奈良市の小学校で、いじめを受けた女子児童が書いた自殺をほのめかす文章に、担任が花丸をつけるなどした問題。
奈良市教育委員会は19日、いじめの調査報告書を公表し、学校側の対応については「組織的な対応をすることができていなかった」と指摘しました。
【奈良市教育委員会 久保田浩司課長】「学校および教育委員会事務局が連携して、組織的に対応し、さらなる調査を提案するなど、正確な事実の確認を行うべき事案であった」
19日に公表された、奈良市の市立小学校で起きたいじめの調査報告書。2021年から2022年にかけて女子児童が受けた同級生に足を蹴られる、鉛筆で背中を突かれるなど、全12の事案について「いじめ行為」と認定しました。
この問題をめぐっては、被害児童の自殺をほのめかす文章を書いたノートに、担任の教師が花丸をつけ、「You can do it」とコメントして返却していました。 調査報告書では花丸をつけたことや、文章の内容を保護者や校長などと共有しなかったことについて「不適切である」と指摘しました。 2022年2月には被害児童の保護者が学校に、暴力を受けたと訴えましたが、学校側は、相手児童が蹴ったことを否定したことなどから、詳しい調査を行いませんでした。
【被害児童の保護者】「学校は警察じゃないと。調査もされずに、いじめの認知もされずに、ずっとのらりくらりと不誠実な対応をされ続けてきた」
その後、保護者側からの要請を受けて学校側がいじめの重大事態として調査し始めたのは2022年11月でした。
調査報告書では学校側の対応について「組織的な対応をすることができていなかったのは明らかである」と指摘しています。
【代理人 三橋和史弁護士】「組織として対応することができなかった、いじめを認知できなかった、重大事態を認定してこなかった。市教育委員会、県教育委員会全体の質の底上げを図っていかなければならない」
被害児童の保護者は「調査報告書が取りまとめられたことで、一定の区切りを迎えたものと考えています」とコメントしています。
(関西テレビ「newsランナー」 2023年12月19日放送)