中居正広氏と女性とのトラブルをめぐる問題で、一連の報道を続けてきた週刊文春ですが、フジテレビ社員が関与していたかどうかについて、記事内容を訂正・謝罪しました。
週刊文春の取材を受けた際、「事実訂正を大きく報じて、謝罪しないといけない」と指摘していた橋下徹さんは、1月29日放送の関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」に出演し、「文春は往生際が悪い」と述べました。
■文春の訂正 フジ会見前には有料版のみ、会見後に公式ページ掲載
<週刊文春の訂正>
・フジテレビの「やり直し」の会見が開かれた当日=27日朝6時30分
有料の電子版のみで「記事内容をその後の取材成果を踏まえ修正した」と掲載
・翌日・28日に公式ホームページで「おわびして訂正いたします」と掲載
27日の午後4時からフジテレビの記者会見が行われた時点では、有料版でしか訂正について知ることができなかったためか、会見に出席した記者は、最初に報じられた「女性はフジテレビ社員A氏に誘われた」という情報を前提に質問する場面がありました。
この訂正のきっかけの一つになったのが橋下さんの指摘だったといいます。
【橋下徹さん】「『A氏がX子さんを誘った』と第一報を出したの別の週刊誌で、文春もやっぱり追いつこうと思って同じような記事を出したんですよね。これ微妙なニュアンス、きちんと読み込めば分かるんですけど、12月26日発売号で『A氏に誘われた』とは文春は書いていないんです。直接的にA氏が誘ったとは書いてなくて、これはX子さんの気持ちとして『Aさんに誘われたら行くしかないですよね』という発言があったんです。こういう微妙なやりとり」
【橋下徹さん】「週刊文春がある意味えらかったと思うのは、僕は内容が変わったと、『とれたてっ!』や他の番組でも言ってたんですよ。その時、地上波で取り上げられなかったけど、文春が僕の発言を聞いてインタビューを申し入れてきたんです。『文句言いますよ。週刊文春のインタビューに関しては、週刊文春に対して言いたいことをとにかく1時間言わせてくれ』という話をしたら、文書は『もう思う存分言ってくれ』って」
橋下さんの「訂正をしたほうがいい」という指摘を、文春の記者は真摯に受け止め、実際出来上がったインタビュー記事はそこに焦点が絞られていたということで、橋下さんは「文春の取材力も立派だと僕は思っている」と述べました。
■「やるんだったらフジの会見の前にやらなきゃいけない」
フジテレビの記者会見より前に有料版で出された訂正の記事は、橋下氏のインタビュー記事の下に簡単な訂正文が載っていたといいます。今回、訂正の仕方に関して議論を呼んでいます。
【橋下徹さん】「文春の中でいろいろ議論あったみたいですね。僕はもっと早く訂正すべきだと思っています。文春が表明しているのは、1月6日の段階で事実がちょっと違うぞと気付いた。僕は1月22日に『謝罪した方がいい』と話をしています。
そこから27日まで訂正せずに放置していたんですよ。最後の最後のところ、フジテレビの会見前に、訂正はしたほうがいいという社内の声が強くなって、有料のところで出した」
文春が訂正したといっても、「A氏が呼び出して、ドタキャンして…」トラブルが起きたと思い込んでいる一般の方や広告スポンサーの方は多くいるとみられます。
【橋下徹さん】「あの“10時間会見”の質問者はほとんどそれ前提で、『A氏が関与してたんでしょ』と。僕はこの“しれっとした訂正”の仕方もおかしいじゃないかと。SNSでもいろんな人がそういうことを言い出したもんだから、文春はフジテレビの会見が終わった28日に、こういう形でおわびして訂正した。やるんだったらフジの会見の前にやらなきゃいけない」
【橋下徹さん】「同時にフジテレビの方にも言いたいのは、やっぱり日本を代表する報道機関なんだから、経営陣が記者会見をやる前に『文春の内容が変わっています。事実はこういうことで、この事実を前提にしてしゃべりますよ』ということを、はっきり言うべきだったと思います」
なお「とれたてっ!」が文春に取材すると、「訂正の経緯や方法をどう考えるかについては、30日発売の文春で編集長コメントが出ますので、それを見てください」と回答がありました。
橋下さんはXで文春側も記者会見をしたほうがいいと発信しています。
【橋下徹さん】「僕は思うんだけど、フジテレビだってCM引き上げられてから腰が上がったわけです。文春もみんなが買わなくなるとか、広告が引き上げられるという事がない限り、文春は記者会見とかまだ強気でやらないんじゃないかな」
■文春は「客観的事実をちゃんと言わなきゃいけない」
フジテレビでは多くの広告スポンサーが引き上げている状態ですが、訂正された記事の内容が影響を与えたと考えられるのでしょうか。
【橋下徹さん】「弁護士としての見解を言わせてもらうと、かなり影響したと思います。A氏が直接誘ったという話と、中居さんが誘って女性の気持ちの中で“A氏の会合”だと思って行った。これ全然違うから」
文春は、「A氏がセッティングしてる会の延長だったことは間違いない」と言っていますが?
【橋下徹さん】「文春これは往生際が悪い。『延長だったことは間違いありません』というのは女性の証言なんです。女性の心の中。誰かが心の中で『延長だ』と思ったら、それ延長になるのかというと、それは違います。文春としては女性の心の中の話じゃなくて、客観的事実をちゃんと言わなきゃいけない。例えば、A氏が中居さんに『ちゃんとセッティングできてるから誘ったほうがいいよ』とか言っていたのなら、延長かも分からないけれども」
■「フジテレビが鬼の首取ったようになっちゃいけない」
橋下さんは週刊文春側を批判しつつ、フジテレビ側に対しても釘を刺しました。
【橋下徹さん】「フジテレビが調子に乗ってはいけないのは、A氏っていう人が、ほかのタレントも含めて、いろいろな社内の女性や社外の女性を呼んで、飲み会をやってたのではっていう記事も文春は出しているから、そこの事実関係はちゃんと調べなきゃいけません。だから文春は今回ここを訂正したけれども、フジにもいろんな問題点がある。そのことを前提に、僕はそれでもここの変更は、やっぱり物凄い核心的な変更だから謝罪が必要だっていうことは言い続けたんです」
【橋下徹さん】「港前社長の発言でまずいなと思ったのは、懇親会に社員を呼んで『業務を円滑するために』とか言うんです。これ港さんも記者会見で訂正していましたが、優越的地位にある者が部下とかを飲み会に誘う時代ではないですよ」
【橋下徹さん】「やるんだったら全社でやるとか、部局全体でやるんだったらいいけど、個別に誘うのはもうやっちゃいけない。タレントさんの場合重要なのは、影響力のあるタレントさんはもうやめた方がいい」
文春の記事訂正に関して、フジテレビ側は「当初より一貫して当該社員は食事会の設定を含め、一切関与しておりませんと主張し、発行元にも対してもその旨を伝えておりました。今後は第三者委員会の調査に委ねてまいります」とコメントしています。
【橋下徹さん】「フジテレビが良くないのは『一切』っていう言葉を入れちゃいけないんです。松本人志さんの時もそうだったんですけど、トラブルの当日は関与していないけれども、その前の何らか食事会が影響していたかも分からない。『この当日は関与していないけども、前の段階とか何か影響しているものがあるかどうかは、ちゃんと調査します』ということを最初に言わなきゃいけなかった。最初『一切』と言っちゃった」
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2025年1月29日放送)