「奇想の絵師」と呼ばれ、江戸時代を代表する画家伊藤若冲(じゃくちゅう)が描いた絵巻が新たに見つかり、報道陣に公開されました。
作品は、全長およそ3mの巨大な絵巻。 色とりどりの野菜や果物がおよそ40種類にわたり描かれています。
3月5日、京都市右京区の福田美術館で報道陣に公開されたのは、江戸時代を代表する画家伊藤若冲が1791年に76歳で描いた大作「果蔬図巻(かそずかん)」です。
この絵は、ヨーロッパの個人コレクターが所有していたもので、若冲の絵巻が見つかるのはこれで2作品目だということです。
伊藤若冲は、江戸時代中期に活躍した人気の絵師。
全長およそ400メートルの長さに個性豊かな店が軒を連ねる「京都の台所」錦市場の青物問屋に生まれ、動物や植物を美しい色彩で描写した作品を数多く残しました。
福田美術館の岡田秀之学芸課長は、「若冲は85歳で亡くなっていて、この絵を描いた後、10年ほど生きるんですが、晩年70代半ばの若冲がこれほど綺麗な極彩色を施した絵を描いていたんです。若冲の感覚の瑞々しさや、野菜に対する愛情、そういうものが感じられる作品だと思います」と語っています。