10月7日からは3連休。どこかにお出かけする人も多いのはないでしょうか。 ただ、ちょっと不安なのが観光客が増えすぎることで起きる「オーバーツーリズム」の問題です。秋の観光シーズンを迎えた京都では、この問題を解消するため、様々な社会実験が始まっています。
10月6日の嵐山。平日でも大勢の外国人観光客がいて、まるで海外に来たかのような光景です。
京の台所「錦市場」でも外国人観光客の姿が多く、にぎわっています。
【ドイツからの観光客】
「最高ね、大好きよ」
【フィリピンとオーストラリアからの観光客】
「日本大好きです」
「丁寧で交通機関も整ってる。なんといっても日本食が好き」
【串焼き店 店主】
「増えたっていうのは、今年入ってからですかね。飲食店としてはうれしい、ありがたい」
‐Q:明日から混雑?
「ハードになるかなと思ってます」
さらなる混雑が予想される7日からの3連休、心配なのが観光客が増えすぎることで起きるいわゆる「オーバーツーリズム」の問題です。
外国人観光客が戻って以降、京都駅ではバスやタクシーを待つ長蛇の列が出来ています。
【記者リポート】
「清水寺行きの市バスの待ち列ですが、どんどん長くなってきました。大きなスーツケースを抱えた観光客もチラホラ見かけられます」
大きな荷物を持って乗車すると車内が混み合うため、京都市は「手ぶらでの観光」を呼びかけていますが、荷物を預けようにもコインロッカーが埋まっていることもあります。
■オーバーツーリズムの課題解決に向けた2つの取り組み
こうした課題の解消に向け3連休を前に、2つの社会実験が始まりました。
1つ目が複数のグループが乗り合って目的地へ向かう「乗り合いタクシー」です。最大で9人が一度に乗ることができ、大人1人2000円(小学生以下1000円)で京都駅から金閣寺まで運行します。 タクシー待ちの時間が短縮されるだけでなく、1人で使うと通常4000円近くかかる料金が、このタクシーを使うことで2000円ほどお得になるという狙いも。
2つ目は、6日から新たに始まった日本初の試みとなります。
【記者リポート】
「この大きな荷物はタクシーに預けて手ぶらで観光ができるというサービスです!」
運賃にプラスして、降りた先からホテルまでの輸送料金を支払うと、ホテルまで荷物を送り届けてくれるという仕組みです。 例えば、京都駅から二条城に向かった場合、二条城までの運賃1800円と、二条城から西院にあるホテルまでの料金2900円の合計4700円で荷物を送り届けてくれます。 ※荷物の個数制限はなし
【キャビック 兼元秀和社長】
「預けるにしてもなかなか空いているロッカーがない問題もありますし、荷物がたくさんあってバスに乗ると非常に混み合ってて乗れないとか。タクシーができることはタクシーがやっていくということで考えた解決策です」
■有名な観光地以外にも京都には観光スポットがいっぱい
オーバーツーリズム解消のための作戦は他にもあります。京都市が掲げるのは観光客の「分散」です。 リアルタイムの混雑状況を発信するため、2021年4月から主要観光地のライブカメラの配信を開始しました。この映像を見て、混雑している「時間」を避けて観光してもらうという狙いです。 さらに、京都市では中心地から離れた6つのエリアの魅力を積極的に発信することで、有名な観光地に以外にも人が「分散」されることを目指しています。
では一体、この6つのエリアはどんな魅力があるのでしょうか?京都観光のプロフェッショナルである京都市観光協会の古川さんに、聞きました。
西のエリアから順番にご紹介します。
・京北エリアは、自然が豊かで、京野菜や川魚などのグルメが楽しめます。
・高雄エリアは、美しい清滝川や文化財に指定されるお寺が立ち並びます。
・西京エリアは、嵐山から近く自転車で散策することができます。
続いて、東のエリアですが、
・大原エリアは、青もみじや紅葉などの景色が楽しめます。
・山科エリアは、清水焼など伝統産業に触れられます。
・伏見エリアは、醍醐寺や伏見稲荷大社など人気スポットがあります。
「周辺エリア」の魅力は?
【京都市観光協会 古川さん】
「中心部と違って自然が豊かで歴史的建造物もたくさんあります。京都ならではのグルメも豊富な地域です。また中心部から公共交通機関での移動も簡単で行きやすいということで選定されています」
そして、大事なポイントは… 「まずは市内中心部の有名な観光地に比べて圧倒的に空いていることです」
空いているからこそ、旅の醍醐味である地元の人とのコミュニケーションも密にとれたりする?
【京都市観光協会 古川さん】
「中心部だとお店、お寺、神社も混んでいるので中々コミュニケーションは取れないんですけども、郊外ではゆったりと観光していただけますので、ゆったりとお客様をお迎えさせていただいて、人と人のふれあいが取りやすい、地元ならではの楽しみ方ができると思います。また観光客が来ることで観光に対しての機運も高まり、モチベーションも上がります。買い物や食事など経済効果も期待できます」
この「分散化」についてnewsランナーコメンテーターの京都大学 藤井聡教授は「一番効果があるのは、中心部にプライシングする(お金をかける)と、おのずと需要が中心部から周辺部に分散化され、その入ってきた予算で様々な観光、公害対策、オーバーツーリズム対策ができる」と話します。
■京都市中心部“以外”のこの3連休おすすめ観光スポット
プロがオススメ!この3連休の穴場観光地ということで、古川さんにオススメしてもらいたいと思います!
・伏見エリアの三栖神社 日曜(10月8日)のたいまつ祭り
【京都市観光協会 古川さん】
「伏見の京阪電車の中書島駅のすぐ近くにある三栖神社で秋祭りが開催されます。たいまつ祭りといい、直径1メートル以上のたいまつに火をつけて大人数で担ぎ巡行するという祭りです。迫力がすごいです」
・西京エリアにあるフジバカマ園
【京都市観光協会 古川さん】
「1998年に野生種を発見して以来、地元の人が大切に育てて毎年開園している花の庭です。フジバカマは準絶滅危惧種に指定されている、貴重な花です。フジバカマと花の蜜を求めてやってくる、アサギマダラという蝶々と花を一緒に写真に収めるのが人気です。」
‐Q.フジバカマ園周辺には、他に見どころはありますか?
【京都市観光協会 古川さん】
「フジバカマ園は大原野という場所にあり、すぐ近くにこの辺りの氏神さまの『大原野神社』という神社があります。紫式部の氏神として有名です。この時期限定のフジバカマ御朱印やハーブのようなフジバカマの匂いが楽しめる匂い袋なんかも売られています」
‐Q.フジバカマは、いつ頃まで見られるのでしょうか?
【京都市観光協会 古川さん】
「このフジバカマ園は8日の日曜まで開園しています」
嵐山が近いので混んでいる時間帯は、フジバカマを見に来て、嵐山が空いてきたら、そっちに移動するなど、うまく回り方がありそうですね。 3連休、京都に行きたいけど、人込みを避けたいという人は、こういった穴場に注目してみてはいかがでしょうか。
(関西テレビ「newsランナー」 2023年10月6日放送)