片平敦気象予報士に最強寒波の今後の見通しについて解説です。
【片平敦気象予報士】「長期的にみると、また8日(土曜日)くらいにもう一回寒波のピークがありそうなので、まだまだ油断しないでいただきたいです。
雪雲の様子を見ていくと、5日に雪がたくさん降った地域は6日も7日も降りやすい状況です。ピークは過ぎたのですが、日本海の沿岸部や琵琶湖の北のほう、湖北のあたりに雪が降りやすいです。
ピークは過ぎたといっても、雪の災害は雪が止んだら終わりではなく、積もっている雪のは残ります。雪が弱まったとしても、どんどん少しずつカサが増えていくとなると、重みが増え、危ない状況はまだ続くと思っていただきたいです」
■風向きによっては京阪神の周辺や紀伊半島あたりにも雪が
【片平敦気象予報士】「7日(金曜日)は、雨雲と雪雲が少し無くなってきたように見えますが、8日(土曜日)にかけて、今度は雪雲が北から南に大きく流れ込んできます。そうすると、これまで雪雲が避けていた京阪神の周辺や紀伊半島あたりにも雪雲が流れ込むようになってきます。
大阪あたりにお住まいの方は、『寒波だと言うもののそんなに雪は降っていない』と思うかもしれませんが、風向きが変わってくる金曜日から土曜日にかけては、京阪神の周辺でも場合によっては、雪が積もる恐れがあると覚悟していただきたいところです。
週間予報を見ると、北部は9日(日曜日)午後にかけて雪が降りやすく、金曜日から土曜日ぐらいにかけて雪のピークがもう1回やってきそうです。
中部や南部は雪のマークがなく、金曜と土曜は曇りのマークになっています。これが今後の寒気の状況や雪雲の流れ込み方次第では、雪を積もらせるぐらいの状況になってきてもおかしくないんです。また気温もかなり低いということで、体調管理も気をつけていただきたいですね」
■交通機関の乱れに注意 雪かきもピークが来る前に
雪のピークが金曜日から土曜日ぐらいにかけてになる場合、気をつけなければならない点について解説します。
【片平敦気象予報士】「まず週末にかけて気をつけていただきたいのは、交通機関の乱れです。東海道新幹線や高速道路なども金曜から土曜にかけて大きく影響が出てくる恐れがあります。
今は東海道新幹線のあたりはそんなに雪が降ってませんが、金曜日から土曜日は場合によっては運行が止まることも十分あり得ます。
あとは雪が落ち着いている間に雪下ろしなどされたい方いると思いますが、雪が落ち着いている週末のピークの前に除雪などしていただきたいです。ただし安全確保しながら、必ず2人以上でどちらかに何かあっても必ず助けが来るような状況で。万が一に備えて、ヘルメットや命綱をつけて、安全第一で作業を早めに進めておいていただきたいです」
■『ブラックアイスバーン』に注意 路面が実は凍り付いている
【片平敦気象予報士】「雪があまり積もっていないような地域でも、雪が溶けて再度凍結すると、スリップが非常に心配です。自転車にスタッドレスタイヤは無いので、自転車の運転も非常に危険なので、無理をしないようにしていただきたいです。
特に気をつけていただきたいのが『ブラックアイスバーン』です」
雪道での車の運転ではスリップや立ち往生などに注意が必要ですが、もう一つ危険なのがブラックアイスバーンです。ブラックアイスバーンは一見すると路面が濡れているだけのように見えて、実は凍り付いている状態のことで、気がつきにくいのが特徴です。
濡れた路面と比較した実験映像では見た目の違いは分かりづらいですが、急ブレーキをかけてから停止するまでの距離には大きな差があり、雪道での事故の要因となっています。
■気温が低くなりやすい場所、風が通りやすい場所に要注意
【片平敦気象予報士】「普通の雪は白いので危ないとわかりやすいですが、ブラックアイスバーンはパッと見た限り、濡れているだけなのか凍っているのか、非常に難しいので、危険な状況と思っていただきたいです。
発生しやすい状況としては、気温が低くなりやすい場所、そして風が通りやすい場所。橋の上や橋の下も風が吹いて冷えますので、発生しやすい場所です。あとはトンネルの出口も、トンネルを出た瞬間、急に凍っていることもありますね。時間帯としては気温が下がる夜の間。夜は暗いので、なおさら見分けがつきにくいところもあるので、気をつけていただきたいです」
JAFも「とにかく慎重な運転を」と呼び掛けています。急発進、急ブレーキ、急ハンドルなどの動作はNGです。
【片平敦気象予報士】「去年の夏が暑かったことや温暖化の影響もあって、海が暖かいです。その分、湿り気が多い雪になると。それが溶けて凍り付くと、まさにブラックアイスバーンになるので、警戒していただきたいところです。こういうときは時間かかっても徒歩や電車、車で行くなど、くれぐれも対処を考えていただきたいです」
雪が降っていない地域でも路面凍結する恐れはあります。注意が必要です。
(関西テレビ「newsランナー」2025年2月5日放送)