今回、岸田首相が初めて出席した政治倫理審査会ですが、二階派の武田元総務大臣への質問が行われました、鈴木記者に伝えてもらいます。
【関西テレビ東京駐在 鈴木祐輔記者】「武田元総務大臣は、二階派の事務総長を務めていた幹部で、二階派の政治資金について何を語るのか注目されていました。武田元総務大臣は『パーティー収入を裏金処理するつもりも、私的流用するつもりもない。どうか信じていただきたい』と述べました。また二階元幹事長の指示があったかどうかについては、『二階代議士はまぎれもなく志帥会の象徴。事務や経理には関わることなく、事務局長に任せていた。説明責任があるのは私だ』と二階元幹事長を守るかのような答えをしていました」
Q.今回初めて現職の岸田首相が出席し質疑に応じましたが、これに対し与野党からはどんな声があがっているのでしょうか?
【関西テレビ東京駐在 鈴木祐輔記者】「『もともと期待していなかった』とは言え、野党からは厳しい声が相次いでいます。『自民党のせいでこうなったという反省が全くない。ひとごとだ』『やはりポーズだけだった。あす3/1の予算委員会なんて到底無理だろう』と散々な言われようです。日本維新の会では馬場代表が取材に応じて『岸田首相は野田さんに詰め寄られタジタジだった』と感想を語りました。また自民党の議員からも『聞きたかったのは安倍派の話だ。これで国民の理解が得られるのか…』と懐疑的な声が聞かれました。あす3月1日は「本丸」である安倍派の質疑があります」
岸田首相の説明を改めて見ていきましょう。
立憲民主から質問に立ったのは野田元首相でした。2人は26日の衆議院予算委員会で対峙していますので、再戦という形となりました。
野田元首相からは裏金問題の議員に対して「党の処分を考える時期に来ているのではないか」と質問がありましたが、岸田首相は「説明責任の果たし方、事実も踏まえながら党としての処分や政治責任も判断する」とし処分について明言はしませんでした。
続いて、日本維新の会から質問に立ったのは藤田文武幹事長です。
藤田幹事長からは「安倍派の裏金作りはいつから誰の指示で始まったか。安倍元首相がやめようとしたことも分かっているが実態は把握しているのか」との質問に対し、岸田首相は「ご指摘の点はハッキリした経緯や日時について確認できていない」と答えました。
岸田首相は以前「火の玉となって、自民党の先頭に立って取り組む」と話していましたが、真相が明らかになったとは言えません。政倫審は3月1日も行われますが、その出席メンバーは安倍派の4人です。
午前は西村前経済産業大臣、松野前官房長官、午後は塩谷元文部科学大臣、高木前国会対策委員長となります。安倍派の要職を務めていた4人だけに、その説明に注目が集まりますが、28日高木氏から不安な発言が聞かれました。その発言がこちらです。
【自民党安倍派・高木毅前国対委員長】(Q.3月1日の政倫審にどう臨む?)「どのように臨まれるというか、これまでも会見をやったり、ぶら下がりに応じたりしていましたので、それと同じような話になるんだろうと思います」
菊地弁護士、政治家が疑惑について説明する際には常套句のように「捜査に影響するので答弁を差し控える」と繰り返すことも多いですが、それでは国民は納得できませんよね?
【菊地幸夫弁護士】「この政治倫理審査会は、証人喚問と違って何もペナルティーがないんです。そういう意味では全く緊張感がありません。とにかく、自分の時間を過ぎてしまえば、もうこれでいいんだ…というような感じになってしまうのではないでしょうか。だから、あまり多くは期待できないですね。国民は全然納得しないと思います」
もし政倫審で説明が尽くされなかったと判断すると野党はどう動いていくのでしょうか?
【関西テレビ 神崎博解説デスク】「二階会長から直接話を聞きたいとなれば、次のステップがあると思います。今日は政倫審でしたが、次のステップとしては参考人招致とか証人喚問です。 参考人招致は出席を強制できないので、本人が拒否したら、次の『証人喚問』であれば強制出席もありますし、偽証罪にも問えるので重いものになります」
「ただ、この2つに出てもらおうと思うと、”自民党の合意”がないと進めません。ポイントは世論ですね。『今のこの説明では足りない、不十分だ、もっと話を聞きたい』と世論が盛り上がれば、自民党としても動かざるを得なくなるので、きょう明日の政倫審での説明を聞いて世論がどう動くか…ここが1つのポイントかなと思いますね」
3月1日の政倫審で、安倍派の要職を務めていた4人からどんな発言が出るのか注目されます。
(関西テレビ「newsランナー」 2024年2月29日放送)