大阪・関西万博のシンボル「大屋根リング」で使われる木材について、閉幕後の再利用に関する説明会が開かれました。
大阪府木材連合会が開いた説明会には、博覧会協会や、リングの再利用に関心がある自治体や企業などが参加しました。
■木材価格の下落 需要減少か 「早期の需要の掘り起こし必要」と協会
「大屋根リング」の木材の閉幕後の再利用について、博覧会協会は当初、市場調査の結果、全体の2割あまりの需要を見込んでいました。
しかし木材価格の下落など市場環境が変化したことから需要が減っているとみられ、博覧会協会は、「早期の需要の掘り起こしが必要」としています。
21日の説明会では、公園や学校のベンチなどといった再利用の構想が提案されました。
■「新しい庁舎の内装材への活用検討」と羽曳野市
説明会に参加した大阪府羽曳野市の担当者は、現在建て替え計画が進められている市役所の新しい庁舎の内装材などへの使用を検討しているといいます。
【羽曳野市の担当者】「展望エリアみたいなものをつくろうと思っていますので、天井材などに活用できたらいいなと思っています。万博に対してレガシーとなるような取り組みができるよう、工夫できればいいと思っています」
■リユースの木材価格「有償」 輸送費用は「譲渡先の負担」 追加の解体費用 負担先「検討中」
博覧会協会は21日の説明会で、ことしの3月から再利用の公募を始める予定だと明らかにした上で、リユースの木材価格は「有償」木材の輸送費用は「譲渡先の負担」追加の解体費用が発生した場合の負担先は「検討中」と発表しました。
■「解体費用が加わると普通に木材を買って使うより高くなる」と工務店の一級建築士
これについて、説明会に参加した工務店の一級建築士は「解体費用が加わると、普通に木材を買って使うよりも高くなってしまう。更に、形を変える、削る、という形になると、加工費が発生するので、かなりのコストがかかってくることは簡単に想像できます」と話しました。
博覧会協会の担当者は、「追加費用を事業者にお願いするとなると、リユース量は厳しくなると認識していて、なんとかリユース量が一定程度確保できるようにやっていきたい」としています。