要で、この夏、自衛隊は積極的なリクルート活動を展開しています。
■この夏は積極的なリクルート活動を展開中「自衛隊」
夏休み初日、神戸三宮のセンター街にちんどん屋を引き連れて現れたのは、国を守る自衛隊の隊員たちです。
【リクルート活動中の自衛官】
「自衛官募集キャンペーンやってま~す」
リクルート活動の一環として、陸・海・空すべての自衛隊がこの夏、全国の街でこうしたキャンペーンを行っているのです。
若い人を見つけて、ティッシュを配ろうとしますが…
【リクルート活動中の自衛官】
「あ、みんな道を避けていく…。逃げられちゃった」
自衛隊が、必死に採用活動に取り組む理由…それは、人員不足です。
■志願者は減少傾向 「定員」に1万9千人足りていない状況
防衛白書によると、自衛官は全国に、22万7843人います。ただ、定員は24万7154人で、およそ1万9千人人員が足りていないことになります。
志願者の数を見てみると‥‥年々、減少傾向となっていて、日本の防衛力にも影響が出かねない現状となっているのです。
【兵庫地方協力本部 宮崎紀彦本部長】
「社会全般がですね、少子化でそもそもパイが少なくなってきている」
Q.防衛力に響くということですか?
「はい」
海上自衛隊出身の専門家も、自衛官が足りていない現状に懸念を示します。
【元海将・金沢工業大学 伊藤俊幸教授】
「本来の定員のおそらく1割から2割足らないと思います。現状の”平時”における状態はどうかって言われたら、何とかやっています。ただ、いざ有事となった時に、本当にこのままで大丈夫かっていうことなんだと思うんですね」
人材を必要とする自衛隊ですが若者からは、こんな声が…
Q.自衛隊員になってみるのはどうですか?
【高校生】
「いや〜ちょっと厳しいかな。そこまでの責任感っていうのは…」
【高校生】
「体力しんどそうです!」
【自衛官】
「しんどくないです」
そんな自衛隊のイメージを変えようと始まったのが、今回のリクルート活動です。
この日はインスタライブを駆使して呼びかけました。
【自衛官】
「初めまして~、私は広報係の大金3曹です。きょうは”ビッグマネー”と呼んでもらえたら嬉しいです」
この日は、若者がよく利用するSNSで生配信をしてアプローチを試みました。
【大金加奈3等陸曹】
「熊本地震で、初めて災害派遣に携わることができました。わたしは阪神淡路大震災を経験した最後の世代で被災者。一時、自衛隊にもお世話になっていたんですけど、自衛隊に入ってその恩返しをしたいと思っていました」
30分間の生配信で、最大15人ほどが、視聴したようです。
【大金加奈3等陸曹】
「ありがとうございました~、緊張しました~」
さらに、若者に向けて、自衛隊をPRするグッズも作りました。
Q.どういうきっかけで入ったんですか?
【西垣修陸曹長】
「自衛隊の車とか身近に触れて、そこで戦車とか乗ってみたいなって感じまして。で、帰りにこういうお土産みたいなのもらって、それ未だに家にあるんですけど。それが自衛隊はいるきっかけになりましたね」
自衛官に志願してもらうことが最終目標ですが、まずは、多くの人に、自衛隊の活動を知ってもらうことが第一歩だということです。
自衛隊どんなイメージがあるか、待の若者に聞いてみました。
【女子高生】
「強い、かっこいい、かっこいい」
【大金加奈3等陸曹】
「ありがとうございます~ 私、正直強く見えます?」
【女子高生】
「え?自衛隊なんですか?」
【大金加奈3等陸曹】
「私、陸上自衛官で10年目なんです~」
【女子高生】
「えっ、えっ、うそー!」
【大金加奈3等陸曹】
「事務仕事とか、キャビンアテンダントの仕事とかも自衛隊の中にはあって、看護師さんとか。国家公務員だから女性のキャリア的にめっちゃいいんです。フフフ♪」
【女子高生】
「色んな事やってるって聞いてすごいなって思いました、身近なものに感じた」
【大学生】
「公務員とかなろうかなって思ってたんで。自衛官とか消防士とか興味あったっすね。就職に考えようかなと。ありがとうございます」
自衛隊は、8月の間にコンサートや採用説明会などを開催し、リクルート活動に力を入れていくということです。
(関西テレビ「newsランナー」8月16日放送)