兵庫県知事選で斎藤知事の陣営が、PR会社に報酬を支払い、SNS運用などを依頼したとして刑事告発された問題。
動画編集などの支援を申し出た神戸市議が、選挙前に「SNS監修はPR会社に依頼する」として、陣営に断られたことを明らかにしました。
去年行われた兵庫県知事選挙では、「斎藤知事のSNS運用など広報全般を請け負った」とネットに投稿したPR会社に、斎藤知事の陣営から71万5000円が支払われています。
斎藤知事とPR会社社長は、報酬の支払いが買収にあたるとして公職選挙法違反の疑いで刑事告発されました。
■斎藤知事陣営「SNS運用などはボランティアとして無償で行われた」と説明
陣営側はこれまで、報酬はポスター制作など法律で認められた範囲で支払ったもので、「SNS運用などはボランティアとして無償で行われた」と説明してきました。
一方で14日、神戸市の市議会議員は選挙前、陣営に動画編集などの支援を申し出たところ、「SNS監修はPR会社へ依頼した」と断られていたことを明らかにしました。
【上原みなみ神戸市議】「試しに撮影してほしいと依頼され、1本動画を作りました。しかし翌日6日朝、広報担当者K氏から『SNS監修は(PR会社)にお願いする形となりました』というLINEが届きました」
■斎藤知事は違法性について否定
斎藤知事は15日の会見で改めて違法性について否定しました。
【兵庫県 斎藤元彦知事】「十分な政党や組織の支援がない中で、(選挙選は)手作りで一生懸命やった。我々としては法令への対応含めて適切にやってきたと思っている」
PR会社へのSNS監修の依頼は業務としてだったのか、ボランティアの要請だったのか。
PR会社には、取材を申し込んでいますが、これまで回答を得られていません。
■「疑念が残ると言えなくもない」とジャーナリスト
斎藤知事は公職選挙法には抵触しないという認識を示しています。
【ジャーナリスト 岸田雪子さん】「今回の市議のVTRも拝見しましたけれども、『お願いすることになった』という言葉の意味ですね。依頼をしたのだとすると、報酬は大丈夫なんですかというあたりに、疑念が残ると言えなくもないというところかと思います」
【ジャーナリスト 岸田雪子さん】「ただ市議自身も話しているよう、報酬ありきの話だったということは、(今回明らかになった)LINEから読み取ることは難しいところがあります。この点、やはり疑いが残る部分については説明を丁寧に繰り返すということになりますし、やはり警察の捜査を待つということかと思います」
斎藤知事とPR会社社長への公職選挙法違反の疑いの刑事告発は、神戸地検と兵庫県警が受理しているということで、今後の捜査の行方が注目されます。
(関西テレビ「newsランナー」 2025年1月15日放送)