寒波の影響は、長期化しそうです。
今季一番の強い寒気が流れ込み、近畿北部に「大雪警報」が発表されています。影響は週末にかけて続く見込みで、普段あまり降らないエリアでも積雪の恐れがあります。
私たちは、どんなところに注意が必要なのでしょうか。
■寒波の影響は1週間におよぶ見通し
京都府京丹後市では…。
【雪かきする人】「重たいです、雪が。早く終わってほしい」
学生が雪の積もった道に自転車のタイヤを取られながら通学していました。
京丹後市の4日の最低気温は、氷点下0.3度と、平年より2.5度低く、冷え込みの厳しい一日となりました。
近畿への寒波の影響は長期化しそうです。4日に開かれた大阪管区気象台と国交省近畿地方整備局の緊急会見では…。
【大阪管区気象台 小畠豊さん】「寒気自体は流れ込みっぱなしというイメージを持っていただければ。現在大雪警報とまでは至っていないところも、今後状況によっては変わってくる可能性ありますので、最新の気象情報に留意しながら対応してほしい」
今回の寒波の特徴は「列島に居座る」点です。寒気の流れ込みのピークは、5日から6日にかけてで、近畿北部では警報級の大雪になる恐れがあります。
その後、いったん落ち着きますが、近畿地方の上空に寒気が居座り、8日ごろに再び大雪の予報で、影響は1週間におよぶ見通しです。
■雪に慣れた地帯でも危機感
雪に慣れている豪雪地帯でも危機感が高まっています。4日朝の最低気温が氷点下5.1度だった、兵庫県香美町の柤岡(けびおか)地区。
【カメラマンリポート】「この辺りで積雪は70センチほどになっています」
除雪していない場所は歩きづらく、車が埋まった状態になっています。
屋根にもすでに分厚い雪が積もっています。さらに降るおそれがあるため、雪下ろしや雪かきの必要がありますが、地区に住む多くが高齢者で対応しきれていません。
【住民】「ある程度たまったら下ろしますけど、今年はまだ一度も。(Q.奥さんが屋根に上って?)はい。なるべく困るというか戸が動かなくなるまで我慢して」
【住民】「50数世帯あるけど、そのうち35、6がお年寄りばかりの世帯。屋根から落ちて、雪の中に埋もれたケースもあるので怖いですね」
■雪下ろしや除雪作業など雪の災害で毎年100人ほどが亡くなる
大雪警報が発表されている滋賀県北部の長浜市余呉(よご)町でも…。
【記者リポート】「降り続いた雪が私の身長(157センチ)ほどまで積もっています。屋根の上には2メートルほどの大量の雪が積もっています」
雪かきをする人にインタビューをしていると、すぐ近くの屋根から雪が落ちてきました。
【記者リポート】「危ないですね。雪かきしているときに」
【住民】「だから(屋根の)前とか、縁まで行かないようにな」
寒気の影響が長引くことで懸念されるのは、雪の災害による死亡事故。
毎年全国で100人ほどが亡くなっていて、約8割の事故が、雪下ろしや除雪作業中に発生しています。
■危険な屋根から落ちる雪の塊
そしてもう一つ注意してほしいのが、「落雪」による事故。専門家は「西日本では特に気をつけてほしいと」と呼びかけます。
【防災科研・雪氷防災研究センター 中村一樹センター長】「西日本で降ってくる雪は比較的気温が高い状態、0度前後、湿った状態で降ってくる場合も。そうすると見た目以上に重たい雪になる」
落雪の危険性を伝える実験映像があります。大人が乗っても壊れない強度の木箱ですが、湿った雪は一塊で30キロほどの重さとなり、屋根から落ちると木箱を破壊するほどの威力となります。
さらに一度溶けかけた雪が凍ってしまうと、車のフロントガラスも割ってしまうほどの威力になります。
【防災科研・雪氷防災研究センター 中村一樹センター長】「雪国の屋根は雪止めがついていてすぐに落ちないようになっている。雪止めがついていない場合は、割とすぐ落雪してくる可能性があるし、太陽光パネルが全面に入っていたりすると、ちょっと積もってザーッと落ちてくる」
新潟県では3日、雪の中から60代の男性の遺体が見つかり、除雪作業中に亡くなった可能性が高いということです。
週末には、普段雪が積もらない平地でも積雪のおそれがあり、専門家は「慣れていないからこそ注意をしてほしい」と話します。
【防災科研・雪氷防災研究センター 中村一樹センター長】「歩いている時は、自分の足元しか見ない。雪が降った時というのは頭上からも落雪のおそれがあって、普段雪に慣れてない地域の方たちが雪に対する注意をしっかり持っていただきたい」
長期化する見通しの最強寒波。思わぬ事故に巻き込まれないよう一層の注意が必要です。
■急ぎではない外出を見直すことも大事
外に出る際は十分な注意が必要です。自動車の運転にも注意が必要です。
【関西テレビ 神崎博報道デスク】「ご自身が雪道に対する装備が万全でも、立ち往生に巻き込まれる危険性もあります。もし急ぎではなく、スケジュールに余裕があるのであれば、外出を見直すことも一つの考えかと思います」
もし立ち往生に巻き込まれてしまった場合には、排気口の雪を取り除いて、排ガスが車内に入らないようにしてください。
交通にも影響が出ていて、今後、物流にも影響が出てくるおそれがあります。
【大阪大学大学院 安田洋祐教授】「寒波は居座りますけれども、常に大雪が降っているとは限らないので、ある程度生活に必要な物資がある方は、雪があまり降っていない時にお買い物に行かれては。あと職場に関しても、出勤が難しい場合は無理しないことがいいかもしれません」
企業側もテレワークなど柔軟な対策をする必要があるのではないでしょうか。
こまめに情報を入手して、早め早めの行動をとっていただくようにしてください。
(関西テレビ「newsランナー」 2025年2月4日放送)