競泳・入江陵介選手が現役引退 北島康介さんからの「ご苦労さま」に涙止まらず 4大会連続五輪出場・ロンドンでメダル3つ獲得の日本競泳界のレジェンド 2024年04月04日
大阪市出身で、4大会連続でオリンピックに出場、ロンドンでは3つのメダルを獲得した、競泳の入江陵介選手(34)が、3日、現役引退を発表しました。
【入江陵介選手】「本当に長く競技人生を送ることができて、心から幸せだったなと感じました」
4大会連続でオリンピックに出場し、日本競泳会をけん引してきた入江選手。大阪市天王寺区出身で、近畿大学付属高校時代から頭角を現していました。
【入江陵介選手 高校3年生当時 2007年】「学校生活ちょっときついですけど、自分では頑張ってると思います」
近畿大学1年生のときには初めてのオリンピックに出場。2008年・北京オリンピックの200メートル背泳ぎで5位入賞を果たしました。 翌年には、背泳ぎの100メートルと200メートルで日本記録を樹立。15年たつ今も、この記録は破られていません。
■最も印象深いレースはロンドン五輪のメドレーリレー
そして、入江選手が最も印象深いレースだったと話すのが…
【入江陵介選手】「僕自身、一番覚えてるのはロンドンオリンピックのメドレーリレー」
入江選手にとって2回目のオリンピックとなった2012年・ロンドンオリンピック。200メートル背泳ぎと100メートル背泳ぎでメダルを獲得。最後に臨んだ、最終日の競泳男子400メートルメドレーリレーで、日本は銀メダルに!
【松田丈志さん 2012年】「部屋の3人で、『(北島)康介さんを手ぶらで帰すわけにはいかないぞ』って言って」
【入江陵介選手】「観客席を見たときに、日本人がみんな飛び跳ねて、泣いて喜んでくれた。あのシーンを今でも鮮明に覚えています。あの光景をもう一度見たいという気持ちをもって、今までやってこれたのかな」
その後も、2016年のリオデジャネイロオリンピック、2021年の東京オリンピックと、日本競泳界最多タイの4回のオリンピックを経験しました。
■パリオリンピック代表選考会 入江選手の出場はかなわず しかし後輩に大きな影響
そして、日本競泳界初の5大会連続オリンピックを目指し挑んだ、3月のパリオリンピック代表選考会。出場はかないませんでしたが、最後まで戦い抜いた入江選手の姿に、オリンピックに向かう後輩選手らは…
【パリオリンピック内定 鈴木聡美選手】「入江さんの泳ぎを見て、最後まで泳ぐ姿に心打たれて。『私もしっかり頑張らないと』という思いで」
【パリオリンピック内定 竹原秀一選手】「陵介さんの分まで、自分がこれからも引っ張っていくつもりで頑張りたいと思います」
【入江陵介選手】「やっぱりパリに行きたかったなという気持ちはいまだにありますね。できることはやりきった。すがすがしい気持ちで、最後泳ぐことができたので、『ここが最後だな』と終わった直後感じました。水泳がないのが、何か、うれしい気持ちもあるんですけど、寂しい気持ちもあるかなと思います」
■サプライズで北島康介さん「ご苦労さま」 入江選手「一番うれしい」
入江選手のあいさつの後、会見場に北島康介さんが登場。入江選手がずっと背中を追い続けてきた北島さんのサプライズに、思わず涙があふれました。
【北島康介さん】「本当に長い間、競技生活、ご苦労さまでした」
【入江陵介選手】「きのうLINEしたのに返ってこないなと思ったら」
【北島康介さん】「直接、言いたかったから」
【入江陵介選手】「ありがとうございます。一番うれしいです」
今後は後進の指導などにあたりたいと話す入江選手。バトンは次の世代にしっかり渡されました。
(関西テレビ「newsランナー」 2024年4月3日放送)