■「あってはならないことが起きてしまった」
兵庫県知事に関わる疑惑を調査してきた、元県議会議員が亡くなりました。
SNSなどで誹謗中傷を受けていて、同僚だった議員には「社会に絶望する」などと明かしていました。
【迎山志保・兵庫県議】「(訃報の)一報を受けたときは信じられない、信じたくないというか、あってはならないことが起きてしまったし、事実とわかったときは、残念無念で悔しい思いでした」
■元県議、斎藤知事の疑惑調査を務めるも、ネット上で激しい中傷受け辞職
悔しい思いを語ったのは、兵庫県議会の迎山議員。
死亡した元県議の竹内英明さん(50)は、同じ会派で県政について議論を交わす同僚でした。
竹内さんは、斎藤知事の疑惑を調査する県議会の百条委員会の委員を務めていましたが、去年、ネット上での激しい中傷などを理由に、議員を辞職していました。
関係者によると、18日、自宅でぐったりしている状態で発見され、死亡が確認されました。 自殺とみられます。
■事実でないことがどんどん拡散。社会に絶望…
死亡する2日前、迎山議員は竹内さんと電話で会話。
その時の様子について・・・。
【迎山議員】「(以前と)同じ人とは思えないような、憔悴してらっしゃるのがよくわかっていたので。全く事実でないことがどんどんネットで発信され、顔が見えない集団リンチのような状況に大変怯えられていました。ご自身が信頼している方からも、そういった(ネット等の)情報をもとに『本当なんですか』と責められることもあって、そこが一番辛かったと。こういったことがまかり通る社会に絶望すると言われていました」
■「まったくの事実無根」県警トップが立花党首の発言を全否定
また、知事選に立候補していたNHK党の立花孝志党首は、19日、You Tubeで、「竹内元県議は警察に逮捕されるのが怖くて命を絶った」などと、発言しました。
しかし、20日に開かれた県議会の委員会で、兵庫県警の村井本部長が立花党首の発言について真っ向から否定しました。
【兵庫県警 村井紀之本部長】 「(竹内元県議を)被疑者として任意の調べをしたことはありません。まして逮捕するという話は全くございません。全くの事実無根であり、明白な虚偽がSNSで拡散されているのは極めて遺憾だと受け止めています」
■斎藤知事は…
県警トップが、立花党首の発言を虚偽と発言する中、斎藤知事は…
【斎藤知事】「私は立花さんのSNSの詳細は拝見していないので。SNSはそれぞれが理性的に運用するのが大事だと」
来週には、知事の疑惑を調査する百条委員会の調査報告書の試案が示される予定です。
■「なぜ亡くなってまでこんな目にあわなければいけないのか。人の道に外れている」
【共同通信社 太田昌克編集委員】「憤りを禁じ得ないのが、『なぜ亡くなってまでこんな目にあわなければいけないのか』ということです。ご本人の名誉はもちろん、ご遺族、ご親族、お仲間もおられる。傷ついていますよね。なんで(亡くなった)今もこんな目に合わなければいけないのか。人の道に外れていると思います。
それから、集団リンチという迎山県議の言葉がありましたけれども、元県議の方が苦しんでおられて、亡くなる前に、県や行政、社会は何か救済できなかったのかという問題です。
人の道を守らなければいけません。言論の自由はありますけど、自由には責任が伴います。SNSでの言葉というのは時として人をも殺しかねない。
今回の事態を、行政、それから国は、もっと真剣に受け止めなければいけなません。
「規制」という言葉は使いたくないのですが、「表現の自由、言論の自由」の裏には「責任」があるんだということを、そこをどうやって日本の社会全体で考えていくのか、新しい議論をしていく結果にしないと、元県議の方の死は報われないと思います。
(関西テレビ「newsランナー」2025年1月20日)
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