■中学生が「カメムシ」で芳香剤を作る研究
みかんなどの農作物を荒らし、私たちの“食”にも影響を及ぼすカメムシ。
そんな嫌われものが、なんと役に立つモノに生まれ変わるという一報が届きました。
■「カメムシのにおいで芳香剤を作るチームです」
【記者リポート】「ここでユニークな研究をしているということなので、行ってみたいと思います」
待っていたのは兵庫県立大学附属中学校の3年生6人。
【定倫太郎さん】「カメムシのにおいで芳香剤を作るチームです」
あのカメムシの独特なにおいが「芳香剤」になるのか?
6人は専門家たちから指導を受けながら進める授業で、学校周辺にいるさまざまな種類の「カメムシが出すにおい」を研究してきたのです。
さっそくカメムシを見せてくれるということで、学校の敷地にある裏山へ行きます。
【定倫太郎さん】「こういう松の木とか。木にわらを巻いて、隙間とかがある所で越冬するのがカメムシは好きなので、1カ月ぐらいたって、それを外したらいっぱい出てくるんですよ」
チームを引っ張るのは、カメムシへの愛が特にあふれている定さんです。
【定倫太郎さん】「カメムシ全般が好きです」「ちょっとあっち見てみよか…」
インタビュー中でも、いてもたってもいられず、カメムシを探しに行く定さん。時には仲間たちが見失うこともあり、ようやく山の中で定さんを見つけました。
(Q.やっぱり冬は少ない?)
【定倫太郎さん】「越冬しているやつを探してるんです」
カメムシが現れにくい冬ですが、取材班にどうにか見せたいと、必死に探してくれました。
【山岡依織さん】「熱意が1人だけずば抜けています、ついていけない」
結局、取材した1月29日には見つけることができませんでしたが…。
(Q.研究ではどれぐらい集めた?)
【定倫太郎さん】「種類でいうと25種類ぐらいで、数でいうと100匹以上」
■大発見“いいにおい”がするカメムシがいた
こんな感じで研究を始めて1年以上たった頃、チームは大発見。なんと“いいにおい”がするカメムシに出会ったのです。
【高野永翔さん】「めっちゃ臭いカメムシしか知らなかったので、教授が『いいにおいだよ』と言ってくれて、嗅いだ時にめっちゃくちゃ革命が起きました」
【山岡依織さん】「それにおってからクセになっちゃって。『次、私』みたいに取り合いになるぐらい」
見つけた25種類のうち、いいにおいがしたのは「2種類」。
かき集めたカメムシを脱脂綿にこすりつけて分泌液を取り出し、その後、抽出した「におい成分」が瓶の中に入っているそうで、記者が嗅いでみると…。
【記者リポート】「あ、なんかお菓子みたいなにおいが。クッキーみたいな、お菓子みたいなにおいがします。ほんまにカメムシ?」
■カメムシの甘い香り生かして「芳香剤」商品化目指す
この甘い香りを生かして、芳香剤の試作品も完成。カメムシの数を集められれば、商品化を目指したいと意気込みます。
【定倫太郎さん】「みんなに嫌われているカメムシを、何かに生かすことができないかなと考えた時に、そのにおいで芳香剤を作れるんじゃないかって」
【山岡依織さん】「もっといろんな人に、『カメムシは“いいにおい”がいるんだよ』と伝えたい」
中学生ならではの斬新な発想が、嫌われものの新たな可能性を広げるかもしれません。
(関西テレビ「newsランナー」 2025年1月30日放送)