今やコンビニ、飲食店など、どこのお店でも当たり前のように導入されている「キャッシュレス決済」。
現金を持ち歩かずに、スマホ一台で簡単に支払いができる便利な機能ですが、実はことしからキャッシュレス決済を導入したのが…。
【熊野若王子神社 宮司 伊藤公一さん】「こちらが本殿になります。こちらが電子決済というものですね」
【秦令欧奈アナウンサー】「PayPay?お賽銭(さいせん)ですか?おさい銭をPayPayでできる。初めて見ました」
京都にある熊野若王子神社で、ことしから新たに導入されたのが、おさい銭のキャッシュレス決済です。
実はこのシステム、まだ全国でも導入されているのは8カ所のみ。関西では4カ所しかないという新たな試みなんです。
■実際にキャッシュレス賽銭を体験
【秦令欧奈アナウンサー】「どういった手順で参拝すればいいのですか?」
【熊野若王子神社 宮司 伊藤公一さん】「これは現金と同じで結構なんです。まずは鈴を鳴らして、神様にこっち向いてもらう。そのあとにPayPayをやってもらう」
QRコードを読むと、支払い決済画面が表示されました。
【秦令欧奈アナウンサー】「これで金額が打てます。じゃあラッキーセブン(7円)でもいいですか?いつもは5円なんですけど…」
金額を入力すると、画面には「お気持ちを送る」という表示が。 ♪「PayPay」♪
■キャッシュレス決済導入は「神様と皆さんをつなぎたい」
それにしても、現金でのおさい銭が当たり前のなか、なぜキャッシュレス決済を導入したのでしょうか?
【熊野若王子神社 宮司 伊藤公一さん】「私が元々東京におりまして、某商社で働いていました。東京では割と、パラパラとキャッシュレスのような形になっていた」
ビジネスマン時代、東京ではすでに導入され始めていたキャッシュレス決済に目をつけた伊藤さん。 宮司となった6年前、「お守りやおみくじなどの支払いをキャッシュレスにしたい」と、京都の神社で初めて導入。 そのときのご縁で、今回、おさい銭にもキャッシュレス決済を導入したんです。
【熊野若王子神社 宮司 伊藤公一さん】「小銭を持っていない方も多い。現金を持っている方も、持っていない方も、神様と皆さんをつなぎたかったんです」
そんな思いもあって導入した「キャッシュレスさい銭」は、本殿の横にたたずむ、商売の神様である恵比寿さまにも設置。さらに…。
【熊野若王子神社 宮司 伊藤公一さん】「なで牛さん。頭が良くなりますようにとか、腰が痛いのが治りますように(となでる)」
秦アナウンサーは「職業的に、しゃべりがうまくなりますように」と、なで牛の口を念入りになでました。
そして境内の外、山の急な斜面を上った森の中に2つのPayPay。
【秦令欧奈アナウンサー】「こちらにもPayPayのQRコードがありますね」
さらにおよそ10分、山道を登ると…。
【秦令央奈アナウンサー】「滝がある。あ、PayPayがこんな大自然の中に。一番ギャップのあるPayPayですね、これは」
この神社に設置された「キャッシュレスさい銭」は全部で8つ。それにしても、なぜ、これだけの数が必要なのでしょうか?
【熊野若王子神社 宮司 伊藤公一さん】「“御霊(みたま)”というんですけど、神様がそれぞれに宿っている。意味合いがそれぞれ違う」
■「おさい銭した気にならん」「あまりないので使わないと」参拝者はさまざまな反応
そんなキャッシュレスさい銭を、参拝者の皆さんはどう思っているのでしょうか?
(Q.きょうのお参りは現金?)
【参拝者】「キャッシュ(現金)です。(キャッシュレスは)どうやろね、あんまりええようには思わんけどね。おさい銭した気にならんでしょ、チャランといわん」
【参拝者】「将来的にはアリなのかも。おさい銭入れるときのバラって音が景気がいい。ああいうのが必要かも」
【参拝者】「PayPay使わせてもらった。あんまりないので、これは使わないといけないかな」
【参拝者】「お財布からチャリーンって」
【参拝者】「それはそれでありなのかな」
【熊野若王子神社 宮司 伊藤公一さん】「三が日で言いますと、約1000人ぐらいが参拝で来られましたが、約50人ぐらいが利用」
ことし初の試みは、仮に1人5円だったとしても、250円以上になる計算になり、「キャッシュレスさい銭」。 今後も見逃し厳禁(現金)ですね。
(関西テレビ「newsランナー」2025年1月10日放送)