21年前のきょう、大阪府熊取町で小学4年生だった吉川友梨さんが行方不明になりました。手がかりを求め、大阪府警がことし新たに用意したのは30歳になった友梨さんの推定画です。
【記者リポート(2003年)】「友梨ちゃんは友達と4人でこの道を帰っていました。そして自宅から400メートル離れたこの交差点で友達3人は向かって左側の道に。そして友梨ちゃんは自宅のある右側の道へと二手に分かれたのです」
2003年5月20日、帰宅途中だった吉川友梨さんが何者かに連れ去られました。これまで投入された捜査員はのべ11万1300人。4月末時点5729件の情報が警察に寄せられましたが、未だ解決には至っていません。
【記者リポート】「事件から21年。小学4年生だった友梨ちゃんは、私と同じ30歳になります。警察は、”いまの友梨さん”の情報も探しています」
大阪府警はことし、新たな似顔絵を用意しました。「30歳の友梨さんはこんな女性かもしれない」という推定画です。この推定画作りで白羽の矢が立ったのは、群馬県警の科学捜査研究所で40年以上、捜査用の似顔絵を手がける緑川順さんでした。
緑川さんは、想像や経験だけでない客観的な根拠に基づいた推定画を作ろうと独自で研究しています。
【群馬県警科学捜査研究所 緑川順さん】「顔にはそれぞれ個性があるので、まずはその人の変わらない部分をしっかり把握しておかないと。顔の形・顔型分類がどういうものか、目・鼻の形態はどうか。遺伝的関係・両親との似ている部分がどこにあるかとかとか」
友梨さんについても分析を重ね、およそ1年かけて推定画を仕上げました。しかし、それが結果に結びつくのは、ほんの一握りだと話します。
【群馬県警科学捜査研究所 緑川順さん】「(顔の複製を)70件くらいやっていますけれど、純粋に効果があったのは3件。新聞広告を出して『うちの人じゃないか』と。効果率は高くないけれども、『こういう顔になっているかもしれません』と言えば、『そういえばそういう事件があったな』と一般の人が事件に目を向けてくれる。そこには意義があると思うんですよね」
20日、大阪・難波では友梨さんの両親や大阪府警らが新しくできたビラを手に情報提供を呼び掛けました。
【警察官】「いま大人になったらこんな顔になってるんちゃうかと」
【チラシを受け取った人】「胸が苦しいです。うちにも孫がいてますので」
【大阪府警本部 向山喜浩本部長】「事件と一見関係なさそうなことでも構いません。お寄せいただきますよう改めてお願いを申し上げます」
情報提供は電話のほか、メールでも受け付けています。
(関西テレビ「newsランナー」5月20日放送)